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[ニシトモ様からメッセージが届いています]
破損ペナってたので、ログアウトして適当に遊び歩いてからの帰宅である。
夜更けだなぁ、昼だなぁ。
いつもと変わらないペースであるが……。
ニシトモのメッセージを見る前に、ローヴォの餌皿に適当な肉を置いて置く。
流石にこの時間まで知り合い達がログインしてるなんてことは無い。
と、思ってみて見ると。
トモガラさんがいらっしゃいました。
廃人への道を順調に進んでいるみたいです。
かく言う俺も、その道なんでしょう。
ニシトモからのメッセージを開く。
内容は次の行商にて、積み荷にバルサを仕入れて来ます。
と言う旨。
ならば、道具屋かどこかで、結ぶ為のロープを見繕ったり。
漕ぐ為の櫂を作っておかなければ。
ローヴォを従えて出て来たのは、東南の藪。
狙い目はもちろんギンヤンマ。
そして森へ入って蜘蛛糸と鎖蛇の毒である。
巨大なバッタもんはローヴォに頼んで避けながら進んだ。
経験値にはなるが、現時点で美味しい手合いじゃない。
俺と一緒に藪を疾走するローヴォだが、心無しが動きか軽やかになったような気配すらする。
新装備のお陰かなと思ったり。
沼辺で最初に出て来たのはスワンプスネーク。
麻痺毒にだけ気をつければ大丈夫な手合いだ。
鑑定すら省略。
ローヴォが噛みちぎって終了。
「こん」
「こんばんは」
珍しいことに人がいた。
取り留めの無い挨拶をしておく。
六人のフルパーティで、見た所前衛が三人、後衛が三人。
剣を持ったのが二人。
盾を持ったのが一人。
後は魔法使いが二人に弓を持ったのが一人。
「よこすんじゃねーよ」
「おい、マップの仕切りなんてないだろ。失礼だぞ」
剣を持った男がそう言って啖呵を切り。
魔法使いの男が窘めていた。
「占有権の主張くらいしたっていいだろ」
「このゲームはスキルでポンポン狩れるゲームじゃないから、独占した所で意味ないよ」
やり取りを聞いていると、やや面倒な雰囲気が出ていたので、聞くだけ聞いてさっさと後にする。
「申し訳ない。ちなみに、ギンヤンマとはもう戦いましたか?」
「ああ、貴方も知っていたんですね。つい先ほど出現しまして、何とか倒しきりました」
「そうなんですか」
「お前もギンヤンマ狙ってんの? 噂出回るの早過ぎだろ。俺らしか銀出るって知らないと思ってたのによ」
悪態をつく剣士。
それを宥めている物腰の柔らかい魔法使いは、パーティーリーダーかな?
ギンヤンマが倒されている以上、後一時間は湧かないと見た。
だったらこの沼を周回する必要性も薄くなる。
「狩場を荒らしてすいませんでした。ローレントです。それでは」
「あ、ちょ」
それだけ言い残して東南東の森へ向かうことにする。
道中の魔物は残しておこう。
面倒くさい物言いをされたら堪ったもんじゃないしな。
ローヴォさん、出来るだけ戦わない進路で!
「がう」
疾走するローヴォに頑張ってついていく。
これは、良い運動になりそうだった。
山を駆け巡るという修練法もあながち良さそうだ。
レベルが上がった時の裏ステータスに影響してるといいのだけど。
ちなみにさっきのパーティの名前。
覚えました。
【マジェストル】職業:火属性魔法使いLv12
【香苗】職業:光属性魔法使いLv10
【工藤ヨロイ】職業:戦士Lv12
【xx朧月xx】職業:剣士Lv13
【超人剣士王】職業:見習い戦士Lv9
【ユーミ】職業:弓使いLv15
・見習い薬師
物騒なことを言っていたのが超人剣士王という名前の初期職の男だった。
彼はこれから剣士の道を行くのだろう。
名前負けしないように頑張ってほしい所だ。
他の誰にも経験値は渡さないという、ストイックな印象もあったし。
気にかかるのはサブ職持ってるのがユーミという弓使いだけだったこと。
まあ生産職とかやんねーっていう感じならしょうがない。
光属性の魔法使いと薬師がいれば支援は十分だろう。
東南東の森へやって来た。
初っ端から、蜘蛛の巣を発見した。
今回は地面スレスレに相手を転ばせるように張られた蜘蛛の巣を飛び越え、ローヴォと共に頭上を探って行く。
夜目のスクロールは既に起動している。
いつまでも、向こうに先手取られっぱなしじゃダメだ。
「があう」
どうやら探し物勝負はローヴォに軍配があがる。
鼻先で指された方向には、蜘蛛の巣でジッとするハントスパイダーの姿があった。
興味本位で伸びている蜘蛛の巣を辿って行くと、地面スレスレに仕掛けられた糸に辿り着いた。
……最初からそうしておけば良かったのか。
さてどう料理してくれようか。
見当たるのは親蜘蛛のみ、子蜘蛛の姿は無かった。
とりあえず、拾った石を糸に向かって投げてみる。
揺動して、後ろからさくっと行くことにしよう。
頭上の蜘蛛の巣からやや離れた所へ隠れると。
一投。
最初は外してしまったが三回くらい繰り返すと石が糸に当たった。
蜘蛛は?
バッと飛び起きて石の当たった糸の方へ向かい始めた。
そして、蜘蛛の少し上の木の陰。
いや、葉の裏に潜んでいたのかもしれない。
子蜘蛛がわらわらと飛び出して来て気持ち悪かった。
親蜘蛛であるハントスパイダーのおこぼれに肖ろうと群がっている。
ハントスパイダーは、誰もいない糸の傍で首を傾げている様だった。
レイピアと大剣を入れ替える。
「ブースト! フィジカルベール! メディテーション・ナート! エンチャント・ナート!」
陽動としてローヴォを合えて正面から遭遇させる。
その隙に、ハントスパイダーの後ろから身体のつなぎ目部分に手を伸ばして大剣を落とす。
上手くスパッと腹部と胸部がバイバイした。
わらわらと逃げ帰る子蜘蛛を出来るだけ踏み殺して行く。
経験値経験値。
ちなみにドロップ。
【狩蜘蛛の糸】
狩蜘蛛の糸。粘性は無い。
かなり丈夫。
【狩蜘蛛の粘液】
蜘蛛の糸に良く馴染む粘液。
接着剤としても用いられる。
スパイダーシルクも狙い目だったのだが、落とさなかった。
魔力を帯びる物は強い。
魔樫の六尺棒で確信している。
よって、銀の使いどころは魔銀一択。
黒いレイピアも十分カッコイイとは思うが、魔銀、ミスリルの言葉の響きは、どことなく真っ白な物を連想させる。
純白の魔法を宿すレイピア。
カッコイイやんけ。
話がそれたが、ハントスパイダーが不在になった蜘蛛の巣も採取しておく。
そして再び蜘蛛狩りへ。
視界が暗くなった。
夜目のスクロールの効果が無くなったようだ。
これより、クールタイム三十分へと入る!
妖精さんの気持ちを代弁してみる。
得物を持ち替えよう。
カンテラの火を松明に移す。
静かな夜の森で、上から擦るような音が響く。
カンテラを上に向けると、丁度チェインバイパーが松明に巻き付いていた。
鎖蛇が牙をむく。
若干毒がフライングしてる。
神経毒を飛ばすことも可能なのか?
首を捻って躱しながら鎖蛇の首を摑み取る。
鎖蛇は抵抗するように腕に身体を巻き付ける。
首を握ったまま近くの木の幹に数度殴りつけると蛇は絶命した。
そのままドロップ回収。
毒腺と牙は恒例のドロップアイテムだ。
毒腺はビンに入れておく。
それからモスチートとマジックビートルが出現するエリアに入る。
甲殻を手に入れておかねばね。
モスチートは錬金素材を落とす。
ピクシードと供に、状態異常を発生させる手合いだ。
ツクヨイの錬金によって状態異常抵抗を上げるスクロールが出来ないものかと思案している。
気がつけば夜が開け始めていた。
四時間くらい夢中で狩り続けていた様だった。
[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]
[生産ポイントを獲得しました]
◇テイムモンスター
テイムネーム:ローヴォ
【グレイウルフ】灰色狼:Lv6
人なつこい犬種の狼。
魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。
群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。
[噛みつき][引っ掻き][追跡]
[誘導][夜目][嗅覚][索敵]
[持久力][強襲][潜伏]
※躾けるには【調教】スキルが必要。
特に代わり映えの無いテイムモンスター。
だが、レベルが上がると共に強くなっているのはわかる。
やるじゃんサンドイッチモンスター。
久方ぶりの生産ポイント。
既に、5ポイントも貯まっている状況。
そろそろ何かに振らねばなるまいに……。
バルサが届くので操船ポイントに全振りしても良いだろう。
いや、水上に出れば出るだけ、漁師の特性上生産ポイントは貯まって行く。
ここはまだ貯めておくべきだろう。
生産ポイントに本腰を入れるのは、本格的な川への進出で、どれだけ生産スキルを獲得できるかで変わって来そうだ。
それで他の生産スキルに多く振れるとしたら。
一先ず興味を引くのは、錬金と薬師だろう。
ポーションを作れるというのは明らかに有利だった。
まあ生活を豊かにする意味ではその他には勝てない。
冒険を補助する意味合いで、自分で持っとくのもありだと言う所に着目しよう。
MPは?
まだ余裕がある。
そりゃそうだ、対してレベルを上げてない補助魔法と余りMPを消費しない前衛向けのスキルしか使ってないしな。
もっと【アポート】を使っているかと思えば。
森へ来てから対して使いどころも存在しない。
投擲先制からの更に二撃目も奪えるという活用法は、すっかり森の中ではなりを潜めている。
東南東の森で出てくる敵は、自分から索敵して襲いかかってくるのとは違って。
その多くが待ち構えて、隙を付いてくると言う物。
ローヴォがいなければ立ち入るのすら難しかっただろう。
そこそこ難易度が高いのも、人が過疎っている状況を加速させているのかもしれない。
さて、ちらほらログインしているフレンドもいるようだし。
一度町へ戻ろう。
変わったステータス。
◇テイムモンスター
テイムネーム:ローヴォ
【グレイウルフ】灰色狼:Lv6
人なつこい犬種の狼。
魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。
群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。
[噛みつき][引っ掻き][追跡]
[誘導][夜目][嗅覚][索敵]
[持久力][強襲][潜伏]
※躾けるには【調教】スキルが必要。
ーーー
のみ
やや短めでした。
次回からどこか別の場所に後書きスキルかいときますわ、じゃ




