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-488-※※※トモガラ視点※※※


『さーて! 闘技大会予選最後のグループだー!』


『なかなか良い粒ぞろいですが……そうですね、前回のスペシャルプレイヤーで予選参加してくださっていますのが、トモガラさんしかいませんので、いまいち盛り上がりに欠けると言うか、なんと言うか……』


『ノンノン! GMデルタ! 思っててもそこは言わない約束でしょー!?』


『失礼しました。皆様、忘れてください。めちゃくちゃ楽しいです』


「ざけんなー!!!」


「参加者のレベルも上がってめっちゃ盛り上がってるわー!」


「でもなんか知らんけど今回もリアル強いのばっかりじゃねーかー!」


「スキル持ち優遇しろー!」


『スキル優遇しても、予選を勝ち上がり本戦出場を決めたプレイヤーは、元々のプレイヤースキルが高い方たちなので、さらに格差は開くと思いますが……ねえGMベータ?』


『ノンノンノン! GMデルタ! さすがにど直球で毒づくのはストーップ!! ほら、野次飛ばしてたやつぐうの音の出ないってくらい意気消沈してるから! 黙ってるから!』


『それは失礼しました。そこで私に完膚なきまでに論破されて意気消沈して項垂れてるプレイヤー様、忘れてください。あなた、めちゃくちゃ強いです神』


「……ひでぇ……」


「再起不能になるレベルだろ……」


「あ、ログアウトした……」


 わけのわからん運営側とプレイヤー側の絡みを聞き流しながら予選へと足を運ぶ。

 それにしても、だいぶ運営とプレイヤーの距離が近づいたんじゃないか?

 今まではうんともすんとも言わなかった運営が、拠点ぶんどられてからやけに気前がいい。


 さてと。

 今回も、前回の闘技大会に引き続いてのサバイバル予選ということだった。

 どでかい一枚岩のプレートに、百人くらいの人数かき集めての殺し合い。


 同じように乱闘イベントで得点が高かったプレイヤーがシード権を得るかと思ったが、それはなかった。

 前みたいにタイアップを含めて数日の乱闘期間があるわけでもない。

 面白そうなプレイヤーを吟味する時間がなかったのだろう。


 トップ1、2はそろって予選にすら出場しないし。

 くそが、忌々しいぜ。

 とりあえず前大会の仕返しをエキシビションで果たす。

 つまるところあの武術系ニートを泣かす。

 それが俺の目標だ。


『さあて! 最終予選ではあのトモガラが出る! 前大会のスペシャルプレイヤー! 惜しくも前大会覇者のローレント選手に敗れたが、血湧き肉躍るほどの大激闘を繰り広げ、身体強化スキル一強の一時代を作り上げた……あの! トモガラだああああ!!』


 どのトモガラだかわからんが、とりあえず目立ったのでよし。


『ってことは、徹底マークされますねGMベータ。もしかすれば99対1の面白い戦いが見れそうです』


『そう! その絵が見たい! だから最終予選組のお前ら! トモガラを狙えー!!』


「──ウオオオオオオオオオオオオ!!!!」


 周りにいた最終予選に出るプレイヤーたちが、GMどもの安い文句に雄叫びをあげていた。

 ったく……乗せられやすい雑魚たちだな。


 まあいいか、好都合だ。

 何人いても関係ない。

 全部まとめて薙ぎ払うだけだ。


「ククク、お仲間さんが大変な時に、呑気なもんですねえ、クックク」


「ああん?」


 不気味な男がすれ違いざまにそうつぶやいていた。

 なんだかきな臭い野郎だが、予選に参加するつもりはないようで、集合したプレイヤーの間を縫って去って行った。


「……何しにきたんだあいつ……?」


 まあ、いいだろう。

 とにかく、乱闘イベントの遅れはここで取り戻す。

 闘技大会優勝をいただいて、その先に待つあいつを泣かす。


 ……ならできるだけ乱闘イベントの時に得たエピックアイテムは取っておくか。

 それと鬼滅もだ。

 使わず雑魚を蹴散らせるくらいじゃないと、勝てないからな。


 待ってろやローレント。

 俺が積み上げてきたゲーム内での戦いに、傷をつけた恩は必ず返すぞ。


 なんだかんだPK達との戦いとか、いろいろ面倒ごとが多くて手合わせする機会が少ないから、個人的にこういう御誂え向きなモンがあるのは貴重なんだよな。


『それでは、闘技大会予選! 最後のグループによる生き残りサバイバル! ──始め!!』


 予選が始まる前から、俺を取り囲むようにしていたプレイヤー達が一斉に武器を構えてスキルを使用する。

 数で言えば、近接戦闘職の奴らが半数で。

 残りの半分で魔法職と弓系遠距離職。


「……意外とミドルレンジとロングレンジのやつが多いな、めんどくせえ」


 こっちから近づかないといけない奴らは全部面倒扱いだ。


「はっ、言ってろトモガラ、テメェを倒さない限り誰かが生き残るなんて不可能なんだよ」


「そうだ。GMが言ってた通り、最初だけ組んでテメェを片付けてから予選開始だぜ」


「できてねえ、できてねえな、テメェら」


「はあ?」


 前線で一応のまとめ役をしているプレイヤーに言っておく。

 レッドネームか、ノーマルプレイヤーかは知らんがどっちだっていい。


「集団組んで強がってる時点で、テメェら全部雑魚なんだよ」


「そう言ってられるのも今のうちだぞ」


「だったら喋らずかかってこい。一人残らず叩き潰してやっから」


 あいつなら、こう言った問答なしに叩き潰しにかかるだろうな。

 ああでも、最近のあいつは妙に丸くなったっつーか、割と人の話を聞くからなあ。

 どっちにしろスイッチが入ってしまえばトンデモ野郎だが、入ってなかったとしてもこいつら相手に物怖じなんか一切しないだろう。


「ぐっ」


 見据えて、睨んでやると、目の前のまとめ役の男は少し尻込みした。

 ほらな、結局けつ穴小せえビビリ野郎だってことだ。

 弱い犬と同じで、こっちから少しでも威嚇して揺さぶってやると。


「やるぞ! 前衛でおしつぶせ! 相手はたった一人だ!」


 こんな風に先走る。


「押しつぶす? ……やってみろや」


 鬼滅を除いた身体強化スキルを全て使い、戦斧を振り上げる。

 あとは全方位まとめて両断し薙ぎ払うだけ……





「ジャベリン」





 ……だったのだが。





 ──ドッ!!! ──ゴウッ!!!





「……はあ?」


 その集団を全て押しつぶすように地面から石の棘が無数に生えて、串刺しになったプレイヤー達を大きな火の矢が貫き、有無を言わさず押し流して行った。


「……貴様の意見には賛成だ。ぜひ一対一でやろう、一時代を築いたプレイヤー……トモガラ」







ぱっぴーぱれんたいん……

更新5回目です。




あと7更新。





ストックはもうない。






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