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 テレポートしたら、目を血走らせて殴りかかってくる大男がいた。

 鑑定するとリアードド。

 鼻息をンシューンシューと荒げている。

 とりあえずとっさに腕を掴んで凌いだ。


「いきなりなんだ……?」


 カイトーの元へテレポートしたのに、いったいこれはどういう状況。

 足元に誰かいるようなので、目を向けるとカイトーがコーサーを抱えてうずくまっていた。


「ロ、ローレントはん……」


「コ、コンシリエーレ……」


 コーサーの顔面は血だらけ、そして両足もひどくおかしな方向に折れているようだった。


「テメェ、なに邪魔してくれてんだよお」


 目を血走らせたこの男に一つ、訪ねておく。


「……お前がやったのか?」


 すると、男は口元をひどく歪めて笑い出した。


「くっはっ! そうだぜ? だったなんだってんだ?」


 だったらなんだって?

 そんなもん決まってる。


「俺の仲間に手を出したことを後悔させる」


「やってみろよ!!」


 リアードドの拳を左手に掴んだまま、右手に羅刹を転移抜刀。

 そして一閃するが、素早く反応したリアードドは腕を大きく振って無理やり拘束から逃れると飛び退いた。


「っていうかテメェ……ローレントじゃねぇか」


「今頃気付いたのか」


 相当頭に血が上っていたとすれば、カイトーやコーサーはこいつをかなり怒らせることをしでかしたとか?

 まあ、それは関係ないな。


 こいつが悪い。

 きっとそうだ。


 なぜかっていうと、レッドネームだからだ。


「こ、こいつらやで! 裏ギルドの上層にいるプレイヤーや!」


「なるほどな、っていうか、コーサーがなんでこんなところにいるんだ? カイトーとコーサーにアンジェリックの居所もついでに聞こうと思っていたんだが」


「アンジェリックさんはこいつらに捕まってんねん! なんでかはわからんけど、ちょうどさっきジョバンニとハザード、それに魔人がアンジェリックさん連れてここを出て行ったばっかりや!」


 なるほど、僅差だったか。

 もう少し早くテレポートしていればよかったが、後の祭りだろう。

 カイトーは続ける。


「ワイ……なんとか救おうとしたけど……無理やった……アンジェリックさん助けに来たコーサーがやられとんのも、全部見とったけど……手も足も出んかった」


「──さっきからぐちぐちうるせぇな、雑魚は引っ込んでろよ!」


「ひんっ」


 カイトーが喋っているところにリアードドが割って叫んだ。

 うるさいな、怖がってるだろうに。


 でもそうか。

 カイトーも、コーサーも、頑張ったことが伝わってくる。


「コンシリエーレ……すいません……」


「いや、いい」


 もう意識を保つだけでも精一杯のコーサーの謝罪にそう返すと、コーサーは目にいっぱいの涙をためて歯を食いしばった。


「もっと私が強かったら……ッッ!!」


 コーサーには、死地に同行させるだけ同行させておいて、俺からの直接てきな手ほどきは一切なかった。

 まずはその生半可な根性を鍛え直す、と思っていた故に、俺に教えれないことを、アンジェリックに任せていたのだが、まさかこんなことになってしまうとは……ある意味、これは俺の責任だ。


 コーサーの言葉を聞いて察する。

 “誰かのために、覚悟を決める”……その心はもう十分に育っていた。


「コーサー、苦労かけたな」


「コンシリエーレ……」


「もう大丈夫だ。俺が来た」


 そして見ろ、見てその強さを求める気持ちをもっと強くしろ。

 渇望こそ、強くなれる第一歩である。

 そこを求める気持ちこそが、全ての始まりなんじゃないかと、俺は思っている。


 現に俺もそうだった。

 けど、色々と足りないと自覚する部分もある。

 この歳になってそれがよくわかるんだ。


「チッ、ハザードが言ってた占い……まさか当たっちまったとか言うんじゃないだろうなあ?」


 目は依然として血走らせているが、妙に冷静な口調になったリアードドに聞き返す。


「なんのことだ?」


「テメェには関係ねぇよ……まあその占いは半分あたりで半分外れってことだ」


 訝しげな視線を彼に送っていると、リアードドは大剣を拾い、アイテムボックスからドロドロの液体が入った瓶を取り出した。


「そ、それは──」


 カイトーが驚いた表情を作る。

 いったいなんなんだ?


「ケッ、現時点……そうだ、“今のまま”じゃテメェを相手にしながら手負いの雑魚とは言え、そこの二人も同時に相手できるかかわんねぇからな、全力で行かしてもらうぜ」


「ローレントはん! 確かそれを飲んだら一定時間達人と同じような感覚で戦えるやつやって!」


「へぇ……」


 達人と同じような感覚か、それは興味深い。

 というか、そんな薬を作れるって、裏ギルドの連中はいったいどんだけ高いスキルを持ってるんだって話になる。


「ぉぇっ! クッソ不味いなこれ! ……だが、確かに今までとは確実にちげぇ感覚がするぜ」


 液体を飲み干したリアードドは、感覚を試すように視線を動かし、そして握りこぶしを作る。


「ははっ、テメェらの息遣いとか、心音とか、筋肉の動きとか、手に取るようにわかるぜ。確か、達人って相手の動きの読み合いから、一瞬で決着がつくんだっけ? はは、ちっとこついがいるかもしれねぇけど、丸わかりだ」








もうすぐキャラデザとかお見せできそうな気がしないでもないです。




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