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ガーディアンは各階層の侵入者の数と同じ規模で出現するとのことだった。
すなわち、一人一体ずつガーディアンを倒さなければ探求することさえ叶わない。
単騎で何体も倒せるプレイヤーがいれば問題ないな。
さて、先に進みながらガーディアン狩りをして見てわかったのだが、それなりに経験値は良い。
闘技大会は経験値優遇があり、参加者プレイヤーは負けても戦闘経験値をもらえる。
それはこのガーディアンにも適応されているようで、ツクヨイあたりはぐんぐんレベルが上がっていた。
プレイヤーネーム:ローレント
レベル:73
信用度:130
職業欄▽
[上級魔術師(無)]
[漁師]
[契約魔法師]
残存SP:16
ボーナスパラメーター▽
効果値:30
消費値:10
速度値:0
詠唱値:77
熟練値:30
見識値:50
ステータス▽
※※※第二弾アップデートから公開※※※
スキルツリー▽
【スラッシュ】Lv10
【スティング】Lv10
【マジックブースト】Lv33
【魔装】Lv6
【エナジーブラスト】Lv30
【マジックエッジ】Lv25
【マナバースト】Lv34
【スペル・インパクト(P)】Lv70
【ナート・エスカレーション】Lv10
【ナート・マジックアームズ】Lv10
【テレポート】Lv3
視認した範囲に転移する(再使用待機一時間)
指定された範囲への転移(再使用待機一時間)
フレンドリストから任意の人物の場所へ転移(再使用待機一時間)
【アポート】LvMAX
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【アスポート】LvMAX
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【リフレクト】Lv-
ちなみに俺の現状はこんな感じだ。
スペル・インパクトがレベル70を越してきた。
これは100まで行かないと次に行けないのだろうか。
契約モンスターやNPC達を複数背負った状態でレベルが二つも上昇するんだから、他の人はこの闘技大会で大きくステップアップしているんだろうな。
俺ももっと敵を倒して、早いところレベルアップに努めたいところであるのだが……、
「へェ、弾く方向を変えりゃいいのか?」
「そうです、同じデリケートモーション仲間として教えておきます。こういった使い方もあるんですよ?」
モナカが三下さんに戦い方を教えていたため、ガーディアンはお預けを食らっている。
「フリップディレクションだと、若干タイミングが変わってきてだるィ」
「あらあら、弱音ですか?」
「ハッ、それでもデカブツの簡単な動きくらいだったら100%カウンター決めれんだよォ──フリップディレクション!」
ガーディアンの突進に対して、三下さんはスキルを使用しながらカウンターを合わせる。
すると、ガーディアンの巨体がグルンとひっくり返って、頭から落ち潰れた。
「へェ……なんとなくだが、感じは掴めたぜ」
……鬼才だな。
一発でやってのけるのはかなりすごいと思った。
「……鬼才ですねぇ、素晴らしい」
俺と同じようなことを思っていたらしく。
モナカもニコニコ顔を崩さずにそうつぶやいていた。
「……むむむ、私も何とか一体倒したいです!」
「なら次一人で相手してみるか?」
三下さんの戦いを見ていたツクヨイも手を上げて前に出る。
「私は、相性が悪いのでやめておきます。お金をかければできると思いますけど」
「お金!? 十六夜さんは素直に相性が悪いと言ってください! こ、これで倒せなかったらまるで私が雑魚みたいじゃないですか〜!」
「……暴論ですよ、ツクヨイさん」
十六夜が困った表情を浮かべたところで、ちょうどよくガーディアンが出現。
俺もお金をかければできるという部分が気になって聞いて見た。
「後でニシトモに請求しといていいから、ちょっとやって見せて」
「み、見せて……うふふ、いいでしょう、アピールタイムです」
よくわからん問答は良いからさっさと見せて欲しい。
見せての部分だけ強調した十六夜はローブをはためかせてボディラインが浮き上がった装備を露骨に露わにすると、矢筒から一本の矢を取り出した。
「ん? それは……」
なんとなく想像がついた。
俺の持っている手榴弾とやや似たような魔力を感じる。
「ご明察です。そこそこ威力が激しいので、近づく前に倒しますね」
と言った十六夜が矢を放つ。
すると、まっすぐガーディアンに向かって飛んでいき、命中と同時に爆発した。
そしてガーディアンはバラバラになる。
「一応スキルで衝撃属性も矢にエンチャントできますんで、相乗効果でかなりの威力を保持して居ます。矢に貫通属性をもたせても良いのですが、こういう手合いには射抜くよりもひび割れを作ってそこから破壊した方が早いと思いましたので……」
「ああ……なんか魔結晶で鏃を作れって言われてたの……こういうことだったんですね」
「はい、ミツバシさんに魔改造してもらって、ここまでの威力が出せるんですけど……」
お値段は俺の手榴弾を超える。
そりゃそうか、鏃の小ささにあれだけの威力を込めるとなると、それなりの魔石を凝縮した結晶体が必要になってくる。
更に言えば、現状ここまでの魔結晶を作れる錬金術師はツクヨイを含めて両手で足りてしまうほど。
高騰する所以もさもありなん。
「でも、使えば使うほどツクヨイさんにお金が入るのでは?」
そんなモナカのつぶやきを聞いたツクヨイは目をより一層輝かせながら言った。
「じゃんじゃん使っていきましょう! 十六夜さん! サーチアンドデストロイです! さぁちあんどですとろぉーーーい!」
現金なやつだな。
「え、ですが……」
断りきれない十六夜は本当にその矢を使ってガーディアンを狩り尽くしかねないので、頭にチョップを入れてツクヨイのセリフをストップさせる。
「じゃんじゃん量産して、億万長者になるんですうううう──あいたっ!?」
「良い加減にいろ」
妹弟子を嗜めるのも兄弟子の務めである。
さらに、
「ほら、もう一体きたから行ってこい」
「ええ!? ちょ、ほんとうに一人で戦うんですか? た、戦うんですか!?」
妹弟子に稽古をつけてやるのも兄弟子の務めだ。
迫り来るガーディアンの目の前にツクヨイを押し出した。
「ちょぁっ!? あああ、いざ目の前にすると怖いいいい!」
「やばくなったら助けてやるから」
「ほ、本当ですか!? 約束ですからね! ちゃんと指切りげんまんしやがれくださ──」
そう言って振り返ったツクヨイのすぐそばをガーディアンの拳が掠めた。
余計なことを喋ってるから隙を見せるのだが、この場合、振り返った拍子に半歩動いたことで運良く助かった形になる。
「ほわぁぁぁあああッッ!?」
「ほら、さっさと倒せ」
「ひーん!!! あんまりだああああ!!!」
ツクヨイの錬金スキルが、地味にいろんなところで活躍している。
錬金術自体の取得が実は難しいのです、エドワルドしかテンバータウンで教えることができる人がいない故に。
錬金術要素に関しましては、いつかツクヨイ視点で触れさせていただきたいと思っております。
そしてそして、
二巻の書籍情報は随時活動報告にアップした旨をあとがきでこっそり書き記しますね。




