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■ノークタウン/乱闘イベント/ステージ:密林


 途中から三下さんと戦っていることに気づいた。

 でも、久々に手合わせしたくなってこのまま継続してみたのだが、素晴らしいくらい強かったな。

 特にフルカウル・ガードとかいうスキルを使った後。

 盾を使わなくてもカウンターが可能になるとか、とんでもないくらい強かった。


 マナバーストも相殺されるし、リフレクションは残っていたが、これは切り札である。

 正直テレポートよりも切り札中の切り札。

 三下さんの真似事をするためのスキルである。


 一応持てる全てを持って戦ったのだが……ね。

 石の牢獄からの石柱アスポート攻撃も、その中に手榴弾をぶち込んでも。

 全てをしっかり弾き返してくる三下さんには脱帽だ。


 頭の中どうなってんだろ。

 これはあれだ、達人が技を死に物狂いで練磨すると、無意識かで戦えるようになる。

 それと同じで、彼も相当な場数、そして練磨を続けて来たのだろうか。

 もはや無意識化でカウンターの連発である。


 ある意味、単体最強じゃないかとさえ思った。

 最後のグロッジ・リバースなんか、一回受けてるからわかるけど。

 蓄積したダメージをそのまま打ち返すスキル……三次職同士が戦うとこんな有様になってしまうみたいだ。

 周りを見ると、密林が禿げてる。

 それだけすごい戦いに、俺は思わず猿拳忘れて戦いたくなったのさ。


「──ったのさ、じゃねぇですよ。やっぱり味方同士で争って! もうぷんすこ!」


「まあまあツクヨイさん、上でも和気藹々と笑ってるみたいですしいいじゃないですか」


「むう!? ぐぬぬーーーー!! みんな何やってますですかー!」


 ツクヨイが見上げると、上では俺たちの戦いを観戦する生産組のメンツ。

 観客席に優雅に陣取って、お茶しながら手を振るレイラ達。


「見てたわよー、あんまり騒がしくするんじゃないわよー」


「レイラさん……大会だから騒がしさありきですけどね……」


 サイゼとミアンはすっかりレイラの給仕である。


「俺らはもういいや、観戦に回る」


「ガハハハッ! そろそろ生産職一本だからついていけねぇぜ!」


「うむ、レベルが上がるにしたがって、職人極めていくと難しくなるのである」


 ミツバシ、イシマル、ガストンは3人揃って手すりに体を預けて下を見下ろしていた。

 マルタと新徳丸の親方もいたはずだが、見えないってことはノークタウンの船着場にでも顔を出しているのだろうか。

 あの二人は重要な漁師プレイヤーで、船の運航を任せているからな。

 拠点を奪われてからは職を失ったような顔をしていたが、ノークタウンからその先の航路を拠点に置くとかなんとか言っていた。

 再就職ができそうで何より。

 俺もそれに関してはなんとか手を貸してやれないかなと思っている。


「白けたぜェ……まあ、ポイントも稼げたしいいかァ……」


 首をコキコキと鳴らしながら、三下さんは歩いていった。

 戦いの余波だけでも、相当なもんだ。

 俺も猿拳中にオート狩りして、稼いでモニターを見上げると俺と三下さんでワンツーフィニッシュだった。


『おーっとそろそろ時間が来てしまったかー!?』


「くそがあああああ! まだ終わってねぇぞおおおおお!」


 トモガラがそう言いながら時間いっぱいまでプレイヤーを蹴散らしている。

 俺も、三下さんも、ツクヨイもモナカも、ここで乱闘イベントも終了したのかと思った。


 ……思ったのだが。


『──では、第二ステージと参りましょう! ぶっちゃけステージこんだけ広くとってんのは今日は一日かけて乱闘するためじゃーい!』


 と、GMベータが叫び。

 ステージの風景が一気に変わる。


 密林から、砂漠へ。


『さらに、今からステージ参加者はランダム配置で砂漠へ送られるぞ! 死んでも一定時間後に再び再入場可能だ! ええい説明がまどろっこしいからGMデルタお願い!』


『GMづかいが粗いですね、まあいいでしょう。今回の乱闘イベントは闘技大会内を拡張しております。そしてさらにここからのギミックですが、砂漠、そして大遺跡をモチーフとした乱闘戦です。拡張規模はさらに拡大、外部からはプレイヤー視点、定点での映像配信を行なっておりますが、今回からは戦うプレイヤーは外の様子が見えなくなります』


 その言葉通り。

 広大な砂丘、そして、爛々ときらめく太陽の隣に、不自然な巨大モニターが順位を映すだけになり、神の声のようにGM達の実況が響き渡っていた。


『なお、先ほどの密林は、少し前に解放されたエリアをモチーフにしており、今回の砂漠はその先にある砂漠エリアがモチーフとなっております。魔物は出現しませんが、気候や条件はそっくりにしておりますので、参加者は新エリアを先に体感できる、といった形になりますので是非ともご参加くださいませ』


 ……なるほど。

 そういう趣旨も含みでやってるのか、なかなか楽しませてくれるじゃん。

 あとあれか、テンバータウンに籠りきってないで、そろそろ他のエリアに足を進めろとでも暗に言っているのだろうか?

 そんな流動性を生み出すために、裏とかPKとか、人が移動せざるを得ない状況を作ってくる奴らを野放しにしている節もあるだろうな。


 裏ギルドの騒動は完全に後手。

 運営の意図がなんとなく感じ取れた。

 情報流したのか?

 まあ、そんなことは置いといて。


『ちなみに砂漠と言ったらピラミッド! 遺跡! そこには隠しアイテムとか色々あるから、参加者特典だ、奪いあええええ!』


「ほう」


 好奇心を掻き立てられる情報だ。


「とりあえず、俺はピラミッドとか遺跡を目指すけど、どうする?」


 たまたま近くにいるツクヨイ、モナカ、三下さんに尋ねる。


「お、置いていかれるのだけは嫌です!」


 ツクヨイはついてくるつもりだ。

 ってか、体にしがみつくな。

 顔を擦り付けるな。


「まあ、私は今ポイント順位は上位キープでいいですから、ついていきましょうかね……あなた方と一緒の方が生存確率は大いに高いでしょうし」


 モナカもついてくるみたい。


「……宝は折半だなァ、んで、獲物も折半だァ」


 三下さんはノリノリである。

 ちなみにトモガラは一人だけ遠くで戦っていたので、マップの拡張とともにどこぞに消えた。





第二ラウンドが始まります。


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