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三下さんを前にして、盾持ちPKの一人が前に出た。
「くっ! ブロッキングとカウンターがお前だけの専売特許かと思ったら大間違いだ!」
「……はあァ?」
そんなPKに対して、三下さんは大きなため息をついて言い返した。
「別に専売特許とは思ってねぇよ。だけどなぁおい……」
再び言葉を紡ぐ前に、PKの一人が彼に駆け出して行く。
そういえば、盾と盾同士がぶつかった場合ってどうなるんだっけな……。
ブロッキングはなんとなく想像はつくんだが、果たしてカウンター同士だと……。
「ぐはっ!?」
あ、PKが吹っ飛んだ。
「せめてカウンター率99.999999%くらいは確保してから言いやがれ“さんした以下”がよォ!!」
凶悪な表情で笑いながら、彼はPKに切り込んで行く。
それを見たトモガラも、ポイントを取らせないようにとすぐに攻め立てる。
そんな状況で、とりあえず俺は彼らごとエナジーブラスト。
「エナジーブラスト」
「テメェ、このヤンキー面はともかく俺まで巻き込んでんじゃねぇ! フリップディレクション」
三下さんは、そう叫びながら俺のエナジーブラストを弾いて別のPKにぶつけていた。
なんだか、トッププレイヤーとして並ぶ連中は普通にエナジーブラストを受け流すか、弾くか、トモガラはそもそも身体強化称号派生スキル鬼滅がかなりの熱を身にまとうスキルで効かない。
……新しいスキルが欲しいところだ
そろそろ、そろそろいいんじゃないか?
今のスキルは、何だっけな。
【スラッシュ】Lv10
【スティング】Lv10
【マジックブースト】Lv30
【魔装】Lv4
【エナジーブラスト】Lv25
【マジックエッジ】Lv23
【マナバースト】Lv30
【スペル・インパクト(P)】Lv65
【ナート・エスカレーション】Lv7
【ナート・マジックアームズ】Lv7
【テレポート】Lv2
視認した範囲に転移する(再使用待機一時間)
指定された範囲への転移(再使用待機一時間)
フレンドリストから任意の人物の場所へ転移(再使用待機一時間)
【アポート】LvMAX
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【アスポート】LvMAX
・制限解除、無詠唱、ストレージ
【契約魔法】Lv5
三次転職に伴って、上位に変わったスキルは置いといて。
割と2次転職後と魔法剣士の称号をとった後から代わり映えしない気がする。
スペル・インパクトが早くリジェクトになってくれないだろうか。
でも威力的には三次スキルっぽいからなあ、スペル・インパクト。
無理やり上位派生クーポンとパッシブ化クーポン使った分、まだまだ先なのかもしれない。
テレポートもスティーブンの使うものとは少し違うから。
この先があるのだろう。
……まさか、四次転職とかあったりするのか?
その辺の情報は無い。
最初から三次転職は何となく情報が出回っていたと思うんだけど。
「よそ見してんじゃねぇよ!」
「ふん」
後ろから飛びかかって来たPKの顔面を鷲掴みにして地面に叩きつける。
考え込むのはもう無しにして、今は目の前の敵を倒そう。
徒党を組んだPKを蹴散らし、そしてその先にいる裏ギルドに大打撃を与えるのが重要だ。
だったら、恐怖を味あわせてやれ。
「……猿拳」
密林エリアだし、これを使うほかないだろう。
「うお! う、ぎゃあああ!」
両目潰し、喉頭蓋抜き、前歯全損。
プラスかっさばいて中身抜き出して、それを持って四足歩行で移動しながら、他のPKの首を絞める。
「か、かえし……て! かえしてええええ!」
戦士プレイヤーはレベルアップとともにどんどんしぶとくなって行く。
臓物適当に抜かれたところで、甘めに攻撃すれば死なない。
それに、腹掻っ捌いた時に使用したのは羅刹ノ刀。
だいぶんスプラッターにな描写になるが、それが嫌な人は設定を下げればいいだけだ。
レッドネームプレイヤーはそう言う類の設定は否応無しにマックスにしてる奴が多い。
だから、こう言う“演出”が効果抜群だ。
「ぐお、なんだこ、ひっ!? え!? だ、大丈夫か──げひッ!?」
腸で首を絞めて後ろから貫手で肋骨通して、心臓を掴む。
そこに刀突っ込んで大動脈全てぶった切ると無理やりひねり出す。
血しぶきがつくが、そのうち消えるからいい。
「おい」
「は、ひ……ひ……」
心臓を抜かれれば、さすがに動けなくなるな。
一体何の状態異常なのかわからんが、とんでもない部位欠損なのは確かだ。
光属性魔法使いでも、上級に至るアルジャーノですら部位欠損はなくなる前であればくっつく程度。
失ったもんは、それこそバカ弩級の回復ポーションじゃないと治らないらしい。
「まずいな、お前の」
「あ、ああ、……あああ」
心臓をかじってもぐもぐしてぺってはいたら、抜かれたPKは、
「ひひ、ひひひひひ、あいひいいっひいっひ」
そう言いながら崩れてずっと笑っていた。
自然に死ぬまでそうしていろ。
「これもういらないから捨てるぞ?」
「ひ、ひひひ、おれの、おれのぉっ、あっひいぃおれのおお」
遠くに投げると、そう言ってフラフラジタジタとしながら走って消えてった。
まあ、ほっとくか。
「空きありだぜ! 俺は空手三段、剣道三段の──のわっ!? 血っ!?」
後ろの茂みから剣を持ったスポーツ刈りのレッドネームが突撃して来たので、顔面に先ほど心臓をかじりついた時に口に溜まった血を吹き付けてやる。
毒霧だ。ぐはは。
「ぐっ!」
怯んだ隙に、貫手で鎧がない部分を数回殴り、顔面をひどく崩壊させた。
「は、わ、」
「三段? 段位もあてにならんな」
後ろに回って首を回してへし折った。
やはり実戦経験を積まないと、いっぱしの戦士とはいえん。
さて、刈った首は木に並べて晒してやろう。
「キキキキ……よし、まだ猿拳は維持できるな」
木の上に飛び乗って、少しばかり使う。
こう言うのはなりきりだ。
完全に野生の獣となり、その動きをトレースするのだ。
獣拳の類は意識的に無意識下に入ることで、本領を発揮する。
いざ行かん……。
……スッ。
ぽろっとえげつない描写を出す。
三下「感想ありがとなぁ」
次回! グローイング・スキル・オンライン!
三下さんは見た!
密林に上がる雄叫び、そして四足歩行の高速移動!
類人猿? 原始人?
理性を失ったローレントvsほぼ全員。
君は魔王を、倒せるか。




