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更新遅れてしまいました。

なので今日はもう一話……いけたらいいなあ。



 ハリスは決闘場におけるマネージメントを担当するNPC。

 だが、誰にでもマネージメントがつくわけではないそうだ。


 さて、なんともトゲトゲした名前だろう。

 だが、その名前の持ち主は、ちんちくりんのメガネ女子だ。


「……」


 素直に名前負けしているよな。


「今、名前負けしているとか思いませんでした?」


「ぎく」


 なぜわかったのだろう。


「いいんです、よく言われて来ましたから。でもこれからはキャリアウーマンとしてパリッとしたマネージメントとして、私は生きていくんです、ああ、やっぱりカシミ本店のケーキは美味しいですねえ!」


「そうですねハリスさん! ご迷惑おかけしたんで、ここはローレントさんのおごりですよ! おごり!」


「では、あれもこれもそれもどれも……注文お願いします」


 ……俺だってしこたま食べてたけど。

 こいつらもしこたまケーキ食ってるよな。


 オーダーによってどんどんテーブルに運ばれてくるスイーツたち。

 そのスイーツを目の前にして、目を輝かせる女性陣。

 プリプリと怒っていたハリスも、生クリームがたっぷり乗った甘いケーキを食べた途端に機嫌をよくする。


「……太r」


「「おい」」


 睨まれて凄まれた。

 とんでもない殺気だ。

 デュアルの時よりももっと……。


 なんだろうか、一瞬で狂気を孕む相当危険な殺気。

 これをナチュラルで出せるんだから、女って怖いよな。


 普通、覚悟を決めたものに出せるもんなんだけど。

 太るという単語が出る前に強烈な殺気を発生させるとは……おそるべし。


「さてと、とりあえずあんたの苦労の身の上話はそれくらいにして」


 注文の品がくるまで、ハリスの小言を聞いていた。

 デュアルは小難しい人なんでできるだけ面倒な部分に差し障りなく決闘だけやらせておけとか。

 そこに至るまでどれだけ苦労したかとか。


「そ、それくらいって!」


 ハリスはテーブルを力強く叩きながらいう。


「双剣の貴公子は決闘で稀に見る逸材として今回の試合にのぞむんですよ! 私もマネージメントとして仕事を始めてやっと辿り着いた有望株を、大事な決闘前に揉め事おこさせる訳にはいかないんです!」


 プリプリとケーキを食べつつ、再びそのデュアルが実は優しく、そしてすごいとかそんな話が続きそうだったので、軽く押し留めておきつつ、こちらの話を押し通す。


「なら俺のマネージメントもしてもらえない?」


「はあっ!?」


「いきなり何言ってやがりますか!?!?!?」


 ツクヨイも驚いていた。

 単純に闘技大会でデュアルを打ち負かすためでもある。


「同じマネージメントがついていれば、デュアルの予定が丸わかりだからな。それに俺が合わせていけば、いつでもかち合うことが可能になるだろうし」


 そんな俺の意見に、ハリスは紅茶を一口飲んでため息を吐いていた。


「はぁ……あのですね、マネージメントがつくのは誰でもってだけではないんですよ。下のランクで数ある緒戦を圧倒的な力で連勝し、有望株だと大衆により認められて始めて検討会が開かれるんです」


 それでもマネージメントがつくかつかないかの瀬戸際といったところ。

 上位のランカーたちには基本的にマネージメントが付いている。

 そのマネージメントを通さない限り、マッチングは行われない。

 逆に、マネージメント同士ならばそういった連携が取りやすくなり、マッチングが行われやすくなる。


「そうなんですね……どうでもいいですけど」


 ハリスの説明を聞いていたツクヨイはつまらなそうに冷たいココアを飲んでいた。


「ランキング外、いわゆる圏外の決闘者は、基本的にマッチングは自分で申請します。これは早い者勝ちです。そして膨大な決闘者の中からランダムで対戦者が選ばれます」


「自分で選べないのか」


「決闘場は特別な決闘システムが組まれてましてHPがゼロになっても死なないようにできてるんです。なので、度胸試しだったり、ただ暴れたい人だったりが多くて、圏外は本当に有象無象。いちいちこっちでカードや日時を決めるのも面倒なので先着順で完全ランダム。その日に空いてる者同士をくっつける形ですね」


 勝てば圏外でもその日いいものを食べれるくらいのお金がもらえる。

 負けたら参加費を徴収されるが、一度負けても二度目に勝てば帳消しにできるため、マッチングで運良く格下と当たればと思っている“やから”が多いんだと。


「ランク上位に行けば行くほど、闘いの王のように尊敬されます! そして十回以上、下克上を退けトップに立ち続けたものには、栄誉である決闘王の称号が付与されるんですよ!」


「だってさ、すごいなツクヨイ」


「……決闘王ってワードに何をそんなに子供みたいに目を輝かせてるんですか…………ハッ!」


「ん?」


 ツクヨイが何かを閃いたような表情をした。

 そして先ほどまでのつまらなそうな不満げな表情を一変させニコニコしだす。


「いいですよぉローレントさん、決闘しましょう決闘」


「ん? お、おう……」


 なんだいきなり。

 どうしたこいつ。

 そしてツクヨイは気持ち悪いニコニコ笑顔でハリスに尋ねる。


「マネージメントはプレイヤーでもなれるんですか?」


「なれません」


「ふぁっく」


 ファックっておい。

 今日のツクヨイは、コロコロと表情が変わってなんだかおかしかった。

 でも決闘場に行ってもいいとゴーサインが出たので改めてハリスにお願いする。


「ってことで、マネージメントよろしく頼む」


「ダメです」


「ふぁっく」







お気付きの方はお気付きかと思いますが……

ローレントがいる場所は……

カシミなんですよねえ……


何か、忘れてますねぇ……

このトリ頭は……

すぐ……

忘れちゃうんですねぇ……






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