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(実は今日は二回更新でした)


「で、私は指定時間にきっかり待ってたんですが……あなたはなんで一時間も遅れてやがりますですか」


 翌日、俺はスティーブンの家で、それもツクヨイに間貸されられた怪しい器具のある部屋で説教を受けていた。

 息抜きを兼ねたプールイベントは、まさそこそこ楽しめた。

 屋台もそこそこの数を連ねていたし、渦中にある第一生産組とも有意義な話し合いができたと思う。

 明日の闘技大会が楽しみだ。


 では、なぜ俺が説教を受けているかと言うと……。


「時は金です! 時は金! たいむいずまねー! 天下の暗黒魔術師のぶらっくぷれいやぁでも時を生み出すことは不可能! 不可能不可能ーーー!!!」


「すまん、すまん」


 これに関しては平謝りするしかない。

 たまたま、少しばかり野暮用で自宅の道場に足を運んでいただけなのだ。


「キュイキュイキュイ!」


「くぅん……」


 なぜかローヴォもヤンヤンに怒られて助けを求める様な視線を俺に向けている。

 ……ヤンヤン、雌だったの?

 あれ……雌だったっけ?

 まあそんなことはどうでもいいか。


「せっかく王都へ遊びに行くんですよ! まだプレイヤー勢では多分誰も行ってない王都に!」


「ふむ、プレイヤーの総人口から省みて、いるとは思うんだけどね。他の街を拠点としているプレイヤーとか」


「そ・う・い・う・こ・と・じゃなくてですね! あーもう!」


「それに野望葉はだな……武術家には、毎日こなす日課と言うものが存在するんだが……今日は、それに少しばっかりアグレッシブな練習役が存在していたんだよ」


 おかげですでに身体はあったまっている。


「よしツクヨイ。“でえと”でも“ばとる”でもなんでも言ってみろ」


「いや、そこまで身構えるもんじゃないと言うか……っていうか緑色に怪しく光る目を納めてください怖いですそんな人と王都をウィンドウショッピングしたくないですお願いします」


 不機嫌そうな表情を依然として崩さないツクヨイは、さらに言葉を続ける。


「──って、今日は私の言うことを聞いてもらいやがりますからね!!!」


 斯くして、俺とツクヨイはスティーブンの家に備え付けられた王都のゲートを使う。

 以前から「そうだ、王都へ往こう」と言っておきながら、なかなか行かなかった問題に終止符を打つのだ。

 と、言うかそろそろうやむやにすると、回復ポーションに何を混ぜられるかたまったもんじゃない。

 闇属性のスキル使いでありながら、初期から錬金スキルを使ってきたツクヨイは、いわば第一拠点、テンバータウンでも指折りのぶらっくぷれいやぁとやららしいしな。




「──ここが王都……の外れの森ですか」


「そうみたいだな」


 ゲートは森の中の小屋につながっていた。

 マップを確認すると、王都の外れであることがよくわかる。

 スティーブンは、街中につなぐよりもこうして外れの位置に転移ポイントを作るのが好みの様だ。

 それは南の霊峰、コンバットエイプとサイクロックスが出現する岩肌地帯でも同じこと。


「マップに出現する敵は……そこまで強くないみたいだな」


 王都近辺の森であることから、存在するモンスターは……



【ウッドウルフ】Lv5

フォレストウルフの近縁種。クラス2。

枝などを操ることができる。



 フォレストウルフの近縁種と書いてある『ウッドウルフ』はクラス2のモンスターだが、ちょっとした特殊能力を持っている様だ。

 だが、それも藪の中を早く連携して動ける程度の能力。

 攻撃手段は牙と爪。


「ローヴォ」


「──グォンッッッ!!!!!!」


 上位種であるローヴォが咆哮をあげると、逃げて行った。

 ……正直不完全燃焼だな、奥行くか。


「ちょちょちょ、たんまたんまたんまですってば!」


「なんだ?」


「王都は、こっちですよ!!!!!!」


 森の奥へ行こうとしていたのを、腕を掴まれ王都の方角を指さされる。

 チッ。


「舌打ち漏れてますよ」


 くっ、よしならば仕方ない。

 さらばだ、まだ見ぬモンスター達よ、さらばだ。


「さて、冗談はさておき」


「……冗談だったんです? あれで?」


「うん、王都に一度足を運べばこれからテレポートが可能になる」


 一度行ったことのある場所ならば、転移可能。

 だが、それは街限定となる。

 あとはフレンドリストからの転移になるが、俺のフレンドリストの中から王都に来てるプレイヤーはまだいない。

 なんとなくだが……十八号あたりはクエストがらみで俺の知らない場所に行ってそうではあるが。


「さて、転移するか」


「へ?」


 ツクヨイの腕を掴み引き寄せると、空蹴で上空へ。

 ローヴォもヤンヤンも一緒に視認転移。

 森の小屋から王都の城壁は少しだけ見えていた、木々よりも高く飛び上がるとさらに景色が一望できる。

 視認転移が、どれだけの距離なら転移できるのかまだ試してなかったしな、いい機会だ。


「ほええええ!!」


 どうやら、城壁の側まで転移できた様だ。

 かなりの距離があったとは思うが、目算では分かりづらいがかなりの距離だ。

 相手に接近するのもそうだが、この視認転移はフレンドリストや街の指定もないから緊急回避にもってこいだな。


「よし、王都に入ろう」


「はい……ってナチュラルに話を進めないでください!!!」


 なんだかツクヨイ、今日怒ってばっかりだなあ。








あとがき小話(読み飛ばしてもいいよぉ)


明日、明後日は予約投稿になります。

紆余曲折しましたが、テレポートのスキルレベルが上がればかなりヤバい部類のスキルになります。

でも、クールタイムの影響もあり、スキルレベル上げにはかなりの困難がつきまといます。

レベル1の段階で、一日二十四回の使用制限。

ログイン時間を考えると、最低でも五、六回使えたら儲けもんですね。

でも、後半になるにつれてクールタイムも短くなるので、そんなん帳消しになりますけど。





トモガラ、モナカ、三下さんのレベルアップ速度が早いと思う方もいらっしゃると思うんですが。

スキル構成が成長速度に大きく関わります。

スキルを持つには職に就かなければなりません、持っている職業の数が多いとその分レベルアップも遅くなります。

さらに職業ごとに相性もあり、それが妨げになることも。

近接職は近接職業と暗殺系職業を混合するとその分レベルアップも遅くなりますが、そんな人はあまりいません。

魔法職が特にそこに関して影響を受けます。属性系派生を取るには職につくことが必要不可欠何ですが属性ごとに相性があるもんですから。


テレポート系は大器晩成の無属性魔法スキル、ローレントは無属性魔法スキルばかりガン上げしてますが、契約魔法師、漁師、契約モンスターに経験値が分散されてエライコッチャ状態です。

みんなで一気に戦えば、それなりの経験値も入りますが、コーサー、トンスキオーネは基本的に放置なので無限吸い状態。(本人は吸いという言葉を知らないが、何となく経験値分散してるんだろうなって思ってます)


なんか適当すぎる乱文になりましたけど、こういう仕様もあります。

精霊魔法は、その制限ないです。


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