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 ちなみに、昼の藪にも飛蝗は居た。

 そして蛇も居たのである。



【スワンプスネーク】Lv6

沼地の泥に隠れる蛇。

麻痺毒を持つが、そこまで強くない。



 危うく噛まれそうでした。

 六尺棒で距離を取れて良かった。

 沼地から少し歩いた所だが、後ろを隠れて着いて来ていたのだろうか?


 体長は一メートル程で細身。

 焦げ茶色に藪を保護色とする緑のラインが複数入っている。

 噛み付かれたら麻痺か……。

 ナイトラクーンの瞳もそう言う感じだったな。


 何にせよ、HPが減って行く毒とかじゃなくて良かったです。

 毒消し持って来てない。

 今度から準備しておこう、レイラに相談してみるか。


 気になるドロップは?



【沼蛇の皮】

水を弾く焦げ茶色の皮。

色々な用途に使える。


【沼蛇の牙】

麻痺毒を流す穴があいている。

鋭いが丈夫ではない。


【沼蛇の毒腺】

麻痺毒を持つ。

毒性は並み。



 牙が麻痺属性を持ってる訳じゃないのか。

 ちゃんとしてるなこのゲーム。

 武器に仕込むとしたら、塗布もしくは毒腺と牙を一緒に仕込むしか無いのかな。

 どっちにせよ、俺の手には負えない。

 ただ、牙の空洞は、接着剤を隙間に流す時に使えそうで。

 スポイトだな。


 そして森へ。

 森の中へ。


 藪からの進入は、ややゴブリンのシークレットエリア方面だといえる。

 そっちよりも更に東に位置する部分はまだ脚を踏み入れたことが無かった。

 トモガラに案内された時は真っ直ぐ入った森を少しして南東へ下った形。

 出たモンスターはサップリングマンにピクシードとかだったが……。


 あ。

 記憶から欠如していた物が一つあった。



【不思議な種(下級)】素材

何が生えるかは、ランダム。

種のランクによって生えてくる植物の希少価値も変動する。

種のランクは倒した植物モンスターによる。



 これだよこれ。

 不思議な種。

 ブリアンに渡そうと思っていたんだけど。

 他のことに目移りして忘れっぱなしだった。


 気になるなぁ。

 ブリアンに農地貸してもらおうかな。

 いやでも、流石に農業とったら冒険する暇が無くなりそうである。


 わくわくモードもこれくらいにして。

 さっそく初遭遇のモンスター。



【フォレストカメレオン】Lv7

森のハンター。

木に張り付いて身体を隠し、近寄って来た得物に。

弾丸のような早さの舌技を繰り出す。



 木の幹に保護色してました。

 ローヴォが匂いで感じ取ったようです。

 俺はまったく気付きませんでした。


 とりあえずレイピア投げて標本に。

 脳天への一撃でHPは消滅。



【森変色蜥蜴の皮】

様々な色に溶け込む皮。



 お、中々良いものが手に入ったんじゃないの。

 ざっと周りをローヴォが確認する限りだと。

 あまりいないように思える。

 遭遇するまで森を探索するべし。

 途中でちょいちょい茂っている薬草も拾っておく。


「がうっ!」


 ん?

 ローヴォの吠える音が、俺に危険を教えてくれる。

 見る限り、何の変哲も無いいつもの森な訳だが。

 一歩進もうとする度に、わん。

 一体なんだというのだ……?


 目を凝らすと原因がわかった。

 蜘蛛の糸が、足下、そして眼前に張り巡らされている。

 どうやら気が抜けていたようだ。

 昼だったから良かったものの。

 夜だったら確実に見えなかっただろうな。


 指で押してみる。

 べたつきは無いが、かなりの強度がある。

 ビンッと指で弾いてみる。

 弦楽器のような低い音が鳴り響いた。


「グルルル」


 唸るローヴォ。

 蜘蛛の巣を弾いたとすれば。

 ローヴォの嗅覚に反応してるのは、間違いなく蜘蛛である。



【ハントスパイダー】Lv3

森のハンター。粘性の糸で空を。

見え辛く細い糸で地上を狩る。


【ジュニアスパイダー】Lv4

蜘蛛の子供。糸を作る力は無い。

すばしっこく飛び回り、群がり生きたまま食べる。



 腰丈程の大きさの蜘蛛が一体。

 そして周りからわらわらと。

 騒ぎに便乗して集まって来たのは小さい蜘蛛の群れ。


 数なんて数えてない。

 沢山居る。

 有無をいわさず詠唱セット。


「ブースト!」


 今の内に装備アイテムを変える暇は無い。

 六尺棒とレイピアで凌げるだろうか。

 ハントスパイダーはいつのまにか消えていた。

 ローヴォも姿を消している。

 潜伏しているのだろうか?


 水流のように群がってくる子蜘蛛。

 おぞましい。

 慌ててローブを盾にする。

 ぞわぞわする。


「フィジカルベール! メディテーション・ナート! エンチャント・ナート!」


 次に【エナジーボール】をセット。

 足下に迂回して接近した子蜘蛛は踏みつぶしてやれ。

 ちくしょう、六尺棒振り回しても数の暴力だ。


 あっという間に足首に噛み付かれて。

 そして噛み付いた蜘蛛に乗って更に太ももを噛み付かれて。

 その上に……、という形で。

 全身に子蜘蛛が群がった。

 当然、攻撃魔法の詠唱なんて集中切れてキャンセルされる。


 HPは?

 発狂しそうになりながらも、確認。

 じわじわ減ってる。

 装備越しに噛み付かれてるからまだマシだった。

 いつまで保つかわからん。


「息吹!」


 一度落ち着け。

 そして。


「スラッシュ! スティング!」


 六尺棒でも何でも良い。

 力を振り絞って大きく素振りをする。

 その反動で、子蜘蛛を身体から弾き飛ばす。


 しつこく脚に噛み付いている子蜘蛛は、この際シカト。

 駆け出して群がられないようにする。

 親蜘蛛は?

 ローヴォは?


 気にしちゃ居られないな。

 距離を取って弾きながら子蜘蛛の猛攻を防いで行く。


「エナジーボール!」


 ドパッと子蜘蛛が数体弾け飛ぶ。

 今回は攻撃魔法である程度凌げそうだ。

 距離が取れれば六尺棒のフルスイングでまとめて薙ぎ払って行く。

 最悪手で掴んで握りつぶしてやれ。

 おっと、忘れないうちに息吹は切っておこう。


「キャンキャン!」


 ローヴォの悲鳴だった。

 ……親蜘蛛か!?


 音の方向へ駆けて行く。

 すると、親蜘蛛に組み敷かれたローヴォが今にも食われそうになっていた。

 レイピアを投げる。

 八歩ある脚のどれかで弾かれるよね。

 この際だから、カンテラを取り出して投げた。


 虫には火だ。

 山火事なんてしったことか。

 ゴウッと拉げたカンテラから火の手が上がる。

 親蜘蛛はそれに反応して大きく距離を取った。


「エナジーボール!」


 駆けながら詠唱して、親蜘蛛に追撃。

 投げ銛は腹部に刺さった様だった。

 上手く脚の動きを阻害してくれればいい。

 もう一投。


 腹に刺さっても、あまりダメージは通らないみたい。

 ローヴォが体勢を立て直して脚に食い付いた。

 ナイス。


「エナジーボール!」


 次は命中。

 HPは半分を割った。

 魔法ダメージはそこそこ通るの?

 そりゃ魔法職だからか、そうか。


 意表をつくというか、相手も必死なのが伝わってくる。

 動きを若干阻害した状態でも容赦なく飛びかかって来た。

 ローヴォがくらいついているのに。


「うお!」


 六尺棒で牙を避けながら。

 後転して、後方に投げ飛ばす。


 接近していた子蜘蛛が弾け飛んでます。

 あの、あんたの子供じゃないんですか?

 あ、丁度顔の付近から移動しようとしていた子蜘蛛が食われた。

 HP回復してるし。


 ローヴォは?

 まだ噛んでます。

 スッポンかよ。


「せい!」


 魔樫の六尺棒で頭部殴打を狙う。

 親蜘蛛から甲高い悲鳴が聞こえる。

 効いてる効いてる。

 近づくこともままならないくらいのエグさだが。


 六尺棒をローヴォが噛んでない脚に差し込んで。

 さっき投げた銛とも交錯し。

 中々いい具合に脚が極ったんじゃないか?

 止めはレイピアだ。


 引き寄せたレイピアを。

 真っ黒で大きな蜘蛛の目に突き刺した。

 蜘蛛の身体がビクついて、脚がキュッと収縮する。

 HPは?

 全損。


 ハントスパイダーは脚を綺麗に折り畳むとコテッと息絶えた。

 運がいいことに、それに乗じて子蜘蛛達も身を引いて行く。

 良かった。

 脚にへばりついた子蜘蛛を引き剥がして踏みつぶすと。

 中級回復ポーションを取り出してローヴォと半分こした。


 さて、HPもある程度回復しきった所で。

 解体だ。ドロップだ。

 期待に胸が躍るます。



【蜘蛛の目】

錬金術に用いられる。



 大物は残して。

 まずは蹴散らした子蜘蛛から。

 大した成果は上がらずといった所。

 結構嫌な目にあったのに。

 まさかの錬金素材だけって。


 虫系ってホント、経験値だけだよな。

 その分わらわら湧くから効率良いけど。



【狩蜘蛛の糸】

狩蜘蛛の糸。粘性は無い。

かなり丈夫。


【狩蜘蛛の粘液】

蜘蛛の糸に良く馴染む粘液。

接着剤としても用いられる。


【スパイダーシルク】

蜘蛛の糸の中でも一番上質な糸。

魔力を多く宿した蜘蛛から取れる。

魔力を宿しやすい。


【蜘蛛の目】

錬金術に用いられる。



 歓喜にうち震えんとす。

 そう、釣り糸代わりのものがようやく見つかったんだから。

 魔物を釣る上で。

 ただの糸じゃ耐久性がね。


 いずれ試しましょう。

 フィッシャーガーと綱引きできるのか。

 っしゃー後は竹じゃ竹。


 そしてスパイダーシルク?

 説明を見るに、魔力を宿しやすい。

 もしかして、魔樫の六尺棒みたいな。

 そんな特性の装備が作れるかもしれない。


 散々な目にあったが。

 成果の程は意外と上々だったのかもしれない。

 しばらくギンヤンマからのハンタースパイダー。

 蜻蛉からの蜘蛛狩り。


 いいかもしれんね!

 経験値効率も良さげっぽいし?




 MPが持つ限り。

 藪と森の境界から少し進んだ所を探り続けた。


 蜘蛛は?

 こっちから罠にかかりに行きましたよ。

 ええ。

 お陰でローヴォが何度も犠牲になりかけた。


 すいません。

 でも俺も子蜘蛛に飲まれかけたんだ。

 誰かが陽動とかしなきゃ。

 まあ多分、蜘蛛的には厄介な狼から狩りにかかったんだと思うけど。


 成果は上々。

 俺の気分も上々。

 そしてローヴォはヘトヘト。

 ポーションガブ飲み。


 犬のくせに器用に飲んでる。

 ラッパ飲みという奴。


 正午も大きく回っている。

 今回は結構長い時間フィールドを散策していた。

 ローヴォのレベルも順調に上がる。



◇テイムモンスター

テイムネーム:ローヴォ

【グレイウルフ】灰色狼:Lv4

人なつこい犬種の狼。

魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。

群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。

[噛みつき][引っ掻き][追跡]

[誘導][夜目][嗅覚][索敵]

[持久力][強襲][潜伏]

※躾けるには【調教】スキルが必要。



 俺に追いつきそうな勢いだ。

 抜かれたらどうしよう。

 流石に一緒に冒険してるからそれは無いか。

 でも、そろそろローヴォの空腹がヤバそうなので。

 戻ることにしよう。


 藪を経由してみる?

 いや、ここは最短距離で。

 あわよくば何か齧らせるつもりで森に入ったが。

 虫とか爬虫類ばっかりで。

 ローヴォが食べれそうな新鮮な肉は無かった。


 む、木にカメレオンが居る。


「がうがう!!」


 同時にローヴォの声もした。

 ふふ、残念ながら。

 今回は俺の方が早くフォレストカメレオンを発見したようだ。

 僅差で負けだったな。


 と、カメレオンにレイピアを投げようとした。

 その時だった。


 肩に、何かが、食らい付いた。


「うぐっ」


 激しい痛みは右肩から。

 視線を向けると、鎖模様の大きな蛇が。

 マ、マムシ?



【チェインバイパー】Lv8

強烈な出血毒を持つ蛇。

毒で動けなくして、丸呑みにする。



 慌てて手で払うと、蛇はスッと木の枝から幹へと姿を隠してしまった。

 くそ、やられた。

 クサリヘビって意味だよな。

 気付けば、倒れていた。


 肩口から激痛が徐々に全身へ広がって行く。

 HPの減りなんて確認してる状況でもない。

 ローヴォが心配そうにこっちを見ている。


「逃げ、ろ」


 まだ蛇が、いるかもしれん。

 視界がぶれる。


 そして、意識も。


 最後にみたのは


 めのまえによってきた


 おおきなへびのあご



プレイヤーネーム:ローレント

職業:無属性魔法使いLv16

信用度:70

残存スキルポイント:0

生産スキルポイント:4


◇スキルツリー

【スラッシュ】※変化無し

【スティング】※変化無し

【ブースト(最適化・補正Lv2)】※変化無し

【息吹(最適化)】※変化無し

【エナジーボール】※変化無し


【フィジカルベール】

・軽減Lv5/5

・熟練Lv1/5

・消費Lv1/5

・詠唱Lv1/5


【メディテーション・ナート】※変化無し

【エンチャント・ナート】※変化無し

【アポート】※変化無し

【投擲】※変化無し

【掴み】※変化無し

【調教】※変化無し

【鑑定】※変化無し


◇生産スキルツリー

【漁師】※変化無し

【採取】※変化無し

【工作】※変化無し

【解体】※変化無し


◇装備アイテム

武器

【大剣・羆刀】

【鋭い黒鉄のレイピア】

【魔樫の六尺棒】

【黒鉄の双手棍】

装備

【革レザーシャツ】

【革レザーパンツ】

【河津の漁師合羽】

【軽兎フロッギーローブ】

【軽兎フロッギーブーツ】

【黒帯(二段)】


◇称号

【とある魔法使いの弟子】

【道場二段】


◇ストレージ

[貸し倉庫]

セットアイテム↓

※残りスロット数:10


◇テイムモンスター

テイムネーム:ローヴォ

【グレイウルフ】灰色狼:Lv4

人なつこい犬種の狼。

魔物にしては珍しく、人と同じ物を食べ、同じ様な生活を営む。

群れというより社会に溶け込む能力を持っている。狩りが得意。

[噛みつき][引っ掻き][追跡]

[誘導][夜目][嗅覚][索敵]

[持久力][強襲][潜伏]

※躾けるには【調教】スキルが必要。

ーーー





感想でもそうですが、最近誤字多くて申し訳ない。

出来るだけ頂いた報告は修正しています。

ありがとうございます。

一話五千文字近くあります。

だいたい一時間半くらいで書き上がるので。

速度を抑えれば、マシになるかなという形です。

書き溜めためまくろう。

来週もスペシャルできますように。


今回から毎日深夜更新で。


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