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北門から一本道が続いている。
森の手前までは、モンスターはグリーンラビットくらいしかでない。
攻略組と呼ばれる人達がどんどん道を切り開いて行くので、グリーンラビットたちは、ほぼ狩り尽くされている様な気がした。
それでもわいてくるラビットを小石を投げて、長剣を投げて、手元に回収して【スラッシュ】で片付けて行く。最初より格段に狩りやすくなった。
レベルが上がった。
プレイヤーネーム:ローレント
職業:魔法使い見習いLv3
信用度:10
残存スキルポイント:0
◇スキルツリー
【スラッシュ】
・威力Lv7/10
・消費Lv1/10
・熟練Lv1/10
・速度Lv1/10
【アポート】
・精度Lv2/10
・距離Lv2/10
・重量Lv2/10
・詠唱Lv1/1
【投擲】
・精度Lv1/3
・距離Lv1/3
【掴み】
・威力Lv1/3
・持続Lv1/3
【スラッシュ】は一応威力マックスまで上げておく必要が出来た。
後は重量を上げて満遍なくしておく。
大きな石でも手元に転位する事ができたら、そのまま押しつぶすとか。
だいぶスプラッターな印象になるけどそれも仕方ない。
というか、これは初心者目線から見てもかなり遅いん育成なんじゃないか。
でもレベル5くらい上がれば適正スキルはほぼ満遍なく振れるようになる。
単純に色々間違えただけの話しであるが、作りなおしてからあの爺さんがアポートを教えてくれるとは限らないし、何とかこれでやって行くしかない。
大きなオブジェクトを転位させて押しつぶすのはあり。
でも草原にそんな物無かった。
よくある指定した空間を切り取って転位とか、そんな便利な物じゃないみたいで。
小石、長剣、あとはそれに属した何かだろう。
当然、他人の物を奪えるとは思っちゃいない、流石にそれはダメだろう。
しばらく【アポート】【スラッシュ】の二つメインで、スキルブックで覚えれる物は覚えておくのみにしておく。Lv1でも行動に起こせるようになるのはかなり良いからね。
森の入り口からの視界は、鬱蒼としている。
道がくねくねしているからなのだろうか、道の先は見えなかった。
モンスターの姿は居ない。
なら、もう少し踏み込んでも良さそうだ。
近くでポップアップしたモンスターが近寄ってくる。
フォレストウルフという小型狼のモンスターだった。
持っていた小石を投げつけて牽制する。
獣特有の俊敏な動きで投げた小石なんかすぐに躱される。
そのままの勢いで俺の腕に喰らいつこうとする。
咄嗟に腕でガードするが、装備無しの状態で剥き出しの腕に噛み付かれたダメージは、今のHPの約八割を削ってしまう程だった。
喰らいついた狼の顔面に長剣を突き立てる。
「アポート!」
そして抜くよりも早く長剣を【アポート】で手に引き寄せて、怯んだ狼の腹に【スラッシュ】で思いっきり斬りつけた。
「きゃうん!」
苦悶の鳴き声が聞こえて、フォレストウルフは光に交じって消えて行った。
ドロップは毛皮のみ。これで服が作れないかな。
残りHPを考えても、このまま森を奥まで進む事は不可能だ。
レベル3じゃ、満足に狩りさえ行えない。
さっさとスラッシュの威力上げてサクサク出来るようにしたい。
魔法職だったら魔法使えだって?
今から半端な魔法取るよりスラッシュの方が強いでしょ。絶対。
森の入り口へ戻ろうとすると、後ろから声が聞こえる。
「なにあの裸野郎?」
「初心者じゃないの?」
男二人組が、草をかき分けて目の前に現れた。
おかしい、名前の表示が黄色になっている、普通は青なんだが、職業によって名前の違いも出て来るのかな?
「初めまし——」
「光栄に思えよ、町まで戻してやっから」
「おまえ何様だよ〜! ブフフっ」
挨拶しようとしたら、男の持っていた剣が振り下ろされる。
初めて声かけられた人なので警戒してなかった。
HPが無くなって、身体が光と共に町へ送られて行く感覚が伝わってくる。
それと同時に視界に入った二人の名前の部分が赤に変わっていく。
「なんだよ小石と長剣、……あとポーションにフォレストウルフの皮だけか」
「なにやってたんだコイツ? レベルも3だしな、……てかおい、魔法職だぞコイツマジで何なんだ、ぶふはっ」
斬りつけて来た方がヘジーで、笑ってるのがザークか。
覚えたからな。
ーーー
プレイヤーネーム:ローレント
職業:魔法使い見習いLv3
信用度:10
残存スキルポイント:0
◇スキルツリー
【スラッシュ】
・威力Lv7/10
・消費Lv1/10
・熟練Lv1/10
・速度Lv1/10
【アポート】
・精度Lv2/10
・距離Lv2/10
・重量Lv2/10
・詠唱Lv1/1
【投擲】
・精度Lv1/3
・距離Lv1/3
【掴み】
・威力Lv1/3
・持続Lv1/3
武器
【長剣】
ツイッター@tera_fatherです。