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 三方向からマシンガンのように無数の破片が炸裂する。


「くっ!」


 頭を腕でかばうと空蹴も使用して大きく前方へ飛び避けた。

 そんな俺を追尾するように三枚の巨大な鏡が移動する。


 攻撃力三倍ねぇ……確かにそうだ。

 周りを取り囲む三枚の鏡は、俺を軸にくるくると回る。

 x、y、z軸の頂点に俺がいる感じ。


「愉快に逃げ回るだけでは三次転職とはいえぬのう」


「チッ」


 破片の一撃は鋭い。

 まともに連続して受ければ、HPは容赦なく削られるだろう。

 だが、俺の舌打ちの原因はこれだけ強力なスキルを用いても、まだミラージュは本気を出していないということだ。

 遊ばれているんだろうな、遠距離からの連続攻撃に、今の俺は有効な手立てを発見できていない。


 ラパトーラの時のように、本体からの射出連撃ならば、速攻をかけるだけでよかったのだが……。

 この場合、本体とは切り離され独立した三枚の鏡からそれぞれ頂点の俺を狙って連続攻撃が射出されている。

 まじで、どうしろと……。


「ぐっ、──はッ」


 弾かれ覚悟で手甲で弾く。

 攻撃ではなく防御だというのに、三下さんのカウンターよりも強力なノックバックの強制力。

 だが、逆らうな受け流せ。

 俺はタフネス持ちではない、ここで怯めば確実に負けてしまうだろう。


「流し柳葉」


 受けでも化勁でも、着弾地点で弾き判定が発生するならやりようはあった。

 一子相伝とは言わないが、古流技法の一つを使い、弾き効果に逆らわず一緒に飛ぶ。

 飛ぶ方向さえわかってればいかようにもできる。

 同時に襲ってくる破片の一つに突っ込んで、弾きの効果で射程外へ。


「破片自体に追尾機能は付いとらんがの、三華の鏡はどこまでも付いていくぞ」


 囲いを突破する、よりも先に囲っていた三枚は大きく射程を伸ばして俺を追尾する。

 だが、距離が離れればそれだけ時間が稼げるはずだ。


「エナジーブラスト」


 間をおかずに一撃目で本体を狙う。


「無駄じゃ、──ミラーガード」


 そっくりそのままエナジーブラストが返ってきた。

 射出の早さも同じ、そっくりそのままだ。


「うおおお!」


 熱線から逃れるべく横飛び。

 そこへ、三華の鏡が取り囲みガラス片の一斉掃射。

 身体中に突き刺さり、激しい痛みに耐える中、ミラージュが言った。


「どうじゃ? 大人しくレディに失礼な事をしてすいませんでしたといえば許してやるぞ?」


 失礼?

 戦いに男も女も関係ないだろうが。


「………………無理」


 勝ち星は絶対に捨てない。

 HPは残り少ないが、全損する前にミラージュを叩き潰す。

 そう心に決めた。

 困難だ、実に困難だが、それが楽しい自分がいる。


「チッ、あくまで三次転職試験という程じゃから、本体で挑んでも三華しか使えんのが難儀じゃのう。だがしかし、所詮この程度の手合いならそれで十分というものじゃ」


 立ち上がり、正面切って無理と伝えた俺に、ミラージュはイライラしたように口角をピクピクと震わせると、一度舌打ちしすぐに表情を嘲笑へと変えた。


「どれ、──死なない程度に切り刻んでやろうかの」


 その言葉とともに、三昧の鏡は俺を取り囲み狙いを絞る。

 そしてグルグルと高速回転しながら中心にいる俺に向かってガラス片を飛ばす。


「空蹴!」


 三百六十度を覆われてしまえば、逃げ場は自然と下か上。

 俺は空襲を使って上に飛ぶ。


「つまらんのう。そのまま落ちれば、ひき肉は免れんぞ」


「黙れ」


 一斉掃射されたガラス片の中に落ちる俺は、その破片の一つを上から殴りつけた。

 反射が起こり、俺は強制的に上に飛ばされる。


 逃れる推力を得た。

 が、同時に無理に逆らった結果のバッドステータス“怯み”が起こ──らない


「ッ!?」


 ミラージュの顔が驚愕に歪む。

 殴った右腕は、斬り落とした(、、、、、、)


 手元に抜刀状態で引き抜いた悪鬼ノ刀ですぐさま。

 かなりシビアなタイミングになるが、空中で身動きが取れなくなるのは避けたかった。

 そのまま空中でスキルを使用する。


「ナート・エクステンション」「ナート・イクイップメント」「マジックブースト」「マナバースト」


 そして、もう一つ。


「──魔装」


 魔装は三次転職してなくてもレベルが70になっていれば使用可能になる道場スキル。

 その効果は、魔闘の上位互換でありつつ完全なダメージ貫通。


 反射に効くか、わからないが手立てはこれしかない。

 と、いうよりも動きの魔装スキルは総じて自分の魔力に応じてあらゆる面での身体能力向上につながる良スキルだ。

 さすが道場スキル、開始当初から破格の効果でもあった。


「ぬわっ、まさかお主、今まで補助スキルなしでやっとったのか!?」


「そうだが?」


「くっ、だいたい三次転職まで突き詰めれば無詠唱か、重複詠唱系のスキルを持っとるのが魔法使いじゃとおもっとったが……そうじゃのう、お主は少し違う存在だったのう」


 自分の中に魔法使いのセオリーでもあるのだろうか。

 生憎だが、俺は全てを間違えてここまで進んできたエラーのようなもの。

 なんとかそれが上手く機能しているが、普通はやんねぇってトモガラも言ってた。


「まあよい、空中では避けれんぞ」


「空蹴」


 殴りつけたことで、一度リセットされている。

 このまま本体を狙いに行くつもりだったが、一つ試したいことができた。

 空蹴で一度、三華の鏡の一枚に飛びつく。


「あっ!」


 しまったという表情を浮かべるミラージュ。

 右腕が使えないので左手で鏡の上辺を持ち倒立すると、そのままそこを起点とし、鉄棒の大車輪のように遠心力を使って蹴りを加えた。

 俺の攻撃力はマナバーストで大きく上昇している。

 その上、魔闘の上位互換である魔装も使っているので通常攻撃でもそこそこの威力が出るはずだ。


 ──パリンッ。

 鏡は反射せずに砕け散った。


「ぬわー! わしの鏡がっ!」


「どうやらこの鏡自体には反射効果がないらしいな」


 どういう仕組みなのかわからないが、反射効果は破片にしかない。

 さっきエナジーブラストを撃った時、わざわざ鏡の動きを止めて新しい鏡を出していた。

 それでなんとなく、と思ったのだが……案の定。


「しかも脆いな鏡だけに」


「くだらん駄洒落を言いよってからに!」


 焦るミラージュは残った二つを操作しすぐに俺に向ける。

 だが、そのまま砕けた鏡を空蹴で跳躍して別の鏡に飛び移る。

 一枚でも削れば、機動力は俺の方が上回るようだ。


 ──パリンッパリンッ。

 そうなれば後は壊すだけだ。

 残しておくと面倒だからな。


「……散々やってくれたな」


 反撃開始だ、また泣かす。







三次試験が終わった後の展開で、新しいキャラが出てくるんですが……。

それが男とも女ともどっちにしてもいいもんでして、正直迷ってました。

男にしたらさすがにむさ苦しいよな……でも女にしてもローレントがまともに扱うか……。


ですが、独断と偏見で女キャラにします。

異論はありますまい?


さて、新キャラはいったい誰でしょうか?

あ、いや、なんでしょうか?




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