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水着回。あとは相応にお任せします。

各ヒロインズのバストデータや容姿データ(いわゆる設定的なもの)は、この小説のどこかのあとがきに散りばめられています。そこから導き出してください。


「で、なんだこれ」


 テージシティからノーチェに乗って狩りをしつつ単独でテンバーに戻り、それを一目見ての一言である。


 奪われた第一拠点を一度確認に行くつもりでもあったのだが、先にテンバー外周に沿って作られた町の拡張部分の一部を借り受け、仮設されたプレイヤーズ拠点を心配して戻ったのだが……、


「ちょっと〜! こっちに水飛ばさないでよ!」


「きゃはっ! いいじゃんいいじゃん! せっかくの羽休めでしょ!」


「そうよね! どーせこの後一悶着あるんだし、今は楽しみましょ!」


 水着を身につけたプレイヤーたちが、堀を改造して作られたプールでキャッキャウフフ。


「なんやこれって、人集めですやん」


「……そうか」


 隣にいるカイトーが何食わぬ顔でそう言っていた。


「女プレイヤーが集まる場所には、男もぎょーさん集まるのが、コミュニティの習わしってもんやで」


「まさか、こんなお祭り騒ぎになってるとは思わなかった」


「ま、派手なのがいいやろって判断や。戦い当日に面倒がってログインしない連中も多いことを懸念して、ここは豪勢にパァ〜っとプレイヤーズイベントで盛り上げとかなあかん」


 そうは言うものの、俺としてはもっとこう。

 普通のプールもあるし、羽休めもできるし、仮拠点として日々のプレイヤー活動の物資も揃ってる場所のイメージだったんだが……こりゃお祭り騒ぎだな。


「はぁ……いいなぁ、プール」


「こうやって眺めてるだけでも……最高だぜ」


「しかもこのゲームってネカマとかネナベできないから、あそこにいるのはみーんな本物の女性だろ?」


「リアルでは海に行くのだって俺は嫌なんだけど、こうして体を弄れるVRゲームの女の子ってみんなそこそこ見れるし……うん、ネトゲ最高」


 うわぁ、変態がいる。

 女性に免疫がないものや、一緒にパーティを組んでいるものたちは、プールでキャッキャウフフ。

 だが、抵抗のある男勢は、プールサイドに併設された屋台群に紛れて飯を食いながら鑑賞大会か。


「くそっ、せっかく運営の許可が降りて急遽イベント拠点も兼ねて人集めできたってのに……なしてスクショや動画の撮影が禁止なんや! なんでや!」


 嘆くカイトーはほっておいて。

 とりあえずローヴォを連れてプールサイドの道を抜け、第一生産組が陣取る場所へと向かう。


「ローレントだ……」


「おい、ローレントが帰って来たぞ!」


「うおおお! お勤めご苦労様です!」


 くそっ、誰だ。

 不遜な言葉を発したやつ。

 まるで俺が捕まったみたいじゃないか。


「なんだこれは」


「ああ、印象操作しといたで」


「まじかよ」


 そういえばカイトーの変装スキルをみやぶれるプレイヤーは少ない。

 こいつにかかれば掲示板以外でも主婦NPCの井戸端会議やら、適当なパーティの臨時メンバーやらに加わってバレずに噂を流すことができる。


「なんなら、女のフリも可能やで」


 スッと変装スキルを駆使し、彼は水着を着た美少女に変わる。

 詳しい描写は省きたいが、一応黄色のビキニをつけたパイナップル女って感じ。

 看破を使っても見破れないところを考えると、とんでもない奴だな。

 味方につけておいてよかったと思う。


「……きもい」


「まあ、それはおいといてええねん。使いどころは別であるし、わいもできるだけ使いたないしな。──い、一応知っておいて欲しかっただけなんだからねっ! って感じでどや。見るからにツンデレ美少女やろ?」


「頼む、戻って」


「はいよ」


 男の水着はNGです。

 見かけは女でも中身が男の水着もNGです。


「まあとにかく、あんさんって畏敬されとったやろ? だから今回の発端になったPK達に全ヘイトを集中させて、今の第一拠点の不買やらなんやらにプラスして、味方は最強のスペシャルプレイヤーやってことにして活気づけてるんや。まあ、それも有名税やと思っといてな」


 くそ、目立ちたくないと言う言葉を先に潰されてしまった。


「でもなぁ──」


「──このバカ兄弟子!」


「うおっ」


 そんなことを話しながら歩いていると、横から顔を真っ赤にしたツクヨイが姿を表した。

 前みたいな極小ビキニではないが、黒いビキニを身に纏っている。


「何度言ったらわかるんですか!」


「え?」


「え? ってほらぁ、もう覚えてないじゃないですか! 言うことを一回聞く約束! 約束! やーくーそーくー!!!」


「ああ」


「ああじゃないです! ほんっとにせっかく楽しみにしてたのにすぐにテージシティに行くし! 戦いに行くし! 守りを任せたって……勝手な事ばっかりいってぇー!!! ぶらっくぷれいやぁはもう激おこですけど!!!」


 詰め寄ってくるツクヨイ。

 俺もローヴォも彼女と彼女の後ろで同じように圧をかけてくるヤンヤンに押されて戸惑いながら後退する。


「ぷくくく」


 こら、カイトー。

 笑ってないでフォローしろ。


「あ、そうだ。ほら、せっかく戻って着たからレイラに報告に行かないと……」


 なんとかツクヨイを収めようと思ったのに、


「……させませんよ、ウフフ、ウフフフフ」


 後ろから肩を掴まれた。

 ひい、すっごい殺気。

 俺も驚くほど冷たく沈んだ闇の底というか。


 振り返ると、そこには深淵があった。

 深淵が、見つめていた。

 俺は深淵を見る気ないのに、勝手に向こうが、深淵が見つめて着た。


「ってなんだ十六夜か」


「……ツクヨイさん」


「そうですね。お仕置きをするのです」


「お、おい」


 ベタベタひっつくなよ。

 十六夜も例によって水着を着用している。

 このプールエリアでは水着着用の義務でもあるのだろうか。

 そう思って周りを見ると、カイトーと俺以外は、みんな薄い格好だった。


「落としますよ! 十六夜さんっ、せーの!」


「うふふ、こういう日々を求めました。せーの!」


「くっ」


 投げ技なら、打つ手はある。

 二人で俺の両腕をしっかり掴んで無理やりプールに落とす気だろうが、そうはさせない。

 逆にこっちが一歩前に出ることで、相手の体重移動を透かす。

 内股すかしのように相手の刈り足を透かす技法と同じように、相手の力を無効化するのだ。


「え?」


「うん?」


 水に浸かるのは獲物を狙う時で十分だろう。

 プールなんぞ、自分らで浸かっとけ。


「ちょ! この兄弟子! プールに投げ込まれるのが嫌だからってまた変なことしましたよ!」


「わわわ! なんでこっちが投げたはずなのに、逆にプールに飛び込んでるんでしょう!?」


 まさに、空気投げの亜種。

 俺が打撃技専門だと思うの間違いだな。


「ん?」


「──あらまあ、女の子に投げ技とは、容赦ないですね。美男子どの」


 視界が逆さまになる。

 俺の袖を持ち、足を払うモナカがいた。

 ツクヨイと十六夜の存在(特に十六夜の深淵のような目がヤバイ)に気を取られて、迂闊に投げられてしまった。

 モナカならば、隙を見せた俺を投げるのは朝飯前だろう。


「バ、ババア!」


「あらまあ、ここではピチピチの十七歳ですよ? まったくもう、失礼なのでおとなしく投げられてください」


 年甲斐もなく、めちゃくちゃ攻めた水着来やがって──!

 俺はツクヨイ、十六夜とともにまんまとプールにダイブさせられたのだった。







それでもじぇんじぇん想像できましぇん。って方は。

感想に、


「じぇんじぇん想像できましぇん。ふぇぇ、teraさん今まで散々更新しろとか言ってすいませんでしたなのですぅ〜、ヒロインズ+αの設定資料くだしゃぁぁぁぁい、ふわぁぁぁぁぁ」


をコピペして貼りましょうね。笑

嘘です、冗談です。


でも一定数以上やる方がいらしたら、活動報告にそろそろ一巻分のキャララフつきで、キャラクター紹介を出したいと思っとります。





そしてご報告。

書き溜めちゃんとしてる。

でも解放はしない。

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