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「わかったこうしよう」


 らちがあかないので話を進める。


「勝ったら言うことを聞け。それだけでいい」


「……死ねとかは無理だぞ?」


「それは私がさせないわよナガセっ!」


 ああもう、うるさいな。

 とにかく二人を落ち着けると、俺はマフィシと彼らPKの処遇について簡単に決めた。

 トンスキオーネやニシトモが悪いようにはしないとね。


 ナガセはファシミが無事ならそれで十分らしい。

 そして取り巻きも、彼の意見には従うとのことだ。


「まあ、お前らにやってもらうことは今と変わらん」


「……どう言うことだよ?」


「PKKを担当してもらう」


 できるなら野山、街に隠れて殺し屋を狙う殺し屋専門部隊を設立だな。

 最近PKうっとおしいから、抑止力になってほしい。


「ハハッ、渡りに舟だな、まさに」


 そうやってホッと一息つくナガセと取り巻き。

 よし、話もまとまったし──、


「一騎打ちを始めよう」


『──ハァッ!?』


 これには話がまとまって安心していたPKたちも驚いていた。

 ……ん?

 なんだか気楽に考えてるようだがな、一騎打ちするって約束だろ。

 それに、気になることもあった。


「おいおいおいおい、話はまとまったんじゃねぇのかよ!」


「そうだぜ、なんでてめぇとやんなきゃいけねぇんだよ! ナガセさんが!」


 抗議する取り巻きPK達。

 三下さんに限っては、腹抱えて笑っている。


「なんというか、コンシリエーレってなんだかんだ“それ”に落ち着きますよね。まあ、一発やられてやり返さずにはいられないって性格はわかってましたけど……うん、私も通った道なんでPKさん達も通ってくださいね、ハハハ……」


 コーサーは乾いた笑いを浮かべながら突っ立っていた。

 そして気になる独裁女ファシミはと言うと。


「……それは許さないわよ、話はついたでしょ?」


 未だ納得いかない様子だった。

 だが、そこにナガセが割って入る。

 軽いノリで笑いながらだ。


「ははっ、確かに、俺が申し込んだって話だし……けじめだ、けじめ」


 そして構えをとりながら取り巻きに告げる。


「こっちの世界じゃ弱体化してるから、速攻で蹴りがつくと思ったけど。まさか復活するとは思わなかった。まあ、何かしらを隠し持ってるとは予測がついてたが、俺はもともとそんなに頭が回るタイプでもない」


 スキルをどんどん詠唱していく。

 身体強化系にブラスして自身の防御性能を大きくあげるスキルだな。

 それよりもやっぱり気になるのが、


「こっちの世界じゃ?」


 どう言うことだ。

 別ゲーでお世話になったのか?

 このゲーム以外では俺、基本的にクソザコの界隈だったんだけど。


「それは勝ったら教えてやるよ!」


「ふむ、ならば是非そうさせてもらおう」


 再び戦いがスタートした。

 恨み恨まれの戦いもいいが、こうして純粋に腕比も悪くないね。

 どこかに戦いだけで地位が気付けるエリアとかがあればいいんだけどな。

 だったら手っ取り早い。


 そう思いながら、身構える。

 チャージはもう使わないだろう、予備動作は覚えた。


「くらえ!」


 ふむ、初めてナガセがナイフを抜いた。

 いやナイフより少し長めの刃渡り。

 小太刀かな、小太刀を抜きはなち、腹のあたりに構えて柄の底に手を添えている。


 ブラフだな。

 そのドスの使い方は限りなく接敵して、確実に腹を突き破り内臓を傷つけるやり方だ。

 ナガセの跳躍距離を考慮しても、五メートルほど離れた位置からでは容易に予測がつく。


「でたっ! ナガセさんの禁断の技! ドスチャージ!」


 なんだそれは。

 なんだそれは、なんだそれは。


「突進の威力の方が地味に強いんだよなぁ……」


「でも、見ほれちまうほどの華麗なドス突進だぜぇ……」


「…………やっぱPKってバカの集まりだな……」


 周りの声に三下さんが呆れていた。

 それで、ナガセは?


「ちっ、ほんとにバカどもをまとめるのは苦労するぜ……ただの宴会芸だってのに……」


 そんなことを言いながら、跳躍。

 そして天井に張り付いて急降下。


「天翔飛び五体猿臂」


 フライングエルボーでもボディプレスでもなく、真上から相手の頭を陥没させるほどの勢いでの猿臂打ち。

 俺の使う猿臂打ちのアレンジかな?

 とりあえず六尺棒を頭上に掲げ、頭を穿ちにかかる。

 重力に逆らえない、むしろ重力を利用しての一撃ゆえに、下に何かを置かれたら容易によけれずその身にダメージがくる。


「しゃらくせぇっ!」


 ナガセは構えた肘で六尺棒を払うとそのまま俺に身体をぶつけようとする。


「落下の威力も加えたミサイルチャージで床ごとぶち破ってやる! いくぞ、チャー……」


「──六尺撫で」


 やはり、便利だな六尺棒。

 落下とともに、完全に密着するすれすれでチャージを使う算段だったのだろうが、それは六尺棒に阻まれる。

 そして俺の背中に担がれた六尺棒をスライドするようにして、ナガセは一人で地面にぶつかった。


「ぐはっ!」


 チャージに相手を拘束する効果があるなら、使わない手はないだろう。

 そして体格を生かして、頭上からの攻撃もうなずける。

 ただ、天翔飛びの技法を知っていたのは、少し謎だった。

 俺が作った技なのに。なんで。


 とにかく、六尺棒を突き立てた時に弾かれた。

 だが彼は防衛を開門し、そして自分で道を切り開いてしまったのだよ。

 そして六尺棒を撫でるように滑り落ちながら、自滅。


「く、そっ……」


 さすがはタフネス、まだピンピンしてる。

 あとは首を切り落とすだけで終わりなのだが、ナガセは首を振ってこういった。


「まいった。くそっ、やっぱ強すぎだろ……先輩」


 ……は?

 先輩?





ちなみに、もともと六尺投げって感じの技名にしてたんですけど。

誤字で撫でって出て、そのままになったものになります。笑


誤字が出るのは本当に、申し訳ございません。

いろいろと纏まりがない時に、気が抜けていると出てしまいますね。

なら、どれだけ気が抜けた状態で書いてるんだよって話になりますが。


魂抜けてますよ。

生きるので精一杯。


ゲームの世界で暮らしたい。

アナザーマイストーリーってやつです。



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