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「ここで一つ、看破のスキルについてのレクチャーや」


 まだ深い場所には入らず若きコーサーがいたあのテージシティの裏路地で、俺と三下さんはカイトーから簡単なレクチャーを受ける。


 看破のスキルについて。


 これからはプレイヤーキラーが率先して変装や偽装系のスキルを行使してくる。

 盗賊ギルドと組んだんだから、スキルが湯水のごとく手に入るのだってたやすいだろう。


 だから、まずは敵が誰なのかを判別つけることが必要なのだ。

 相手の偽装系スキルレベルよりも鑑定レベルが下回っていると情報を読み取れない。

 プレイヤーキラーの象徴である赤く光るレッドネーム。

 それすらも、見破ることができないだろう。


「レッドネームを隠したプレイヤーに対して、普通のプレイヤーはまず鑑定にかけて詳細に犯罪者のステータスがあるか調べなきゃいけないんや、あんさん、これどういうことかわかるか?」


「一手遅れる」


「……なんだよ常に戦い気分だってかァ? ばかばかしい、かたっぱしから鑑定かけていけば──」


「そのとおり、ローレントはんの言うとおりや」


 三下さんが舌打ちした。

 一手、相手に先を取られることがどれだけ危険なことか、まだわかってないらしい。


「俺に一手くれて決闘してみるか?」


「即死じゃねェか」


「そういうことだ」


「チッ……話を続けろ関西弁」


「な、なんやて!? 日本に半分は関西弁使う奴おるやろ!」


 ……それは間違いだな。

 東と西で日本が分かれてると思ったら大間違い。

 俺は九州出身だし、関西弁は使わん。


「話を進めてくれ」


「……せやけど……まあええやろ、とにかく鑑定より便利な看破というパッシブスキル、相手が白か黒か見分けるスキルとでも言ったらええ、この場合は赤か青かやけどな! 信号か! って……ああ、すんまへん」


 三下さんに睨まれて黙った。

 看破というスキルねぇ、どうやったら取れるのだろう。


 例えば、後ろの角に潜むNPCともプレイヤーともいえなそうな浮浪者が、実はこそこそ怪しい動きをしているからレッドネームを隠したプレイヤーキラーだとか?


「バレバレだ」


「ぐはっ! ひ、ひぃい!」


 ひっ捕まえて足払い。

 転がすと、浮浪者の格好をした男は、手足をばたつかせながら怯えていた。


「なんだァ? ただの浮浪者NPCかァ?」


「か、金目のもの持ってたら恵んでもらえないか見てただけだよぉっ! た、助けてくれ、もう三日も何も食べてないんだ! ご、ご慈悲を!」


「……ケッ、とりあえずここへ来る途中市場で買ったリンゴやっから消えろ」


「ひ、ひひっ、ありがとう! 神に感謝をっ──!」


 そう言いながら浮浪者づらした男はリンゴではなく三下さんの手を掴んで立ち上がろうとしながら、隠し持っていたナイフを彼の腕を這わせながら首筋にねじ込もうとした。


 込もうとした。

 というのは、それを俺が未然に防いだからだな。


「こっ、かっ」


 手甲で素早く腕を弾き、汚らしい口の中に拳をねじりながら打ち込み。

 前歯をへし折りそのままの勢いで首も折ってやった。


「レッドネームだ」


 HPが全損し、ようやく真っ赤に光るプレイヤー名が表示される。

 こいつはテージの裏に巣食うアウトローではなく、れきっとしたプレイヤーだ。

 しかもプレイヤーキラー。


「油断ならねェぜ」


 顔をしかめながら三下さんはそう言った。

 だいたいこういうのは気配でわかるんだが、それはあくまでこいつはなんだか怪しいなという観察的な一面だ。

 そのあたりをお手軽かしたスキルが、看破。


「レッドネームに一度やられたことのあるプレイヤーだけが取得できるんや」


「ああ、なるほど」


「なんだローレント、やられたことあるのか?」


「いっちばん最初にな」


 インナー姿で。

 ゲーム風に言うと、全裸で殺された。

 ああ、元気にしてるかなあヘジーにザーク。


「で、どうやって取得するんだ?」


 三下さんがカイトーにせっつく。


「ん? あ、ほい、スキルブック」


「随分とお手軽なもんだなァ」


「まあ、いうてゲームやで」


「ん」


 ってことは、カイトーもプレイヤーキラーに殺されたことがあるんだな。

 色々と見に災いが降りかかりそうなポリシーを持ってるし、さもありなん。


 ってことで。




プレイヤーネーム:ローレント

レベル:65

信用度:130

職業欄▽

[中級魔術師(無)]

[漁師]

[契約魔法師]


残存SP:32

ボーナスパラメーター▽

効果値:30

消費値:10

速度値:0

詠唱値:50

熟練値:30

見識値:30


ステータス▽

※※※第二弾アップデートから公開※※※


スキルツリー▽

【スラッシュ】Lv10

【スティング】Lv10

【マジックブースト】Lv17

【魔闘】Lv50(MAX)

【魔装】(レベル70から)

【エナジーブラスト】Lv12

【マジックエッジ】Lv10

【マナバースト】Lv12

【スペル・インパクト(P)】Lv55

【ナート・エクステンション】Lv44

【ナート・イクイップメント】Lv44

【テレポート(制限番)】Lv-

視認した範囲に転移する(連続使用不可、再使用待機一時間)

指定された範囲への転移(詠唱時間五分、再使用待機一時間)

フレンドリストから任意の人物の場所へ転移(詠唱時間五分、再使用待機二十四時間)

【アポート】LvMAX

・制限解除、無詠唱、ストレージ

【アスポート】LvMAX

・制限解除、無詠唱、ストレージ

【契約魔法】Lv5

・空き契約数0

・[ローヴォ:バッドラックウルフ]

・[ノーチェ:ナイトメア]

・[ルビー:クリムゾンコニー]

・[コーサー:ボス]

・[トンスキオーネ:アンダーボス]

【投擲】Lv35

【掴み】Lv35


生産スキルツリー▽

【操船】Lv11

【漁具】Lv17

【潜水】Lv17

【採取】Lv17

【工作】Lv15

【木工】Lv1

【石工】Lv1

【解体】Lv40

【鑑定】Lv33

【看破】Lv1




 生産スキルツリーの一番下に看破という項目が追加されました。

 レベルも昨日がっつり狩りを行い上げておいた。

 人と絡むときはどうしても契約モンスター達と絡めないので、昨日がっつり触れ合っておいた。

 戦いの中で、だけどな。


 最近新しいマップに行くよりも南の霊峰の岩場でコンバットエイプを狩るくらいしかやってない。

 現時点で最高効率じゃないか?

 なんか勝手に集まってくるし、あわよくば、エンゴウ氏とも会いたいですが、先にグレイトコングを倒さなきゃ行けないのかもしれない。


 各レイドボスの出現方法はまだ判明していないものがあるしね。

 南の森はそこそこのプレイヤーが入っているが、高い山に登るのは一部だ。

 その先に何かがある、と情報がないから行きようもない。

 だったらテージの先に行く。

 王都に繋がってるからそっちを目指す、そんなプレイヤーが多い。

 結局、本当に初期と同じような流れなのだ、プレイヤーの動きなんて。


 山の奥って何があるのかな、なんて。

 なんか気になってムズムズしてきたから、落ち着いたら行ってみよう。


 南のマップは、森、山、岩山、雪山というマップになっている。

 その先は行ったことないが、かなり辛い道中になりそうだ。

 そもそも頂点にすら行ってないからなあ、山の。


「何突っ立ってんだ?」


 そう考えていると三下さんに背中を押された。

 どうやら無事スキルを覚えて実践したらしい。


「う、うぐぐ……」


 カウンターをもろに食らって倒れたレッドネームプレイヤーがいる。

 殺さなかったのが三下さんの優しさなので、とりあえずとどめだけでも刺しておくか?


「待て待て待て」


「ん?」


「こいつ、情報握ってるかもしんねェからはかせないと」


「なるほど」


 すると、三下さんは男の顔を踏みつけて言った。


「テメェらをまとめてるやつを教えろ」


「うぐっ」


 顔面への痛みと地面を味わいながら呻く男は言った。


「だ、だれが、てめぇらに──」


「おい、早く教えねェとどうなるか」


「違うな、こうだ」


 三下さんの脅しが生ぬるいので、手早く済ますために一つ手心を加える。

 刀を抜刀して素早く相手の手首を切り落とした。

 俺は手心を加えたが、相手は手首が落ちた。ぷくく。


「おい」


 刀に男の手首を突き刺して目の前に見せながら、そう言うと。

 男はガクガクと震えながら情報を漏らした。


「お、おおお教える! た、頼むから! 教えるから!」


 ふむ、よろしい。


「……俺もまだまだだってことだなァ」


「わい、素直に頭下げてよかったって今心の底から思うとる……」












オニオングラタンスープにハマりました。

あと、オー○ーウォッチで勝てません。

ああ、上手くなりたい。






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