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※主人公視点に戻ります






「漁師は手に入ったが、以外と水中で動けるもんなんだな」


「無条件で水泳レベルマックスだからな」


「マジかよ……」


 マタギ、木こりも同じように森林歩く際に補正がかかるそうだ。

 俺は慣れてるからいいけど。


 このゲームはリアルさが売りだから、富士の樹海よりも強烈な怖さがある。

 必ず魔物っていう害敵がいるからだな。


 そういう人は感覚系の設定を下げることをお勧めするが、プレイヤースキルが高ければ高いほど現実と近い設定にする必要がある。

 反応速度が段違いだ、ヌルヌルとスルスル。


「ついでに木こりも取得しとくか?」


「いや、取りすぎは他のスキルに影響するからやめとくぜ」


 ガツントはそう言いながら俺らを追撃してこようとして返り討ちにされた一人にPKの頭を踏み抜いた。

 相当イライラが溜まっているのだろう、俺も多少手荒な真似をして情報を探っていた。


「……むっ、ぐっ……!!」


「良い機会だから一つ聞く、ケンドリックとは繋がっているのか?」


「……」


 沈黙を保って返すようだな、痛がるそぶりも途中で見せなくなったが復讐者持ちだぞ?




【復讐者】アクティブ称号

パーティメンバーもしくは自身がプレイヤーキルされると稀に出現する。

[効果]

対レッドネームプレイヤー攻撃時、一時的に痛覚100%判定付与。

一撃につき信用度を5消費する。




 俺の現時点での信用度はこちら。




プレイヤーネーム:ローレント

レベル:62

信用度:140

職業欄▽

[中級魔術師(無)]

[漁師]

[契約魔法師]




 話がそれるが、マルタたちは中級漁師の後半に突入したとか言っていた。

 この契約魔法師って職業もよくわからんのよなあ……。


 さて、五ポイント消費して一撃与えてみますかね。


「どっちにしろ皆殺しにすればPKなんかみんな一緒だしな、さらば。物を言わなかった自分を恨め、今更情報を吐いても遅いぞ?」


「ぅっ!? ぐぁっ!? ──な、なんでイテェんだよ!? お、おい! ──むグギャッ!」


 口に掌底して黙らせる。

 今ので鼻頭と前歯を数本へし折った。

 さて悪鬼ノ刀が拷問には一番良き。


「この際、凌遅刑に処す」


 ちなみに一撃につき五ポイントと表示されているが、一撃目から称号を着れば何撃かは持続する。

 そんな落とし穴があるので、五ポイント現象というのは、信用度減るからやめようね程度の運営の良心だろう。


 これは、裂傷などの持続するダメージを与えた時も一緒だ。

 最初は痛くないが、痛覚が戻るので大きく痛みを感じる。

 インターバルを考えると、十ポイント消費するだけでもなかなかの効果を発揮する。


 これで信用度は130だが、またあげれば良い。

 レイドボスを倒すだけでも信用度もらえるし。

 あとは王都へ向かってクエストをこなさなければならないな、クエスト系は確実に信用度がもらえる良いものだ。


「っひぃ! ァひぃぁッ!? や、やめ──ひ、ひひ、ひひひっ、ヒヒヒヒヒヒ」


「ミッションコンプリート」


 プレイヤーキラーならこのくらいのリクスは取るべきだろうだ。

 殺しのいたちごっこを推奨するGSO運営様に習って俺も節操なくやる。

 信用度に関わるから基本一撃で済ませたいが、今回はなんだか無性にイライラしていたのもある。

 それも手伝ってやらかしてしまった感がなきにしもあらずだが……。


「えげつねぇ〜」


 引かれるのはいつものことだな。


「引いたか?」


「いや、割れたケツから身体を一刀両断してやりたいくらいだぜ?」


 こいつもこいつでなかなかえげつないと思うが、今回は鳥刑で済ませましょう。

 ちょくちょく見かける鳥系の魔物がいるから、あとはそいつらの餌食になってくれた前。


 この分だと逝かれてなすがままかな?


「よし、追っ手もいないから、次は俺らの仕返しの番だ」


「へっ、拷問じゃ仕返しになんねえよな」


 そう、ただの憂さ晴らし。

 そんな意味を含めてニヤリと笑ってみせると、ガツントも同じような笑みを返した。


「これもうわかんねえな」


「何がだ?」


「どっちがPKかってことだよ、へっ」


 みんな人間だから同じだろ、PKもそうじゃないのも。

 とにかく、今回がPKやケンドリックに大きな仕返しを行う絶好の機会だ。

 距離もだいぶ近づいたので、ガツントと隠れて様子を伺う。


 ルビーが三下さんとツクヨイを連れてきてくれていた。

 なるほど、なんとか俺がいない窮地は乗り切れたのか。

 レイドボスすら子供みたいに扱う三下さんの盾技術は本当にやばい。


 一級品の代物だ。

 ブロッキング程度ならゴリ押しが敵うんだが、カウンターを取られると那須すべがないだろう。

 そう思って三下さんのレベルをちょちょいと鑑定してみる。




【三下】Lv85

・盾職人




 ……レベル、レベル!!

 フレンドじゃなかったら【???】で表示されるレベル。

 どういうことだろうか……マジだろうか……鑑定結果を見ると戦士でもなく盾職人。

 ステータス上の彼は紛れもなく戦闘職ではなく盾を作る人である。

 ちなみに俺を鑑定すると。




【ローレント】Lv62

・中級魔術師(無)

・漁師

・契約魔法師




 と、表示される。

 さて三下さんのレベルに驚愕したところで、改めて上の状況を確認。

 レイドボスを弾き飛ばしてプレイヤーキラーたちにぶつけていた。


 遠目からでも、ここまで近づけばレッドネームの集まりが見える。

 ケンドリックはどうやら相当従えていたようだ。

 だったらまずはそうだな……あの自信満々の船をぶち壊してやるか。

 船ごと沈めばこちらが上から攻撃しやすいし大損こくだろう。


「水に入りそのまま船底まで向かうぞ」


「は? マジでか?」


「そうだ、そのまま船を真っ二つにへし折る」


 それにはガツントの協力が必要不可欠だからな。



書籍化発売記念二回更新ももう一ヶ月近く続けてます。

いつまで続くか、このまま私の精神が持つのか、一つ悩みどころですね。

280話からこの一ヶ月で355話ですって!


いつもブクマ評価感想ありがとうございます。

これからもがんばりませう。

ウェブ版書籍版共々よろしくお願いしませう。


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