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-352-※※※三下さん視点※※※

三下さん視点!幕間以来。

※※※三下さん視点※※※




「──ったくよォ、なんなんですかァ、呼ばれて、落とされて、いきなり目の前にレイドボスって、ほんっと、なんなんですかァ」


「私の口調真似しないでくださいよ! なんなんですか! って、あれ? ローレントさんは? 兄弟子ー! 魔王ー! 邪神ー! 悪魔ー!」


「くだらねェこといってんじゃねぇよ」


 さっきからピーチクパーチクうるさいのなんの。

 レイドボス相手に防御力不足だってことで、あいつから緊急招集用のメッセージが届いてた。

 滅多に無いメッセージだから興味本位に行ってみたら、待ち構えていたのはデケェうさぎ。


「ってにゃああああ!! で、でっかい龍がこっちにきてます!」


 と、うるせぇチビ。

 俺は第一生産組とあまり関わりがないから呼ばれて、このチビは思っくそ第一生産組の錬金術師だが、妹弟子だからってことで呼び出しを受けたんだって。


「……その前に、この状況をなんとかしねェとな」


 スキルを起動する時間はない。

 デリケートモーションだけ起動させると、そのまま咆哮を上げて迫ってくるデカブツ相手に右手装備している小盾をこのレイドボスの攻撃にジャストヒットさせる。


 ──キィン!

 ブロッキングではなく、カウンターが入った音が炸裂する。


「グオオオオオオオオオオオ!!!!」


 この龍みたいなレイドボスは、自分の攻撃を返されそのまま大きく仰け反った。


『うおおおおおおおお!!!!!』


 船が三艘、一番でかいのではなく周りにいたそこそこの船にいたプレイヤーから歓声が聞こえた。

 ただカウンターに成功しただけだっつうのに、おめでたい奴らだな。


「な、なんだお前!! い、いきなり来て僕の処刑を邪魔してなんなんだいったい!! おい! こいつについて誰か何か知ってるやつはいないのか!?」


 細長い金髪が俺を指差しながら慌てふためいている。

 人に指差しちゃいけませんってガキの頃習わなかったのか、あいつ。


「……うわぁ〜、レイドボスクラスでもカウンターできちゃうんですね……ローレントさんが強力な助っ人を呼んでるって言ってましたけど、本当に化け物みたいな怪物ですね、きもいきもい」


「意味被ってんぞクソガキ」


「誰がクソガキのちんちくりんですか! まったく、私関係ないっていうかどっちかっていったら空気的に来ちゃいけない感じのレイドボスなのに……妹弟子使いが荒すぎますよローレントさん……来たらいないし……」


 ブツブツうるさいチビは放っておいて、レイドボスが再び攻撃態勢を整えていた。

 羽以外で空中にいる敵はカウンターを当ててぶっ飛ばしても転がせないから復帰が早くて面倒くせー。


「グオオオオオオオオオ!!!!」


「咆哮どォも! だがそっくりそのまま打ち返してやんよ!」


 ──ガンッ!

 今度はカウンターではなくブロッキングの音が響く。


「ちィっ! やっぱレイドボスか……」


 カウンターに失敗したのは少し痛い。

 ブロッキングは威力の完全吸収だが、カウンターと違って盾の耐久消耗が早い。

 レイドクラスになると俺の小盾は一瞬にして崩れ去る。


「ハッハッハー! 何者か知らないが僕の生贄を守るんなら僕の敵だ! やってしまえレイドボス!」


「……さすがお兄様、反吐が出るほどの屑セリフですわね……なんだか身内だと言うのが急に恥ずかしくなって来ましたのことですわよ……」


「……何方もどっちだと思うけどね、あたしゃ……」


 後ろで金髪三人衆がすごくうるさかった。

 小悪党みたいなセリフを吐いているのが金髪ロン毛男。

 理解不能な言葉遣いをしてるのが金髪縦ロール。

 その横で、なぜか金髪姉御肌酒豪が拘束されている。

 あとはデブとヘタレ。


「っておい! 金髪姉御肌酒ごu……じゃねぇ十八豪! あいつはどこ行ったんだ! ローレント!」


「……レイドボスにやられましたですのよ……」


「お前に聞いてねェよ、縦ロール」


「なっ! このアンジェリックに向かってなんたること!? 縦ロールですって!?」


 あーもう、どいつもこいつもまともに話し相手にならねー。

 それに縦ロールはなんか勘違いしてるみたいだが、俺の知ってるあいつは、ローレントは、首だけになっても戦い続ける妖怪の類だ。


「──グオオオオオオオオオオ!!!!!」


「今人が話してるだろォが!! あっち行ってろ!!」


 デリケートモーションの上からハイクオリティムービングを使用する。

 そして盾を持ち替えて今度こそカウンターを成功させた。

 さすがデリケートモーションを起点にする上位スキルだぜ、レイドボス様に調節していくか。

 つっても、上位スキルに頼る様じゃ、プレイヤースキルは伸ばせないからな上位スキルを使わずにできるだけ下位スキルでカウンターを決めていきたい。


「ま、また弾いたぞあいつ!?!?」


「な、なんだマジで!?」


「おい……あれもしかして三下さんじゃね?」


「うおおお!! 俺たちの三下さんだ! 三下さんだあああああああ!!」


「スレ立てろよ!」


「バカかよ一応レイドボスだぞ!! レイドボス実況だろが!!」


「……あんたたち、いい加減にしなさいよね」


 他の船から馬鹿の声が聞こえてくるが聞こえないふりをしておく。

 っていうか聞く価値ねぇや、見てないでレイドボスに攻撃しろよ。

 カウンター決めれても基本的にダメージはない、単純に敵が大きくひるむだけだ。

 その間に攻撃する役目が必要なわけだが、馬鹿みてェに攻撃に特化した奴がいねェ。

 俺を呼び出したあいつなんだがな。


「とりあえずなんか訳ありっぽいから、助け出しておくか……よし拘束を解いていくぞ」


「……どうぞ?」


「テメェがやれよクソガキ!」


「ええ、なんで私がやらなきゃいけないんですか? ブッブー断固拒否しますぅ! ぶらっくぷれいやぁ人のいうこと聞かな──「グオオオオオオオオオオ!!!」──ひえっ!?」


 咆哮一つでビビるクソガキ。

 本当にあいつの妹弟子なのか?


「……じゃあ、俺が拘束特からあいつよろしくゥ」


「やりますやりますやればいいんでしょやれば! もう本当になんでローレントさんの周りって人使いが荒いんですか……? 荒いっていうか頭おかしいですってば……」








ローレントの制裁劇が始まるまで、しばらく三下無双をお楽しみください。

レイドボスをカキーンするなんて、普通無理です。

が、一応ガードポイント、カウンターポイントは準備されてます。(ただしデリケートモーション使用時のみ)

レイドボスの戦闘センスによって、だいたいズラされるんですが、三下さんは不意をつく感じならデリケートモーションを使用してカウンター行えます。


デリケートモーションを起点として上位スキルとしてハイクオリティムービングが使える様になります。

ちなみに、生産系の職で使うスキルですよこれ。



あとがきまでGSO グローイング・スキル・オンラインを読んでいただきありがとうございます!

ブクマ、評価、感想いただけて、本当に感謝の台風三百五十二号です。

そろそろスティーブン、ミツバシ、イシマルのキャラクター紹介します。

一応書籍版で出ていますしね。



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