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一応今日これで二回更新したっていう体裁。


 レイドボス相手に残像しても無意味だよな?

 大は小を兼ねるっていうし、そういうことだよね。

 飲み込まれた時マニュアルだが、焦ってはいけない。

 クラリアスも同じような攻撃をしてきただろう?


 魚鉤を手元にアポートし、舌に引っ掛けた。

 思った通り、体内は柔らかい。

 あの巨大ムカデみたいに中に変な小さな奴がいない限り、暴れ放題だ。

 牙?

 口の真ん中に牙があったらマナズマ死んでるよね。


 それに牙だったら弾けてたはずだ。

 へし折ってバキバキにしてやるところ。


 とりあえず六尺棒はしまって、口で悪鬼ノ刀を噛み固定すると、両手持ちにした魚鉤で這うように移動する。

 マナズマの舌はザラザラとした感触だ。

 とりあえず魚系の弱点であるエラに……エラが……無い?


 ど、どういうことだ!?

 エラがないぞー!

 怒責龍というカテゴライズ故に、既に魚の域を出ていたということか?

 あれ? 外面はあったんだけどなぁ、飾りかなあ?

 爬虫類か?

 ドラゴンか?


 俺にはわからんが、とにかく打つ手がなくなった。

 まあいい、やり方はまだたくさんある。

 せっかく体内にいるんですから、やっちゃいましょうか自重せず。

 誰も困らないしな。


 アポートで石柱を転移、そしてどんどん喉の奥へとアスポートさせて行く。

 さらにアイテムボックスから取り出した。




【毒糸】素材

グレイトクロウラーの吐き出す糸。

毒に塗れて汚染されている。


【溶解毒腺】素材

溶解属性と毒属性を持つ液体を作る器官。

保存と取り扱いに注意。




 いつだか、グレイトクロウラーを倒す時に失敗したもの。

 これもアスポートで喉の奥に投げ込んでおけ。

 もちろん収納容器は全て叩き割っておく。

 身体が巨大だからな、今まで蛇狩りして溜め込んだ毒達を大解放だ。

 毒殺による経験値補正は、いつのまにか制限がついとったんだが、そんなの関係ねぇ。

 とにかく体内から直接ダメージを蓄積させていけ。

 HPを見ると、地味に減っている。

 やはり堅牢な守りのある外側よりか、内側のが効率がいい。


「エナジーブラスト!」


 口を閉じている間は水も何もない。

 あるのは偉い匂いを放つ唾液くらいだ。

 蒸発してしまえ。


 ──グオオオオオオオオオオオ!!!!


 苦悶の雄叫びか?

 すると、マナズマが大きく脈打った。


 ドドドドドと、体の奥底から何かが溢れてくる音がする。

 ……確か、明らかに害のあるものを服用した際って、それを体外に排出しようとするよな。

 俺も何度かそういう運命をたどったことがある。


「まずっ──」


「──オゲエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!」


 うおおおああああああああ!!!!!

 まるで津波にのまれたかのように今まで俺が腹に送り込んだ石柱やらなんやらが一気に押し戻されてくる。

 それに巻き込まれてそのまま体外へと放出される。


「うわあああああ!!!!」


「れ、レイドボスの吐瀉物だあああああ!!!」


「ゲロブレス! ゲロブレス!」


「ちょ、水が濁る! やばいってこれ!」


 錐揉み回転しながらぶっ飛ばされる俺の身体を、なんだか弾むような感触を持った水が掴む。

 なんだ?

 水中で水にバウンドするなんてあるのか?


「この原因、やっぱりあんたかい?」


「十八豪、助かった」


「助かったじゃないよ! いったい何をしたらこういうことになるのさ!」


 話せば長くなるというか、直接体内に毒を流し込んでたらこうなったとしか言いようがない。

 考えられる懸念としてはマナズマの口蓋垂をひっぱったとかかな?


「そんなことより……」


 説明は後に回す。

 視界が悪くなってるっていうか、ぶっちゃけ毒も混ざってんだよな、この状況。


「あのゲロには毒が混ざってるから、浴びない方がいい」


 主に俺が流し込んだ奴だけど。


「な、そうなのかい!? ちぃっ、厄介だね、本当に」


 濁った水の先に、未だ吐き続けるマナズマの姿を睨みながら十八豪は「ああもう」と言いながら腕を振った。

 すると水流の動きが大きく変わる。

 気ままに漂っていた汚濁が止まった。


「MP大量に使用するから……温存しておきたかったんだけど仕方ない」


「どうするつもりだ?」


「この泉の全ての水をあたしの管理下に置く、ただそれだけだよバーカ」


 そう言いながら十八豪が両腕を広げた途端。

 汚濁にまみれた水のみが大きく戦場から離れていった。

 まじか……こんなことってあり得るのか……。

 他のプレイヤーもみんな、目を疑っている。


「水流操作だったら負けちまうだろうけど、こっちには直接水を掴む手があるんだ。優性なのはどっちかってことだよバーカ! ローレント!」


「うむ」


「あたしはこれでもう戦力外だから、尻拭いはあんたがやんなよ?」


 なるほど、そういうことなら任せてもらおう。

 期待してみているといい。


「魔物相手もだいぶ経験を積んだ、あとは任せておけ」


「ばーか、最初から信頼してるよ」


 マナズマのヘイトは確実に俺に向かってるから、全力でかち合ってやんのさ。






発売記念更新です。

やっぱりなんかずっと二回更新してたら、落ち着かないのでたまに休みの日に二回更新挟みます。

今週土日は仕事の都合で御殿場の温泉へと行かねばなりませんので、予約投稿で一更新かもしれませんが、もしかしたら二回更新すると思います。


感想等でご指摘いただいている部分は時間が取れ次第治したいと思います。

本当にありがとうございます。

ですが二回更新、でアルファやカクヨム等であげさせてもらっている物に関しても、二回更新等を挟んでいますので、なかなか更新執筆以外での時間が取れずにですね、ええ、すいません。



ちょっとした情報ですけど。

ツクヨイは処女です。





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