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そういえばついに100万文字達成しました。

長い道のりでしたありがとうございます!


 さて、ログインした。

 とりあえず、三日ほど時期をずらしてレイドイベントを第一拠点の村議会が開催するって体裁らしい。

 その間、準備をするためにバンドーレとトンスキオーネは船を使ってテージシティに帰って行った。

 ノークタウンで乗り継いで、高い金を払えばテージまでの高速便がある。


 バンドーレとトンスキオーネの話しで独裁女ファシミというマフィアの名前が出ていたが、こうして協力対戦を結んだ者たちは守る責務ができる。

 今度テージで赴いた時、コーサーあたりを連れて顔を出してみよう。


 独裁女ファシミか……。

 独占欲というものは理解できるぞ。


 強さと似ているからな。

 誰だって手放したくないものだ、変化を嫌う。


 だが常に尖った角をガリガリと擦り付けている状態と変わらん。

 人間、少しは丸くならないと、すり減って消えてしまう。


 独占欲が強い女は同時にものすごくしたたかだ。

 俺はトンスキオーネとバンドーレの愚痴を聞いて少し興味がわいていた。


 あらかじめコーサーに言っておくか。

 近いうちにトンスキオーネもことを構えるようなことを匂わしていたし、ファシミストロファミリーの独裁女について調べておけってな。


 そんなわけで、アンジェリックにメッセージを送る。

 コーサーにすっかり情が湧いたのか手塩にかけて育ててくれている。

 恩返し、いつかしよう。




プレイヤーネーム:ローレント

レベル:61

信用度:140

職業欄▽

[中級魔術師(無)]

[漁師]

[契約魔法師]


残存SP:18

ボーナスパラメーター▽

効果値:30

消費値:10

速度値:0

詠唱値:50

熟練値:30

見識値:30


ステータス▽

※※※第二弾アップデートから公開※※※




 現在のレベルは61。

 トンスキオーネたちの交渉が終わってから西の草原へと狩りに出かけたのだが、あまりぱっとしなかった。

 やはりテンバータウン近くのモンスターはレベルが低いな、いくら狩ってもレベルが上がる気配がしない。


 61になっているのはハモンとスティーブンに修行をつけてもらった際に上がったもの。

 早く70レベルにしないと、トモガラとモナカに置いていかれる気がする。

 ツクヨイにそろそろレベル追い抜かれそうで、兄弟子としては由々しき事態だった。


 ステータスについては第二回闘技大会が終了してから解放という噂が各地のプレイヤー間で広まっている。

 なんとなく確定情報みたいなので楽しみにしておこう。

 魔法職だが、頑張って走って駆け回ってってしてるぶん、俺の体力はなかなか戻ってきているだろう。


「あんた……戻ってきたのかい?」


「ええ」


 ちなみに今日のログイン場所はスティーブンの家だ。

 大事なものを移す際、第一拠点から移動させといた。

 久しぶりに裏手の空き地に顔を出して準備運動をしているとNPCのおばちゃんが洗濯物を干しながら俺の姿をじっと見ていた。


「しばらくいなかったじゃないかい、スティーブンさんのお弟子さん」


「各地を回っていましたし」


 一応スティーブン家のご近所さんということで愛想は欠かさないでおく。

 欠かさないでおくのだが、別にこのおばちゃんは気にしなさそうだ。


「そういうのは道場でやるもんじゃないのかい? あたしだってたまに旦那と道場で汗を流しているよ?」


 俺のあらゆる型に沿って身体を動かす様子を見ながらおばちゃんは首をひねる。


「道場もいいですが、型取りは一人でやるもんですから」


「ふーん、そんなもんなのかね」


 そんなもんだとも、これは魔法職の修行の一つである瞑想と同じだ。

 このゲームでは鍛えれば体力がつくし、身体もよく動くようになる。

 魔法職であってもそうだ。


 同時に魔法職の修行もMPや魔法攻撃力、運用力を高める一つの要素。

 いろんな攻撃スキルを使って戦う近接職は瞑想して数少ないMPをどうにか伸ばそうとする試みもある。

 ただし、伸びしろにはかなり差があるみたいだけどもね。

 それでもしないよりマシなので瞑想放置という言葉が生まれた。


 何もやることないけどログインした人がやってる。

 でもおしゃべりしながらの瞑想だから効率はすごく悪いらしい。


「ふう」


「はい、お疲れさん。水分はこまめにとっときな」


 ひと汗流したらおばちゃんがお水をくれた。


「どうも」


 信用度が百を超えると、みんな好意的に思ってくれる。

 すごく良いシステムだ。


「ローレントといったかい?」


「そうですが」


「スティーブンさんのお弟子さんってことで一つあたしの頼みごとを聞いちゃくれないかね」


 ……少し面倒くさいと思ったが、スティーブンとの繋がりがある人の頼みは聞いておく。


「あたしには一人娘がいて、大人になってこの街を出て王都に住んでるんだけどさ。もし王都へ行く機会があったら渡してくれないかい? 名前はカシミ。王都で流行りのスイーツとかいう甘いお菓子を作る職人さ」


 王都への手紙代はなかなか高いらしい。

 でもなんで俺に頼んだのかといえば、スティーブンの弟子だからという答えが返ってきた。

 それでいいのかと思っていると、おばちゃんはこういった。


「あんた、最初は物騒なツラしてたけど、よくよく見ればいい男じゃないかい? そろそろ孫の顔を見たくなった親ってもんはこうやって適当ないい男との出会いの機会を娘に作ってやるもんさね」


「……ええ」


 困惑していると、おばちゃんは「頼んだよ!」と言いながら洗濯物を入れていたおけを抱えて家に戻っていった。

 甘いものは嫌いじゃないからいってやらんこともない。

 時間ができれば王都へ行こうか。







一旦フラグ的な一幕を置いといて、いよいよレイドボスに挑みます。





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