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今日も明日も二更新


「おいこらてめぇローレントだろぉっ!!! ちょっと面貸せやぁ!!! あんまり調子こいてっとやっちまうぞ!?」


 ……タイミング最悪だ。

 知らん男が喋りかけて来た。

 いったいどこのどいつだ?


「なんなんですかいきなり」


「すこしいきなりすぎますねぇ」


 あからさまな嫌悪の視線をぶつけるツクヨイと苦笑いしたままのモナカ。

 とりあえず人前だから離れてほしい、率直に。


「ほっておけ」


 さらに言えば、こういう手合いにいちいち返事していてもしょうがない。

 回れ右して視界外に追いやってしまうのが、心の平穏を保つための鍵となる。


「そうですね、ぶらっくぷれいやぁはこういうを相手にしませんから」


「もとより私も気にしてませんよ☆」


 俺の言葉を理解してくれた二人は揃った足取りでぐるっとターンする。

 引きずられるように俺も回れ右。

 そしてズルズルと強制的に歩かされるわけだが、右に左に引っ張られてまともに歩けません。


 だれかぁ、助けてくださぁい。

 三下さぁん。


 ──ゴンッ。

 ゆらゆら揺さぶられている状況でさらに後頭部に衝撃を感じた。


「うわっ、痛そう」


「お、おい……さすがにレンガはまずくね?」


「ってか、ローレント……あの軍服……」


「ちょっと大丈夫かいな……あのプレイヤーさん……」


 物見遊山していたプレイヤーやNPC達がそんなことを話していた。

 ゆっくり後ろを振り向く。

 軽戦士の格好をしていた男が目を血走らせてこちらを見ていた。


「て、てめぇがシカトこいてっからだろっ!」


 ……ふむ。

 ……いい度胸だな。


「おい、そろそろ腕を解放してくれ」


「し、ししし、仕方ないですねぇ兄弟子の頼みならばしょうがないでしょう! 話します!」


「ピッ? はいはいわかりました。あんまりそうカッカしないほうがいいと思いますが……」


 視線で圧をかけるとツクヨイもモナカもパッと手を離してくれた。

 振り向くと同時に、男の方からなぜか決闘申請が来る。

 なんだこいつは……。


「前から裏ではてめぇの名前が出やがるからよ! 目障りなんだよ!」


「目障りだったら人の頭にレンガ打つけていいのか?」


「……」


 おし黙るくらいだったらやんなよ。

 とりあえず決闘申請を承認するとそのままアポートで弾機銛を起動させ太ももをぶち抜いた。


「げっひいぃぃいいいいいい!?」


 カスみたいな声で泣き喚いていた男だったがすぐに立ち上がり目を真っ赤に充血させながら叫んでいた。


「てめぇも────────不意打ちしてんじゃねぇかああああ!!!!」


「いや、決闘スタートの合図と同時だから不意打ちじゃない」


 ただし、受けた方がスタートの合図を出せる。

 いい仕様だよな?

 セレクとミツバシ謹製のワイヤーだぞ。

 資材を投資して作ってもらったハントスパイダーの糸は映画のようなアクションをしてもなかなかちぎれない。

 そのまま引っ張って転がすと悪鬼ノ刀を使って右腕を肩口から切り落とした。


「む?」


 これで恐慌状態に陥り勝手に恐怖に打ちひしがれてしまえと心の中で思っていたのだが、意外なことに俺の悪鬼ノ刀と不幸補正の精神拘束から抜け出した軽戦士姿の男は、雄叫びをあげながら飛びかかる。


「ぐおおおおお!!」


 なんかちょっと強烈な印象を受けたので六尺棒で突き牽制。

 後方に下がらせる。

 すると男の周りに真っ赤なフェアリークリスタルの妖精が浮かんでいるのが見えた。


「あ、あれは──!」


 戦いの様子を見ていたツクヨイが男の様子を見て何かに気づいていた。


「怒りのスクロールの効果をプラスもマイナスも大きく伸ばした、憤懣のスクロールです! 」




【怒りのスクロール】

怒(攻撃力上昇・微~中)の効果を得る。

時間経過とともに上昇。

経過時間によってランダムで混乱等の行動制限異常状態が発生する。


【憤懣のスクロール】

怒(全能力値上昇・微〜強)の効果を得る。

時間経過とともに上昇。

精神異常状態が発生するため仕様許可が必要。

使用後ランダムでデスペナルティ。

※インプクリスタル用アイテム




「インプクリスタル?」


「……確かレッドネームになったプレイヤーしか作れない粗悪なクリスタルの名前ですね」


 ツクヨイから見せてもらった。

 確かに強くなっている、中から強にクラスを上げるにはそこそこ等価交換でマイナス効果をつけなければならないのなが、そのマイナス効果がエグすぎる。


 精神異常が発生するため使用許可が必要とか。

 ありかよ、一応未成年もゲームしてるんだぞ!

 さらに、ランダムでデスペナルティ。


 使ったら死ぬ。

 俺の前で使えば100%死ぬんだろうな……。


「試すか」


「え!? さっさと殺さないとどんどん強くなりますよ!?」


「上等」


「ロ、ローレントさん! せっかく腕組んで街に帰ってみんなに見せつけて既成事実作ってやろうと思ったのになんでいつもそうなんですか──もごもごもごもご」


「……え?」


 なんか言葉が一瞬認識できなかった。

 俺の神経は今猛烈な勢いで飛びかかってくるこの目の前の男に集中させているからすまん。

 聞いてる暇がない。


「ツクヨイさん、邪魔しちゃいけませんよ? 美男子様は負けませんから、大丈夫ですよ」


「勝ち負けとかの問題じゃなくてーー!!」


 反応速度が早くなって、獣じみてきている。

 相変わらず素人じみた動きだが、本能に従っている分、余分な動きがない。

 確実に俺を殺そうとして来るし、それ以外の余計なことも考えていない。


 インプクリスタルとやらを作ったのはいったいどこのどいつだ?

 もっとプレイヤーキラーに流通させろよ。








お読みいただきありがとうございます。

明日も七時、二十二時で更新できたらと思っております。

よろしくお願いいたします。




活動報告にて、書籍情報の新しいの載せています。

【えっちなレイラ】です。



そして知り合いに連れて行かれてコスプレカフェにいったら、思いの外たのしかったです。


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