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おはようございます!今日もお仕事頑張ってください!



 本気になって暴れるケイブセンチピードマザー。

 ガラガラと崩壊していく洞窟。


「──ロッ、ローレントさん!」


「なんだ?」


 ツクヨイが瓦礫に埋もれていくマザーを見ながら涙ぐんで俺の名前を叫んでいたので返答する。


「わきゃあああ!?」


「うおっ」


 いきなり金切り声を出されたらびっくりするだろうに。

 どうやらツクヨイはマザーと一緒に瓦礫の下敷きになってしまったのかと思っていたらしい。


「んなヘマはしない」


「……いや、わりかし戦闘以外ではヘマばっかりしてる気が……いや戦闘でもたまに舐めプして」


「そうかあ?」


 自分なりにはうまくしてやったりって感じでやってるんだけどな。

 今回はアポートで手元に戻して足を解放するとそのまま天井に四足つかって張り付いた。

 もちろん装備の靴は四足になった段階で脱いである。

 天井に張り付くのはとんでもない筋力が必要なのだが、洞窟みたいに凸凹してれば、わりかし力の入れ方でどうにかなる。


 そして瓦礫とともに自ら壁に突進したマザーに石柱をいくつかプレゼント。

 ついでに崩壊した瓦礫のでかいのいくつかアスポートで雨にしてやった。

 制限解放された空間系魔法スキルはとんでもなく強いのだよ。

 大物相手に色々と武器になりそうな物が沢山ある洞窟はすごくよろしい。


「ッッジャアアァァ……」


「む、まだ息があったかエナジーブラスト」


「ジャァァァァッッ──……」


 悲鳴とともに、マザーはエナジーブラストによってそのHPを全損させた。

 破損の規模でいったところ奴は俺の五感を一つも奪えてないから、俺の完封勝利ってことにしておこう。




【強溶解腺】素材

強い溶解属性を持つ液体を作る器官。

保存と取り扱いに注意。




 ムカデ素材は相変わらず皆無。

 あとは錬金素材なんだが、見る価値もない。

 ツクヨイに渡した。


 さて、グレイトクロウラーだっけ、そんな感じのイモムシからも溶解液を分泌する腺がドロップしていたと思うが、今回はそれの強いバージョンだった。


 巨体ゆえに馬鹿でかい部位なのだが、どうやってガラスケースに入れてしまおうか?

 っていうか、ガラス解けないよな?


「……試して見るか」


 念のため、取り出したガラスケースにくっつける。

 シュワワワワと煙をあげていた。


「普通のではダメみたいですね」


 見ていたツクヨイがそう言った。

 そうみたいだな、ここは泣く泣く諦めるか。

 ストレージに設定してある倉庫に放り込むか?


 ……それだと拠点管理をしてくれている第一生産組のメンバーがやばいことになりそうだ。

 しかも、アスポートするには一度触る必要があるからな。

 石柱を飛ばした原理は、アポートで手元に引き寄せてから別の場所へ送る。

 一度俺を経由しなければならない制限はまだ変わらない。

 スキルの使用は慣れれば一秒もかからないから、文字どおり一瞬だからいいんだけどね。


「そうだ、強化ガラスなんかどうですか?」


「なんだそれは」


「今見せますね。とりあえずあるだけガラスケース出せますか?」


「わかった」


 アイテムボックスにもいくつか入れてあるが、基本的にストレージにたんまり入っている。

 とりあえず30個くらい出しておけばいいかな?


「十分だと思いますでは錬金スキルを使用しますね。──凝縮合成」


 まず、ツクヨイは蓋のついたガラスケース(ただのガラス瓶)30個を10個ずつ合成して三つにした。

 ……何も変わってないと思うのだが、説明によると10個ぶんの強度を得ているらしい。

 強化ガラスケース×10ってことかな?


「さらに、──ただの合成」


 それによってガラスケースの大きさが三倍に膨れ上がる。


「全く同じものを扱っていますので、不具合の心配はないです。強度十倍に大きさ三倍のガラスケースができました! まあ、魔力はすっからかんですけど」


 取り出したMP回復ポーションを使用しながら、ツクヨイはそう言った。


「すごいな」


「えへへ、なんか素直に褒められると……あんまり褒めてくれないからすっごい恥ずかしいですね……」


 モジモジするツクヨイは置いといて、三倍の大きさであれば、この取り扱いが難しい強溶解腺も入るだろう。


「おお!」


 ガラスケースは耐えている!

 思わず声が出てしまった。


「十倍にする必要があったのかわかりませんが、とりあえず調べる時間もないですからね。ローレントさんとりあえずあたま撫でてください。褒美を、褒美をぶらっくぷれいやぁに」


「ん? ああ、ほいほい」


「えへへでへへぐへへ」


 怖い。

 だが、でかした。


 ケースがあればドロップアイテムを手を使わずに収納できる。

 アイテムを指定するだけでいいからな。

 これは楽ですなあ。


 そしてこれはストレージに送っときましょう。

 ちょっとでかすぎて管理できない。


「あれ? アイテムどうしたんです?」


「倉庫に送った」


「……混乱しないですか?」


「ん? 大丈夫じゃないか?」


 別に説明しなくても勝手に整理したり、興味あるやつが調べて色々と解明とかしてくれるだろうし。

 俺は第一生産組の好奇心を信じている。


「なんかあれば問い合わせ来るしな」


「……でも今メッセージ使えませんよね?」


「あ」


 そうだったな。

 忘れていた。

 物忘れが激しい。











「……いや銭湯でもたまに舐めプして」

「……いや戦闘でもたまに舐めプして」


色々疑惑付きの誤字修正しました。

変な妄想させてしまい申し訳ないと、感想欄の方々に、あとがきをもって謝罪させていただきます。笑

いやあ、オチがバレる。

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