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おはようございます!バカ無双回!



 後転詠唱のスクロールは、詠唱時間、その後の再使用待機時間が三倍になる代わりに、効果を先にできるとんでもないスクロールだった。

 その代わり、錬金コストはかなり高め。

 魔石(大)を超えた魔結晶レベルの代物がいくつも必要になってくるらしい。


 さらに、使用したMPの三倍が本来の詠唱時間の三倍の時間、約9分の間使用できなくなる。

 後がきつくはなるが、効果がすぐに現れるのは有効だ。


 まあ、圧倒的破壊力を持って殲滅すれば、後が楽になる。

 ツクヨイの望みはそんなところだろう。

 自分は倒せないが、俺が倒しきるだけの場を作ったと。

 だったら悠長に構えている暇はないな。


「エナジーブラスト」


 全てのバフをつけた状態からエナジーブラストを打ち込む。

 水の中とは違って焦げ臭い匂いとともにムカデ達をローストしていく。

 得物はもちろん悪鬼ノ刀。

 そろそろ蓄積値もたまってくる頃合いなんじゃないかと思われる。


「ハハッ、的だな」


 動かない敵達。

 そして脆くなっているゆえに一刀両断でHPを溶かしていく。

 さらに一撃で倒しているのでターゲットも移らない。


「マナブースト」


 弾き飛ばしてスペル・インパクト。

 さらに空蹴にて三次元的な動きを行いながら三百六十度対応していく。

 異常状態を与えているみたいだが、ローヴォの能力でさらに与える。

 そして防御無視しているので拳でも打ち砕けていくな。


「だ、だれもそこまでしてくださいとは言ってないんですが……」


 ツクヨイの声は聞こえない。

 殲滅戦だ、気分の高ぶりをさらに解放するように動いていく。

 いつのまにか悪鬼ノ刀を手放していた。


 ムカデの急所はどこか、やはり虫なら頭。

 剣でちまちま切り落とすより、脆くなっているなら貫手を使った方が早い。

 踏み潰し、貫手で貫き、そして噛みちぎっていく。


「グォン」


「よし、こい」


 いつのまにかローヴォも隣を走っていた。

 目線が一緒だ。

 ああ、なるほど。

 俺、今四足歩行してる。


 壁を四足で登りそしてムカデを叩きつけていく。

 乱暴だが、獣じみた動きは実に理にかなっている。

 残り時間は後三十秒ほどか?

 膨大にいたムカデの数はすでに半分に減っていた。

 息を吸うように殺しているから、当然か。


「ローヴォ、ラストスパートだ」


「グォン」


「どっちが多く殺せるか勝負な」


「……ぐぉん」


 自信ないって?

 やれ、俺より倒せなかったらお仕置きだ。


 ストレージから石柱を落とし潰し、そして視線でその石柱をアスポートして手が届かない場所に落としていく。

 洞窟に轟音が響く、それでもムカデ達は動かない。


「エナジーブラスト」


 四肢がふさがっているので口から二度目の砲撃。

 角度をいじれれば、なぎ払いの掃射ができるんだけどな。

 ないものをねだっても意味ないか。


「マジックエッジ」


 攻撃回数さらに増加。

 ローヴォとともに洞窟を縦横無尽に駆け抜けていく。


「──ハハハハハ!!」


 ムカデの味は美味しくない。

 正直苦い、不味い、だが別に食べれないほどじゃないな。

 お腹を下す異常状態が来ても、ローヴォの能力で確率は低いし、毒殺者の称号で基本的にどうにかなる。


 妹弟子が準備してくれた戦いの土壌を存分に発揮した。

 相手は脆く、そして動かない。

 ただの的相手に、三百六十度の攻撃をこなせる俺と、それを仕込んであるローヴォがいれば。

 膨大な数とて意味をなさなかった。


「ム、ムカデを食べながら戦ってます……?」


 食べてないが確実に頭を損傷させるために噛みちぎっているのが正しい。

 動物の中で一番強い武器っつったら顎だ、歯だ。

 久しぶりに楽しい殲滅戦でした、ごちそうさま。




=====


「これが兄弟子ちゃんの力だ」


「は、はひ……やばすぎてなんて言ったらわかりませんが、まさか一人で殲滅するなんて」


 厳密に言えば一人と一匹だがな。

 ムカデ達を全て倒し尽くし、静かになった洞窟で、ツクヨイはぺたりと座り込んでいた。


 どうやら、ブラックダウンのデバフを使用した後でも、倒しきれなかったら色々と文句を言うつもりだったらしい。

 ほーん、なるほど、だが百年早いわ。


 せっかく狩りの環境を整えてくれたんだから、存分にやらないとね。

 人間相手も楽しいが、こうなってくるムカデもなかなかいい相手かもしれん。

 経験値効率が段違いだ。

 そりゃ、こんだけの数いるんだもんな。


「レ、レベルが上がってます」


「当然だな」


 俺は上がってないが、確かな手応えを感じている。

 ブラックダウン狩り、いいと思います。

 虫が沢山いる森に行って、是非ともまたやりたい。


「またやりたい」


「もうだめですー! 今日はもうだめですー!」


 ふむ、そういうもんなのか、まあいいでしょう。

 これだけのムカデを亡き者にしたんだ。

 俺としてはそろそろ奴が出て来てもいいと思う。


 ケイブスタブの生息する地底湖に落ちる時。

 上から顔を見せたケイブセンチピードの成体。

 あの巨大なムカデもそろそろお見えになるだろう、これだけ子供達が殺されたらな。


 ──ゴゴゴゴゴゴ。


「え? な、なんの音です!?」


「来たか」


「何がですかー!?」


「センチピードのでっかい……の?」


 洞窟の奥から、見上げるほどの大きさを持った巨大なムカデが姿を表す。

 それは地底湖で見たような普通のケイブセンチピードの大きさなんか比にならないくらい、巨大でおぞましい姿をしていた。


 おいおいおいおい、さすがにデカすぎないか?

 大きさだけで言えばグレイトコング、エンゴウ級だ。

 そんな化け物ムカデが俺たちを見下ろしていた。








ツクヨイ「ケ、ケダモノ!」




バカ無双回でした。






GSO グローイング・スキル・オンラインは8月10日発売です。

詳しくは活動報告をご覧くださいまし。

下は書籍のカバーと、今日四足歩行した奴のご尊顔。

特設ベージも作られていますー。

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