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刊行決定記念更新二更新目



 しまったなー、ルビーを外に放置しなきゃよかったかな。

 でも入りたくないってわがまま言うから、しょうがない。

 ちなみに俺の契約モンスターは大体自由だ。

 唯一従順に言うことを聞くのはノーチェくらい。


 ローヴォとルビーは基本的にテイムクリスタルを受け付けない。

 というか出て来て機嫌を悪くするってどうよ?

 なにその辺もリアルに寄せてんの?


 ノーチェは基本的にテイムクリスタルがない状況で。

 馬が困難な場所では置いてけぼりを食らってた。

 だからおとなしくテイムクリスタルに収まってくれる。


 ……そんなに寂しかったんだな。

 今度テージの隣の草原フィールドでいっぱい狩りしてやるよ。

 もしくはあのケンタウロスあたりの領域を走らせてやる。


 そんなことを考えていると、ちょうど穴の底にぶち当たったらしい。

 死に戻りに備えてみんなを抱えて空蹴使おうと思っていたが。

 下を見たら水だったのでやめといた。


「うおおおおお! 空中だと動きが!!!」


 スキルをきっとけばいいものの。

 スキルデブ現象によって空中での動きが取りづらくなったトモガラが先に落ちた。


 ──バッシャアアアアアン!!


「──いってぇえええ!!」


 うわっ、腹からいった。

 めちゃくちゃ痛そうだ。


「わきゃあああ! ひぃ! ひぃ! ひぃ!!!!」


「ちょっと静かにしてろ」


 慌てふためくツクヨイは、体制を立て直したモナカをポカポカ殴っていたので選手交代。


「すいません。音的に下は水ですよね? 一人で落ちた方がダメージは少ないので」


「良い、俺がこっちはなんとかしとく」


 そう言ってツクヨイを抱え込む。


「──え? あ……そ、その、いきなりその……えっと、抱きしめるのは反則っていうかなんていうか……」


「いいから黙って捕まってろ」


「……はぃ」


 何を考えとるのか知らんが、素人が高飛びすると危険が大きいからな。

 着水の瞬間、首を痛めないように右腕を回して固定する。

 さらに肩の脱臼を防ぐために左腕を回して掴み押さえる。

 ツクヨイの細い体ならばこれで十分だろう。


「ひぎっ!? ──いだだだだいだいいだい! ローレントさん強い! 痛い!」


「いや、怪我するから、しっかり固定しないと」


「……こんなことだろうと思ったです!」


 ローヴォは俺が飛び込み方を仕込んでるから平気だ。

 いつか海に行く時、しっかり戦えるように犬かきは出来るようにして置かんとな。


 そして、──ドボンッ!

 洞窟の地下深くにある地底湖へと着水した。


 ツクヨイは衝撃に備えて目をつぶっている。

 うむ、よく耐えた。

 テイムモンスター感覚で頭を撫でると、


「もが!? もがもごもごごごご──」


 なぜか止めていた息をたくさん逃していた。

 ちなみに、息を止める必要がないことがわかっていると思うんだがな。

 いつだかのクラリアス戦はツクヨイも参戦してたんだし。

 ああ、でも船の上にいたんだっけ。


 酸素メーターが表示されてそれが尽きるまで行動可能。

 尽きたら普通に溺れる。

 それ以前に水面、水中では水泳。

 ある程度の深さになると潜水が必要になる。

 それを全くなかったことにできるの水魔法のアクアベール系。

 クラリアス戦はあのおかげで勝てました。

 ってことで、そろそろ水中から水面に浮上する。


「っぷは! い、いきなりあああ頭撫でないでください!」


「え?」


 俺が怒られるの?

 まあいいや。


「ったく真っ暗で何も見えねえぜ! ま、ダウンカレントもねぇから良かったけどよ!」


 相当深くまでドボンしていたのだろう、俺らより先に落ちたトモガラが俺らより遅く浮上した。

 まあ暗闇で見えないのもあるし、なかなか浮上できなくてスキルを全て切ったんだろうな。

 身体強化スキルを上げまくると、こんな弊害があるのか。


 そして流れがないぶん、地底湖の底から何かが近寄ってくる感覚がびんびんする。

 やっぱり魚の魔物か何かがいらっしゃる。

 そんなところだ。

 漁師の俺にはわかる。


「なんか来てんぞ! アスポート!」


 ──ばしゃん!

 とりあえずあかり以外なら転移できるのでしてやった。

 いつか海に出る時を想定して、マルタとセレクに作ってもらったリバーフロッグの革製ゴムボート。


「なんつーもんを作ってんだおまえ」


 呆れるトモガラに言ってやる。


「いいからお前の馬鹿げた肺活量で空気を入れてくれ、事態が一刻を争う」


「あいよ」


 空気を入れる場所を教えてやると、手探りで探り当てたトモガラが一瞬で膨らませた。


「うーん、見えてませんが想像はつきます。コンパクトなんですね、私も一つ欲しいですね?」


 さすがに、造船した木造の船を倉庫に入れておくことはできなかった。

 だが第一拠点にさらに高い金や魔石を納めることで俺の倉庫は拡張と強化が可能だ。

 今はまだ作ってもらったボートが畳まれて並んでいるが、いずれは木造の船を置きたい。

 そうなるとさらに金が必要になる。

 管理するNPCとかな。


「よっしゃ、とりあえずツクヨイのれるか?」


「は、はい乗りました! ってお尻見ないでくださいね絶対!」


 暗闇で何言ってんだこいつ。


「……暗くてなんもみえーん」


「で、ですよね? いくら感覚がずば抜けてる人たちでもさすがにそうですよね! では私がゴムボートの上に助けてあげますよ! やっと活躍できます! ついでにダークサークル」


「それは助かる」


 自分を中心にしたエリアもそうだが、どういうわけが自分が乗った馬車などにも作用するダークサークル。

 効果は相手にバッドステータスを振りまくものだが、ダークサークルを使った乗り物は多少なりとも耐久値が上昇するので、何かと便利な闇魔法スキルなのだ。







ツクヨイ「助けてローえもーん!」


ローレント「ゴムボートぉー」


ツクヨイ「きゃー地味ー! 普通ー!」


ローレント「インディアンデスロック」


ツクヨイ「いだだだだだだ! でも他のヒロインズにこれで差をつけいだだだだだ──」




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