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なんとか更新できた!



「エナジーブラスト」


 空蹴で二段ジャンプからの高い位置からの掃射。

 その熱量が雪をある程度とかしてぽっかりとした穴を開ける。

 かき消されないってだけでもすごいが、雪に対処できるんだな、このスキル。

 安全地帯が確保できる手段として持っておこう。

 マナバーストは、雪は弾けるのかな?

 無理っぽそうだけども。


「あのあの、そろそろ足から手を離してくださいってば!」


 そして石柱を落として雪の威力を削っているとツクヨイが叫んでした。

 黒いインナーが見えないように必死に抑えながら。


「すまん」


「わきゃあああああああああ!? 誰がイエティと雪崩の中に落とせって言いました!?」


「冗談だ、冗談」


「全然冗談に聞こえないんです……ふぇっ?」


「背中に乗ってろ」


 とりあえず片手が使えないのは不自由だ。

 それは先日重々承知したので、ツクヨイは背負う。

 雪山だが、ここはやや傾斜のゆるやかな雪原に近い場所。

 雪崩の勢い枯れ木やイエティを巻き込んで徐々に弱くなっていくはずだ。

 石柱、エナジーブラストの効果もあるし。

 たかが雪崩とモンスターの襲撃だ。

 俺らの命は易々と奪うことはできんってこったな。


 初めてハモンに会った時も。

 わりかしコテンパンにやられてしまったからな。

 いつか仕返しする。


「意外と背中大きんですね」


「タッパだけはあるからな」


 魔法職ってだけあって、かなり腕も足も細くなってはいるが、日々の活動で徐々に膂力も戻ってきている。

 そんな気がしないでもない。

 あれだけ野山を駆け回ってた訳だしな。

 たかが十メートルくらいの崖から落ちたくらいでデスしてしまう。

 そんな魔法職の身体にもそろそろおさらばが欲しい。

 待ち遠しいのだ、裏ステータスが公開されるアップデートが。


 その日まで、余念無く鍛錬を続けるのが良い。

 ……のだが、鍛錬よりも実践だ。


 戦いで培う筋肉は戦いでのみ鍛えると、純粋に必要な筋肉が育つ。

 だが、故障が付きまとうんだが、勝ちゃ問題ない。

 同時に強い身体を得るためには、日頃からこうして激しい運動をだな。


「……ツクヨイ、武術向けの身体ではないな。軽すぎる」


「ひゃぁっ!? どこ触ってんですかですぅ! 」


 ケツじゃあるまいし、太ももくらい触られてなんだってんだ。

 まあゲームの世界だからそもそも鍛えるよか魔法スキルを練習して、相手を近づける前に倒す。

 それができればベストだよね。

 保険として動かし方を覚えておけば、ツクヨイの闇属性魔法スキルとは良い相性となるだろう。


「ローヴォ、ルビー」


「うぉん!」


「きぃ!」


 みんなで石柱に集まる。

 その時、周りを確認すると、イエティを大きくぶっ飛ばしながら雪崩に向かっていくトモガラがいた。

 モナカはすでに雪崩の上を走っている。


「なんでモナカさん雪崩の上を走れるんですか……」


「水面を走る技術があるのは知ってるか?」


「え? 足が水中に沈む前に次の足を出すっていうアレですか? そんな布でも敷いてない限り……」


「可能なんだよ」


「いやいや、そんな……まさかですって」


 踏み足の体重をいかに分散するかが鍵となる。

 天井に着地する技術も元を辿れば天井の梁や隙間に無理矢理足突っ込んで固定するもんだしな。

 親指でいたぶち抜いて引っ掛けることも可能。

 さて、土踏まずに絶妙な空気を持たせる、そして基本的にかかとやつま先から着地しない。

 そんな細かなかことを寸分の狂いもなく行うことで、水面走ることは可能だ。


「……仮にできたとしてもですよ、うーん信じられません」


 息を吐くようにその極みの要穴をこなすのが達人だからな。


「実際に目の前で走ってるだろ」


「確かにそうですが、もうついていけねーってやつです」


 俺の首に回されたツクヨイの細腕に自然と力がこもっていた。


「おら! 石柱? せこいなてめぇー! 俺にもよこせや!」


「イエティを飛ばすな」


 降ってきた二体のイエティをスペル・インパクトで弾き飛ばす。

 トモガラだって全力で身体強化スキル使ってるから、同じことじゃないか。


「ひえっ!? ひぇぇっ! 私が近くにいるんですよぉお!?」


「しっかり掴まってろアスポート」


 石柱をトモガラのいる場所の頭上に落とす。


「おわっ!?」


「一個やるよ」


「てめぇ……」


 仰け反って雪の中に埋もれたトモガラ。

 ドバッと爆発したように雪を巻き上げながら立ち上がる。

 そしてニヤリと笑った。


「──ありがたく受け取ってやろうじゃねぇかよ!」


 そして雪崩に向かって力任せにポーンと投げ込んだ。


「人力投擲器だなあ」


「ホーガン投げじゃないんですから……なんで二メートル以上ある石柱があんなに簡単にポーンって飛ぶんですか。軽い調子でポーンって、なんですかポーンって」


 プルプル震えるツクヨイにトモガラがイエティの足を持ってその他イエティたちを蹴散らしながら言う。


「はっ! 今の俺は全プレイヤーの中でも頂点に立つほどの膂力だぜ? もっとも、リアルでの俺とローレントがオリンピックにでも出てみろ、だいたい総なめしてやんよ」


 素人の集まりで世界一を極めててもなあ、スポーツと武術は違うし。

 というか、勝った負けたの先にある生きるか死ぬかが好きだからなあこちとら。


「ピヨッ!? なんでこっちに飛ばしてくるんですかね……☆」


 トモガラの投石はモナカの手前に落ちて、それに驚いたモナカは重心配分を間違えてズボっと雪崩に埋もれてしまっていた。

 上で結ばれた髪の毛が雪からちょこんと出ていて、なんともギャグ漫画のように雪崩とともに移動していくモナカ。

 そしてズモッと雪から出現した体長五メートルほどの毛むくじゃらな何かにカブを引っこ抜くみたいに救出されていた。


「あら、ありがとうございま──ピ? ど、どちら様でしょう?」


 白くて見えなかったが雪崩に混じってなんだあいつは!?


「ウホホ?」


「……ど、どうも」


「ばかたれ! モンスターじゃねぇかよ! 早く自衛しろ!」


 一瞬止まりかけた空気の中、トモガラの声が響く。

 赤目の白い毛むくじゃらは、間抜けな声、容姿に大きく反比例するように唾液まみれの鋭い牙が連なった口を大きく開き、そのままモナカを一飲みしようとしていた。


「ピ〜〜〜〜〜〜!?」


 モナカの口がひよこみたいになって必死にもがいているが、さすがに髪の毛を掴まれてしまってはどうする事もできないようだ。

 というか、いきなり目の前で凶悪な口が開いてテンパってる。

 それでも達人か!




【コマンドサスカッチ】Lv1

ビッグフットのクラスチェンジ。クラス4

雪山の主で修行好き、遊び好き。

よく雪崩を起こして修行遊びをする。






活動報告でキャララフなどを色々ご報告しています。

誤字脱字、毎回申し訳ない!

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