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 村長宅での話し合いは、また何か進展があればということで一度話は終了した。

 敵は必ず大会開催期間中を邪魔しに狙って来るだろうとの予測していたレイラは、NPCもプレイヤーも織り交ぜた自警団を設立する予定なのだそうだ。

 ブラウのクランに依頼を出して、経験値、お金、その他諸々を支給することで大きなレベルアップ、戦力増強を図れるんだってね。


 ……やっぱりクランは作りたいかもと思ってしまった。

 ブラウのクランに一時的に入れてもらうのもありかな。


 トンスキオーネのレベルが高すぎて、全体でのレベルアップがおそめなんだよなあ。

 これはどうにかしないといけないというわけで……せっかく第一拠点とテンバータウンに戻ってきたのだから、ここいらで色々と軌道修正をしておきたいところだ。


 そしてレイラとの話の後、ひとまずログアウト……とはいかずに。

 一度闘志のスキルを獲得するためにトモガラとともに道場へと向かうことになった。


「師範代の方もなかなかの美男子です♡」


 なぜかモナカもついて来る。


「……初めて来た」


「アルジャーノさんは魔法使いですからね」


 プレイヤーが少なくなって十六夜も話せるようになってきていた。

 NPCだったらいいのかと思っていたのだが、彼女もブーストを取得するためになんだかんだ道場の門を叩いてたみたいだから、顔なじみになっているっぽいな。


 ってか、お前ら暇人かよ。

 なんでついて来てんだ?

 特にアルジャーノとか関係ないだろう。


「まあまあ、一度手合わせして見たいですしね♡」


「……暇だから」


「うふふ、このメンバーに先を越されるわけにはいきませんから」


 そして中からは暑苦しい師範代が姿を現した。


「おう! 今日は多いな!」


「どうも師範代様♡」


「ん? ああ、モナカさんじゃないですか! これはこれはどうも!」


 モナカのニコニコ笑顔を見た師範代は、三歩下がって深く頭を下がった。

 三歩下がって師の影を踏まずってやつだな。


「あの師範代が……いったいどういうことだ?」


「ああ、このあいだモナカに散々やられたからなあ」


「いやはや! スキルなしだと全く歯が立たない! 俺も精進しなければ!」


「私はなかなか楽しめましたから♡」


 師範代相手に楽しめたと、やはりこのモナカ、達人ではないか?

 しかも近接職だから渡り合えるのか。

 高速で動かれてもインパクトの瞬間を掴んでしまえばモナカの戦場だしな。


 俺の時は闘気だけでガンガンHPを削られてたから勝負にすらなってなかった。

 フィジカルベールを覚えるきっかけになったからよかったんだけど。


「む、十六夜ではないか、もう随分と久しいな」


「あ、はいどうもです。一生涯の伴侶を見つけその方のサポートに勤めていました」


「え、そんなキャラだっけお前……」


 師範代が若干引いていた。

 十六夜の後ろからアルジャーノが前に出て師範代に尋ねた。


「……魔法使いも、ブースト覚えれるの?」


 そんな質問に、師範代は俺を指差した。


「覚えてるやつはたくさんいるぞ、全ては身体が資本だからな。ちなみにそこの片腕野郎だってもってる」


「……私も取得しようかな」


「なら道場へ入んな! 色々と身体の動かし方を教えてやる!」


 師範代に案内されてテクテクと中へ入っていくアルジャーノに続いて、俺たちも道場の門をくぐる。

 俺、トモガラ、モナカ、十六夜にアルジャーノだ。

 ノーチェとローヴォもいるのだが、基本的に外で待機させている。

 モンスター相手じゃないとあんなり活躍の場所がない奴らだよな。


「久しぶりだなローレン……ト? ──おい、片腕はどうした!?」


 茶髪の青年マルス。

 なかなかに久しぶりな相手だった。


「修行に出るとかなんとか言っていた気がするが」


「丁度帰って来ていたんだ! ったく、お前に再戦を申し込もうと思ったのに、そんな左腕じゃ腕を上げた僕と試合にならないじゃないか……まったく」


 まったく、と首を振りながらそう息つくマルス。

 相変わらず増長が激しそうだな。

 基本丁寧な物腰なのだが、戦いになると荒々しくなる。

 もっとも、武術家としてなかなか正しい姿だ。


「ふむ、マルス。おまえは闘技大会を見ていなかったのか?」


「……闘技大会? ああ、戦いのお祭り騒ぎですか。見てませんでしたね。僕は鍛錬で忙しかったもので」


「なるほど……まあ一度ローレントと試合してみるがいい」


「え!? 怪我人相手に試合なんかできませんよ師範代。まだ五段スキルを得ていませんが、実力は五段に等しいとノークタウンの師範代にも言われましたので、さすがに怪我させるだけです」


「まあ、向こうは準備できてるようだけどな? どうする?」


 装備を全てアイテムボックスに入れ、マルスが会話している最中に奥のロッカーで道着をかっさらって来た。

 これで装備的なアドバンテージはない。


「いつでもかかって来るといい」


 そんな様子の俺を見たマルスがムッとした顔つきになった。


「……怪我しても、知らないからな」


 口調はやや砕けているが、昔を思い出した。

 師範代の合図を待って、お互いが開始線の上に立つ。

 さて、レベル、裏ステータスとともに合わさって俺の基礎体力は上昇している。

 それにプラスしてMP量も魔法使いなので当然多い。


 昔みたいな苦戦はしないだろう。

 ……と、いうか。

 舐めプ騒ぎでトモガラに色々言われてしまったので、一切の手を抜くことをやめよう。

 楽しんでしまうと、どうしても相手の戦闘力にあわせてしまうんだよなあ。


 いっそのこと再び魔人とか来てくれればいいのに。

 次は負けない。

 今回の魔人戦は負け試合だったから、マルスに勝利し一つ勝ち分を取り戻そう。


「はじめ!」


 師範代の合図が道場に響いた。







ローレント「舐めプって感想したやつメモったぞ」





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