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 さて、一同はテージシティを出てテンバータウンへと向かった。

 途中でアンジェリックとその騎士隊とは別れ、残った者達で第一拠点の焼肉トウセンへ。


 ペンファルシオが倒れた今、他の二つのマフィア達が黙ってないだろう。

 これ見よがしに漁夫の利を貪り始めることが予測されたので、トンスキオーネとコーサーの二人にはテージシティに残ってもらうことになった。

 二人の護衛にはルビーについてもらっている、事が済んだら勝手に戻ってくるだろう。


 見返りとしてトンスキオーネは焼肉トウセンの二合店をテージシティでやれと言っていた。

 だが現在トウセンと雇い入れたNPCでの切り盛り故に、少し先のことになるだろう。

 南と西のオーク肉と牛肉の供給量がおっつかない事もあるし。

 だったら、と焼肉トウセンの経費は全部俺持ちにしてやった。


 コーサーは、特別修行のご案内ってことで再びアンジェリックのところへ修行に出すことになるだろうな。

 今回の潜入ミッションはなかなかいい感じだぞ。

 もともとただのテージシティの裏道にいたチンピラがよくぞここまで上り詰めたと言っておこう。

 だが、アンジェリックの指導のもとにそこそこ動けるようになっても、まだまだヘタレ感が出ている。


 時間があればブートキャンプする。

 三下さんと約束もしているし、格上モンスター狩りをガンガンやっていきたいところであるが……。

 なかなか条件にあった場所がないんだよなあと感じている。

 やっぱり南の森から山、そして霊峰まで行くしかないかな。


 その前にオークの集落でも潰させるか?

 まあやり用はいくらでもある。

 冒険してればその内ちょうどいいものが見つかるだろう。


「お待ち、とりあえず高級部位だぜ」


「あ、どうも。緊張するとお腹が減りますね。ささっ、皆さん食べてください」


「オルトウィル様! ご無事で何よりです!!」


「……セバス! よく戻って来てくれましたね……」


 ジュウジュウと肉の焼ける音と匂いが立ち込める中、お涙頂戴の邂逅である。

 なかなか感動の場面だが、オルトウィル・レジテーラ。

 我が物のように肉を食らっているが……金は払っているのだろうか。


 マフィア達と戦っているとわかる。

 テージシティの商売ってかなりの規模で裏側に掌握されていた。

 力と金は比例する。

 大小問わずいろんなマフィアが巣食うテージの貴族は、実は貧乏なんじゃ……と。


「この依頼に関して私とあなたとツクヨイさんで折半なんですよ」


「え、なんで?」


「魔銀関連で私、あなた、ツクヨイさんでオルト様に依頼をしていましたからね」


 ツクヨイは知らず識らずの内に金を払わされてるってことか?

 いいのか、ニシトモ。


「心配ご無用です。この件に関してはすでにお話をしております。ツクヨイさんは修行クエストが忙しくてこれないみたいですが、魔銀は連勤でも重要なのでお金は出します、頑張ってくださいとの言葉をいただいておりますし」


「ああ、そういうことか」


 スティーブンめ、面を見せないと思ったらツクヨイの修行を行っていたな。

 俺を修行をサボって何をやっているんだ。

 と、最近修行クエストをサボっている俺が申しております。

 ブーーーーーーーメラン。


「ついでに言いますと、彼女は錬金スキルをプレイヤーで初めて手にした第一人者みたいなもんです。フェアリークリスタルから、テイムクリスタルまで、様々な錬金技術で稼ぎはかなりのものですよ? あなたも妹弟子ということもあって、錬金素材はたくさんあげているようですからね」


 ぶらっくぷれいやぁ(笑)と呼ばれていたツクヨイが。

 ついには錬金ちゃんという愛称、いや敬称までつけられているのね。

 俺も欲しいな、そんなあだ名。


「とにかく話はわかった」


「理解が早くて助かります。ではオルト様、依頼報酬の方をお願いします」


「はい、ニシトモさん、ローレントさん。この度は私の家族とも言える存在を救っていただき、もうどう感謝したらいいかわからないくらいです。では魔銀に関する情報はニシトモさんにお渡しします。それと、レジテーラ家の認める公認商会としての権利もあなたにお渡しします」


「オ、オルト様!?」


 魔銀の件もあまりいい顔をしなかったセバスチャンだが、公認商会としての権利を渡すとオルトウィルが口にした時にその顔色を大きく変えた。


「なりません。この様な者達を公認の商会にするなんて!」


 そして俺をみながらさらにセバスチャンは続ける。


「私の目にはごまかしは通用しませんぞ? 此度は助けていただいたとはいえ、マフィアを仕切る行為なんか、到底許すわけにはいきませんし、許してはならないのです。これはレジテーラ家の品位に関わるものです!」


「セバス! いきなりどうしたんだ!」


「長年培って来た私の勘が、警戒せよと告げているのです! 犯罪を犯した訳ではないにせよ、危険だと告げているのですよ。それに悪称号の雰囲気も感じます!」


「セバス!」


「はっ……大変申し訳ございません……不躾な真似をしてしまい……」


 そう言ってセバスチャンは持っていた杖取り出した。

 抜き放たれた杖は中に刃を携えた仕込み杖。


「ニシトモ様にはご迷惑をかけますが、どうしてもこのローレントという男には計り知れない脅威を感じるのです。私が自分の命にて証明します。この場で命を絶ちます故に、この男は今後レジテーラ家には近づかせないでください……では!!」


 いきなりの展開にオルトウィルは動けずにいた。

 そしてセバスチャンは抜きはなった剣を自らの胸に向かって突き刺す。


 ーーザシュ!






セバスチャーーーーーン!!!!

今日は後三回更新しまーす!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



7時、12時、17時です。

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