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「カイトーの潜伏能力は普通に感心した」


「ああ、まあわいは盗賊の中でも十二面相タイプやからな。盗むならスマートにやで!」


 だからこそ、面白いと感じてしまった。

 戦闘スキルは持ってないが、こう言う俺の手が届かないところのスキルを持っているやつは素直に感心する。


「でもなんや、ほんまにそんなんでええのん? 頼みたいことがあるならなんでもええねんで」


 少し照れつつ、頬を掻きながらそんなことを言うカイトーに伝えておく。


「クランを作る時、是非入って欲しい」


「え!?」


「え、ローレントさん作るんですか!?」


「……初耳」


「うっそ、あんたは一匹狼でいると思ってたけど」


「私はレイラさんのところにいると思ってましたね。まあ裏社会で既に組織を作っている訳ですから、杞憂だったんでしょうけど」


 何故かカイトーではなく周りのみんなが驚いていた。

 十六夜なんか目に見えて狼狽えている。

 ってか、足にダメージがきているのか、膝をついていた。


「マフィア潰して乗っ取るくらいですから、予々予想はついてましたのことよ? もし作るなら、妾は大所帯を率いて参戦いたしますの」


「いや……でかい戦闘のためにつく訳じゃないんだけど」


 単純に物好き連中で同じ釜を囲めればいいと単純に考えているんだけどな。

 一国一城の主人というより、それぞれのスペシャリストが集まった。

 定期的に集まる必要も一緒に戦闘する必要もないけど、そんな同じ釜の仲間。

 友達が欲しいなあと感じていたり。


「レイラさんのところはどうするんですか?」


「関係は変わらんよ」


 ニシトモにそう返しておく。

 対応を変える必要はないし、手を貸せと言われたら普通に貸す。

 第一生産組もその道のスペシャリスト達だから馬が合うのだがなあ。

 基本一つの拠点に固まって生産し続けてるからな、外に出ないのだ。


 烈火並みの情熱を生産にかけ続けているから、俺のストレージには石柱やら投網やらがどんどん蓄積されていくんだけどもね。

 予備の道具、武器、その他諸々が。


「うふふふふ、私はもちろんクランに入れてもらえるんですよねうふふふふふ」


 ノーコメントで。

 ってか怖すぎる。


「ちなみに、どういうコンセプトのクランにするのよ?」


「コンセプト?」


「ほら、魔法使いだけのクランだったり、ブラウみたいな剣持だけのクランだったり、その他にも活動内容がいっぱいあるのだけど」


「え」


「その様子だと考えてなかったみたいですね」


 呆れ口調のエアリルに、苦笑いを浮かべているブラウだった。

 どういうことか聞いてみると。


 クランはギルドから承認を受けて登録するものなのだが、実はその時に活動内容や諸々を説明して所属メンバーのいずれかが定期的に依頼をこなしたりしなければならないようだ。


 信用度をある程度稼ぎ、クランを作ると、クランにも個別で信用度というものが発生し、ギルドでの成績に反映される。そういう強制力が働いてしまうものがクランらしい。


 だがクラン専用の討伐依頼だったり、その他諸々の特殊地域への参加とレイドボスだったり大きなイベントがある場合に諸々の優遇があるとのこと。


 ……うわぁーめんどくさいけど。

 クラン専用の討伐依頼は気になるところだなあ。


「魅力的な提案やけど、今いる盗賊ギルドは抜けれんしなあ」


「まあクランを作っても拘束するつもりはないから好きにしたらいい」


「んー、考えとくわ。とりあえずフレンド登録はオッケーやし、何かしら恩返しできる場面があったら返すで? わいもあんさん達と廃人ゲーマーやから、盗賊ギルドでクエスト受け取ったらいずれまたどこかで落ち合うやろし!」


 カイトーも自分のプレイ方針がいろいろあるようで、そう簡単には返事できないと言われてしまった。

 俺のオファーは振られた形になるな、残念だ。


「ほなまた! 潜入とかそういうことが必要やったらわいに依頼したらええから! まあ、あんさんに潜入なんか必要あるかしらんけどなー」


 軽い様子でカイトーは俺たちの前から去って言った。

 彼のスキルの効果なのか、すぐにNPCと紛れて見えなくなる。


「なんか色々と衝撃が大きかったわね」


「そうだね。……うん、本当。衝撃がすごい」


 ブラウがハハハと乾いた笑いを送りながら辺りに目を向けている。

 なんだよ、言いたいことがあるならいえよ。


「ブラウさん、慣れですよ、慣れ」


 慣れってなんだよニシトモ。

 普通だろ普通。

 スペシャルプレイヤー勢だったら、こんなこと朝飯前だぞ。

 トモガラなんか多分嬉々として正面からぶっ潰しにかかるだろう。


「さて、要人も無事に五体満足で救い出せたことですし、皆さん一度第一拠点に戻りましょう」


「ん? ニシトモ、それよりこの更地どうするんだ? うちから人を呼んでおくか?」


「トンスキオーネさんお願いできますか? まさかペンファルシオのマフィアが全滅するとは思ってませんでしたので、助かります」


「ハッ! 人員代はコンシリに請求しておけよ」


 ちょ。待てよ。


「もちろん、そのつもりですよ。あなたの相談役はお金だけは無駄に持ってますから」


 え、そうなの?

 そう言って見せてもらったニシトモの俺専用の帳簿にはゼロがたくさんついていた。








更新遅くなりました。

展開遅くて申し訳ないです。

努力します。





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