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なんとかGW中に戻ってこれました。お待たせして申し訳ございません。


「倒した敵を蹴飛ばして下に転がしとんの……?」


 困惑した声を上げるカイトーだが、理にかなっているんだぞ。

 どうせ倒した後地面に転がって邪魔になるんだから、蹴飛ばして相手にぶつける。

 混戦時は味方でさえ武器とする。

 それが死なない秘訣でもある。


「いただきます、ごちそうさまと同じだ」


「うそやろ!?」


 さて、驚くカイトーを後ろに連れて。

 下から隊列を組み直し、一斉砲火を試みるマフィアたちだった。

 近寄ったら斬られるからさもありなんといったところだな。


 俺はローヴォの特殊能力を得て、基本的に弱点特攻のクリティカルだ。

 スキルを使用した斬撃の場合、こう上手くはいかないらしいのだが……。

 ちゃんと狙えば済む話なのだ。


 アポートを足元に引き寄せて蹴り上げれば、人はそれに目を向けてしまう。

 その時に首を刎ね落としてしまえば良い。

 魔物と違って表情豊かなマフィア達はそういうトリックに引っかかったのが丸わかりだ。


「うわわっ、どないすんの、一気に撃ってくるんちゃう!?」


「集中砲火だ! 蜂の巣にしてやれ!」


「おう!!!」


「エナジーブラスト」


「うわああああああ!!!!!!!」


 距離を取って密集した場合。

 エナジーブラストが本当に役にたつ。

 単体向けのスキルではなく、貫通して周りに余波を撒き散らすから凶悪だな。

 それでも逃れたマフィア達は発砲する。


 セレク謹製の戦闘服はバズーカじゃなければ耐える。

 だが万が一にもカイトーに被害が及ぶ可能性が否めない。

 ならばエナジーブラストとともに接近して。


「マナバースト」


 銃弾ごとマフィアを吹き飛ばし蹴散らしていく。


「ええ、つっこむん? マジで?」


「早いとこ時計塔を降りないと上で足止めしてる敵がどんどんくるぞ」


 マジックエッジも使用したところで、俺はフルバフ状態だな。

 マジックブースト、ナート・エクステンション、ナート・イクイップメント。

 ……そして魔闘。


 この機会を逃せばさらに面倒になる。

 別に面倒になっても良い、むしろ手強くなれ。

 だがカイトーを守りながら進むことを考えれば、舐めプはこの程度にしておいたほうが良いのかもしれない。


「何としてでも止めろ! 止めろやあああ!!」


 階段の下方でマフィア達を追い立てていたカポレジームの声が聞こえる。

 それに従ってどんどんマフィアが追加されていく。

 逆に考えて、こっちに戦力を集中させてる分。

 大通りを攻略しているブラウ達にとって、ある意味でサポートになっているんじゃないか?

 そう、陽動だ。陽動。


 要人警護を頼まれながついでに陽動するんじゃねえってエアリルあたりがブチギレそうだな。

 ほどほどにしておこう。


「くっ! 怪我を負ったものは引きずってでも治療院に運べ! 動ける奴はあいつを止めろ!」


 カポレジームの指示に従って、エナジーブラストの火傷異常を負ってしまった者達をなんとか助け出し、戦線を保とうとするマフィア達。


 だが戦場とは無情なもんだ。

 俺とお前はともに屍の上に立つ者同士。

 是非とも仲良く死合おうじゃないかとね。


「ハッ! 退け」


「かぺっ!? 俺の、身体、返して」


 思うわけですよ、本当に。


「わいが解体採取するから! もうマフィアの上を容赦なく歩くのやめて! やめてあげてぇな!」


 何をいっとるか、まだ生きてる奴がいたら踏みしめてトドメを刺す。

 一思いに倒してやった方が浮かばれるだろ。

 それに、


「敵を全て倒せば護衛依頼達成だ」


 結論はなんとも単純だった。

 簡単ではないが、こういう戦いに小難しい頭脳戦は合わない。

 存在するのは如何にして敵を効率良く倒すかだ。


「そこまでやれとは言ってへんって!」


「……さっきから口が減らない奴だな」


 護衛してくれって言うから護衛してるのに。

 後ろからベラベラベラベラ……。

 戦闘を続けるとボルテージが上昇してくるから、あんまり刺激して欲しくない。


「た、たんま! やっぱお願いします! なんでもゴーで! やったれや! うらうら!」


 ひと睨みすると、カイトーは焦りながらシャドーボクシングをしていた。

 依頼主のゴーサインが出たので、自重せず頑張るつもりだ。


 だが、時計塔を出たら、適当な場所に隠れていて欲しいな。


 戦いが激化して、三百六十度全ての攻撃につい反射的に迎撃してしまうスイッチが入るとまずいぞ?

 まさに、動の気が解放されたと言っても良い。

 強制開門だ。

 極限状態だと味方殺しも致し方ないと、俺にその技術を仕込んだ爺い様が言ってた。


「くそっ! アンダーボスにもっと支援を送るように頼め! ってか雇った用心棒はどうなってんだ!」


 下では相変わらずカポレジームの喚き声が聞こえる。

 そろそろうるさいから、先に倒しておくのも有りだな。

 銛でもぶち込んでやろうか。


「おい! アンダーボスに連絡してさっさと裏ギルドから派遣された奴を連れてーーッおごぼっ!?」


 やはり、先に指揮系統を潰しておくべきだな。

 ストレージから引き寄せた投擲用の一本銛を五本ほどまとめて上から下のカポレジームに投擲する。


 二本程外したが、右肩と鎖骨の窪みに三本命中。

 あれは、さすがに痛いだろう。

 死んではいないが気を失って倒れたカポレジームを、下っ端マフィアが必死に引きずって外へ連れていく。


「……じ、地面や。地面がある。悪夢が終わったんや……」


 時計塔の一階部分に降り立つと、必死にマフィアの解体供養を行なっていたカイトーが心底疲れた顔をしてそんなことを呟いていた。


 ふむ、思ったよりも上で固めた石柱バリケードが仕事をしてくれた。

 おかげで挟み撃ちなんて楽しい状況にならなかったのは、一応功を奏したと思っておこう。


 では、ブラウ達の所へ戻ろう。

 そう思い外に目を向けると、入り口の外に数人の男が立っていた。


「おいおい、いったい誰がこんなえげつないことをしてんだ?」


「カポレジームってそんなに弱くないはずだけどな」


「魔獣とかそう言うのが逃げ出した説」


 ……NPCではない。

 なぜなら、頭の上に赤く色づいた名前が浮き出ていたからだ。

 レッドネームプレイヤーが、ここに何の用だ?











やっとプレイヤーキラーを出現させることができました。

マフィアとか裏社会、そして裏ギルドの話が出てきていた時点で、予想は付いていたかと思います。

地味に、このグローイング・スキル・オンラインというゲームはプレイヤー同士での交流を推奨しています。

だいぶん初期、ローレントが猫かぶって居た時代でもそうでした。

そして、プレイヤー間の交流とは別の意味でPKも枠組みに組み込まれているんです。

ローレントが大喜びしそうですね。






あとがき小話。(飛ばして構いません


月初から色々とバタついていました。

色々あって五日分くらいの仕事が遅延したり溜まったりと、大忙しです。

やっと諸々が片付き、ここへ戻ってきたんですが……。

いやいや本当に、お待たせして申し訳ないです。

感想でもちょろっとありましたが、スライム系のローファンタジーをカクヨムやアルファで連載していますので、機会があれば一読していただければ。


みなさん、お元気です?

GWで羽を伸ばせましたか?

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