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三回更新間に合いませんでした。だから今日二回します。


 敵襲だと言うことで、カイトーをおいて宝物庫から出ようとするが止められた。


「待って待って!」


「……? もう自由だろ?」


「いやその、わいこんななりやし、あんさん相当強そうなプレイヤーやからここから出れるまで付きおうてくれへん?」


 そういって頭を下げるカイトー。


「恩返しは必ずする! 今は一文無しやけど! ほんまっ!」


「まあいいよ」


 別に支障は無い、ハンデを背負うくらいが丁度いいかなとも思えて来た。

 マフィアのレベルがブラウ達に合わせられてそして数だけでしか押してこない。

 何の戦略もないし、むしろ戦略連携的に言えばこっちに分があるくらいだった。


 ぬるいかな、ぬる過ぎるな?

 こうやって誰かを護衛しながら戦うと言うのもいいな。

 ニシトモって優秀だから。

 最初の何回かくらいしか行商クエストでキツイ状況になったことはない。


 困難を乗り越えてこそ、強くなれるのだ。

 逆境に立ち向かってこそ、大きくなれるのだ。

 その先には絶景が広がっている。

 見て見たい、このゲームの絶景とやら。


「うわぁ、めっちゃマフィア大集合しとるけどええのん?」


「問題ない」


「そうや、ここはわいに任しといて。変装と偽装なら並みの盗賊より上げとるから」


 外の様子を確かめて戻って来たカイトーは、そう言いながら中を片付け始めた。

 引ん剝いたマフィアを解体で光の粒子にする。


「ちなみに、鮮度の良い血液とか実は採取できるんやで? これで証拠隠滅できたりするんや」


「へえ」


 刎ねられた首から出たおびただしい血液はカイトーの手によって回収された。


「ま、採取レベルが高くないと無理やけどね!」


 スキルは使わないとレベルが上がらない仕様なので、どんどん採取していかないと無理なのだ。

 解体、鑑定はちょくちょく上がっているが、採取なんて最初に薬草採取を頑張ったくらいでしかやってない。

 つまり、上がってないのだ。

 素材集めにいくよりも狩りがしたい、そんなお年頃をわかってほしい。


「おっと、マフィアが来たで! あんさん隠れて!」


 カイトーは俺を部屋の奥の宝物庫へ押し込んだ。

 そしてドアを開けたマフィアと会話し出した。


「おい! ここは大丈夫か!? アンダーボスから絶対に守れと言われている!」


「上役がそういっとったんか? まあわかったで、ここにはまだ来とらんから、上で苦戦しとるんちゃうか?」


「よかった! 一応ここにも応援を何人か送る! だから鍵は絶対に死守するんだ!」


 方言、大丈夫か?

 聞いていた限りだと絶対ばれてそうだけど。

 俺の不安なんてつゆ知らず、マフィアは「頼むぞ」と一言告げて上へと走って行った。

 引き続いて上へ上へと向かう足音がどたどたと聞こえていた。


「どや?」


 馬鹿ばっかりか、マフィアども。

 ドヤ顔するカイトーは放っておいて、実際マフィアを経験値にしたいところだったりする。

 余計なことしてくれたけど、まあ使える側の人間だと言うことはわかった。


「わいのモットーはノー暴力やから、ここまでスキル上げるの苦労したんやで?」


「すごいのはわかった」


「いたぞー!!」


「お?」


 とりあえず宝物庫につながる部屋から階段に出ようとドアを開けたら、

 数人のマフィアが上からこちらを見ていた。


「ちょおま! さすがにほとぼり冷めるまでここは部屋の中にいるべきやろがい!」


 カイトーがそんな事を叫びながら頭を叩こうとしてくる。

 とりあえず避けておいた。


「ツッコミスルー!? ご法度やで!!!」


「おいてめぇ! 人質か!? くそっ、てめぇがそいつを殺したら俺らがお前の家族から友人まで一人ずつ消してやるからな……覚悟しとけよ?」


「え?」


 カイトーが何故か驚いていた。

 俺もこの状況でまだこいつの変装スキルが有効なのが驚きだ。

 そしてマフィアの男はすごく情に熱い事を言いながら俺に訴えてくる。


「こいつを救いたいのか」


「くっ、てめぇ、動くんじゃねぇ! どうせ仲間がどんどん押し寄せてくる! そいつを生かせば、俺らも悪いようにはしねぇ!」


「なら腕を切ってみろ、今すぐにだ」


「へ?」「へ?」


 カイトーとマフィアの声が重なった。

 そしてアポートでストレージからナイフを転移させるとマフィアの前に転がした。

 カランカランと音を立てて床に転がったナイフをマフィアがじっと見つめている。

 そして、ひたいにどんどん汗をかいていく。


「このまま死ぬなら……よし」


 悪鬼ノ刀を鞘から抜き放つと、マフィアは勘違いしたのか慌ててナイフを拾う動作をする。


「わかった男見せればいいんだーーッ?」


 そうやって首を下げた瞬間、刀を振り落とす。

 はね飛ぶ首と崩れ落ちる体。


「よし、とりあえず一人倒した。集まってくる前に行くぞ」


 変装偽装スキルはかなり有用となる。

 色々とマフィアに話を持ちかけて試して見たが、まさか本当に仲間のために身を犠牲にするとは……。

 ペンファルシオ、なかなかまとまりあるマフィアだな。

 トンスキオーネの支配とはまた違う形に思えた。

 そりゃでかくなるはずだ。


「……鬼やな、あんさん」


 カイトーはそう言うが、こいつらは敵だ。

 そして殺さなければ殺される。

 そんな世界観のゲームであり、そんな設定のエリアが裏社会なのだ。


 いろんな暴力が支配する。

 そんな場所だ。

 正直、生産職をやっていた時のほのぼの感が懐かしい。

 海に出られたらまた世界は広がりそうだよなあ……。

 そしたら漁師やったりすると思う。

 戦う漁師として海に覇権を唱えてみたい。


 そうだ、思い出したけど。

 川の向こうのマングローブの森とか一体どうなってたんだっけ。

 テンバータウンからノークタウンまでの川の途中にいるエリアボス。

 クラリアスを倒したプレイヤーは向こうまで行けるようになるんだよな。

 すっかり忘れていたそんな設定の話を思い出しながら。

 俺は時計塔を下に向かう。


 別に上からでもおりれないことはないが、ほぼ丸腰のカイトーを連れては無理だろう。

 上からも下からもマフィアというお祭り騒ぎだが、上等じゃないか?


「うわぁっ、息吸う感覚で殺していきよる……鬼じゃなくて魔王っすか? あんさん」








間に合いませんでした申し訳ないです。

なので今日頑張ります。


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