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「こらあああああ!! 上からマフィア降ってくるんじゃーい!!」


「おおお落ち着いてエアリル!!!」


 十六夜と共にマフィアを叩き落としながら前進していると、下からそんな声が響いて来た。

 なんだかコーサーみたいだな。

 ってかコーサーが下にいるって言う程でついついマフィアを叩き落としていたってのもある。

 いや本当に申し訳ない。


「すまーん」


「ブラウどいて! あいつ殺す!」


「まあまあエアリルさん、こっちに戦力を残しつつ屋上ルートを二人で受け持ってくれてるんですから。落ち着いてください、貴方とアルジャーノさんの支援は本当に助かってますから」


「でもでもこっちに敵多すぎるってば!」


「そりゃ俺らの数が多いからだな。普通だろ」


「黙れデブ!」


 屋根から下を見下ろしてみると、混戦混戦に次ぐ大混戦だった。

 さすがに中央を抜かれるとペンファルシオもたまったものじゃないのだろう。

 続々と雑魚マフィアたちが戦場に投入され、ブラウのクランとアンジェリックの騎兵隊は声を張り上げながらなんとか連携を保っていた。


「ローヴォがいる、異常状態攻撃を使ったほうがいい」


「……了解。伝達する。彼のテイムモンスターの特殊能力で相手の確率が下がり相対的にバッドステータスが入りやすくなっている。攻撃方法をそう言うものに切り替えて」


「了解! クラッシュ! スマッシュ! おお! みんな! 痺れ系吹き飛ばし系は大体吹っ飛ぶから攻撃スキルメインにしよう!」


 クランのメンバーの動きが切り替わる。

 身体強化スキルもそこそこに、攻撃系のスキルも各種類取得しているようだ。

 トモガラなんか力押しアンド力押しだが、彼らはバランスを重視しているのかな。

 そしてそれがローヴォの補正により、上手く働いている。


 対するアンジェリックの騎兵隊は、攻撃スキルをあまり所持していないようだ。

 クラッシュとスマッシュのスキルによって一時的に動けなくなった的に着実にトドメを刺している。

 うむ、適材適所だな。


「よそ見してんじゃねぇ!!」


「おっと」


「ぐあばっ!?」


 下をのぞいていると後ろから剣を振りかぶったソルジャーが。

 気配自体は感じ取っていたので冷静に対処して足払いして下に突き落とした。


「ぐわああああ!! おい、上に気をつけろ!!」


「こらあああ!! ーーって、今のは敵に大ダメージだったからいいわ、許す!」


 何様のつもりだろうか。

 とりあえずエアリルは思ったより補助の負担が大きかったためイライラしてるのだろう。

 風の壁を張って銃弾を無効化するなんて、本当にいい仕事をしてくれてると思うよ。

 その分疲れそうだけど。


「こっち見なくていいから上を攻略しなさい!!」


 うひっ、エアカッターが飛んで来た。

 怖い怖い、慌てて首を引っ込めなかったらお陀仏だぞ、本当に。


「なーにしてんだ? たった二人だろーが!!」


 カポレジームがそう叫んで、ソルジャー、ソルジャーエリート。

 そしてアサシナート、アセシノが一斉に飛びかかってくる。

 ご丁寧にピックポケットも複数に構えてバフをつけている。




【構成員】Lv52

・カポレジーム


【構成員】Lv50

・ソルジャーエリート


【構成員】Lv45

・ソルジャー


【構成員】Lv40

・ピックポケット


【構成員】Lv40

・アセシナート


【構成員】Lv40

・アセシノ




 そしてこのメンツ以外にも敵はいるようで、上から弓矢と銃弾がちょいちょい降ってくる。

 走ってれば当たらないみたいだが、それでも油断できない状況を作り出しているのでなかなか面倒だった。


「ギィッ!!」


「ぐわああああ!!!」


 ルビーが正面から突撃して蹴散らしている間に、十六夜に聞く。


「矢と銃弾がどこから射って来ているかわかるか?」


 矢の刺さり具合を考えると大体の方角はわかるが。

 実際にどこから撃たれているかなどの正確な情報はわからない。


「そう言うと思ってブルーノに索敵をさせてます」


 さすがだ十六夜。

 そして走り去る俺らの後方に弓矢がカカカと命中した時、ついに発見した。


「時計台の上からです!」


 やっぱり時計台だったか。

 このマップの中で、一際背の高い建物だとすればそこだ。

 弓矢も銃弾も基本上から下に運用するものだ。

 なんとなく察しはつくのである。


「ルビーと共にここは任せた」


「え、どこに行くんですか?」


「時計塔」


 それだけ言うと、助走をつけて一列になった家の屋上ルートから外れる。

 敵がいないところにはマフィアは湧かない。

 そのルールに則って、素早く移動をして行く。


 一飛びで届かないところは空蹴を使いなんとか飛び移って行く。

 なんとなく、月を飛んでいるような気分になる。

 上からは先ほどよりも威力を増して、弓矢と銃弾が押し寄せてくる。

 マジックブーストを使い更に移動速度を上げ、残像を用いながら時計台の下についた。


「おい! 時計塔に入れるな!!」


「宝物庫を守れ!」


 なに、聞き捨てならないセリフが聞こえた。

 宝物庫だと?


 俺を宝物庫を狙いに来た賊だと思っているのだろうか。

 まあ、頂くけどね!

 とりあえず上から狙ってくるやつがうざいので、先にそいつらを蹴散らしてやることにする。

 味方に対する支援にもなるだろう。


「入り口を固めろ!!!!!」


「であえーであえーーー!!!」


 ……誰が入り口から入ると言った。

 壁を走って登ったほうが早いだろうが。


「嘘おおおおお!!!!???」







あとがき小話(読み飛ばし可)


壁を登れるスキルを手に入れたので、高いところに登って見たくなったローレントでした。

下から壁を登って行く様子は、もちろん市街で戦っているマフィアや、上で援護射撃していたマフィアたちからも見えている訳で。

一つ、伝説が生まれそう。そんな予感がします。

ちなみに十六夜のブルーノを使った飛行は羽ばたき回数と滑空秒数に制限があります。



クラッシュとスマッシュのスキルです。

クラッシュは一定確率で相手の武器を壊し、しびれを与えることができます。

スマッシュは一定確率で相手を高く吹き飛ばすことができます。

ついでに吹き飛ばしには巻き込み判定があり、近くにいたら巻き込まれます。



そしてローヴォの不幸効果によってマフィアたちはスキルの付加効果がかかりやすくなっています。

まったく、とんでもないです。



ローレントがボスだったらという話をしましたが、ローレントの軍勢がいるとしたらこんな具合です。

今回の軍勢はいわばベータ版と言う形ですね。箇条書きで詳しく見て見ましょう。


・風の壁で遠距離攻撃を無効化してくる。

・クラン補正によって連隊対戦時に能力補正がある。

・補給物資ならなんでもお任せの豪商がいる。

・嫌がらせなら天下一品のデブがいる。

・地味に戦況を読むプレイヤースキルが高いヒーラーがいる。

・鬼確率で装備を破壊、しびれ以上、吹き飛ばしをしてくるクランがいる。

・驚異的な練度でトドメを刺しにくる騎兵隊がいる。

・爆弾を大量に抱えたデブがいる。

・妙なカリスマ性を持った姫キャラがいる。

・異常なプレイヤースキルと闇を抱えた弓師がいる。

・梟、兎、狼、黒馬の特殊能力がやばい。

・たとえ彼らを倒しても悪鬼羅刹ラスボスが控えている。




以上です。

今日も焼肉食べます。

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