表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/626

-229-


 ボンッ!

 攻撃があと少しで届くといった直前。

 頭上で空気が爆ける様な音が響いた。


「ワォン!?」


「ブルルルル!!!」


 激しい衝撃に落馬してしまった。

 ローヴォとノーチェの驚く声が聞こえる。

 まずい。

 六尺棒を探してアポートで引き寄せ構えて、敵を見る。


 おいおいおいおい、なんだありゃ。

 クリムゾンコニーは空中を蹴って悠々と移動していた。

 逃げることはせず、改めて俺を敵と認定して襲いかかる準備をしている。


 あれが、クリムゾンコニーの特殊能力か?

 高いところから落ちても死ななくなるじゃないか。

 欲しいな……ぜひ契約したいと思いました。


 機動力では明らかに向こうが上。

 ノーチェに乗った状態でそのアドバンテージが取れないとなると。

 今回はお預けだな、ノーチェ。

 ローヴォとともにサポートに回ってもらい、相変わらず俺にヘイトが向いているクリムゾンコニーを倒そう。




[クリムゾンコニーと契約を結びますか?]




 試してみたが、契約魔法スキルは使える様だ。




[汝は契約を結ぶと申すか? ……ならば示せ]


[契約対象モンスター:クリムゾンコニー]

[契約条件:草原の覇者に強さを示す]




 出たぞ、契約魔法スキルの時だけ出て来る契約さん。

 こいつの声に従うならば、とにかくクリムゾンコニーをボコボコにすればいいのだろう。

 強さを示す、大いに結構。

 持てる力を出し切ろうと思います。


「バウバウバウ!」


 騒ぎに乗じて集まって来るマスドッグがうざいな。

 他にもプレイヤーいるんだからそっちに行けと思うが、なぜかこっちに集まってくる。

 ローヴォとノーチェに任せるしかないか。

 サポートは期待できそうにないな。


「ギィッ!」


 クリムゾンコニーの短い声と同時に、空から一直線に攻撃が来る。

 ギリギリで躱すのも手だが、ここは安全マージンをとって大きく前方に跳躍した。


 ドゴッ!

 地面が陥没して衝撃が大地を伝う。

 大きく避けといてよかったな。

 一対一で攻撃の威力では相手に勝てそうにない。


 だったらこっちは手数で勝負だ。

 アポートで投銛を数本手元に出現させると投げまくる。

 当然躱されるだろうが、ノーモーションで射出できる弾機銛が優秀だ。

 一直線にクリムゾンコニーの腰に突き刺さった。


「ギッ!?」


 いかに草原の覇者でも痛かろう。

 腰を落として綱引きの開始だ。

 そのまま投網の餌食にしてしまって機動力を消し去りたかった。


 ボンボンと空中を蹴る音が響く。

 距離を取りたいクリムゾンコニーと、それをさせない俺。

 力比べは向こうに分があるみたいだ。

 ストレージからアポートさせた石柱で弾機銛を地面に打ちつける。


 これでどうだ?

 綱引き合戦では体力の消耗しかしないと察したクリムゾンコニー。

 攻撃に転じて体当たりを狙いに来る。

 慌てて飛び退くと石柱が粉々に砕け散った。


 本当に、これによく耐えたな魔樫の六尺棒。

 刀で受けたらへし折れかねない威力を持っている。


 改めてクリムゾンコニーと相対すると、六尺棒を構えた。

 クリムゾンコニーの口元が歪む。

 手数勝負だった奴が、今更相対しても意味ないという風に思っていそうだ。

 大人しく騎馬の力を借りればいいのにとね。


 ボッと音がして溜めからの跳躍飛び蹴りが来る。

 クリムゾンコニーにとって、必殺の一撃なのだろう。


「!?」


「残念、残像だ」


 ノーチェにも乗っている時に見せたはずだが、まさか騎乗時のみでしか使えないとでも?

 契約魔法で俺も使えるのだ、まあわかるはずないか。

 弾機銛もストレージに予備はたくさん作ってあるぞ!

 ノータイムで射出する。

 必殺の一撃を透かした隙は大きい。


 クリムゾンコニーも運が悪い。

 真っ赤な目の一つに銛が命中した。


「ギィィィイイイイ!!!」


 金切り声をあげてなんとか外そうと頭を振るクリムゾンコニー。

 ふははは食い込むだけだぞコニー。

 ダメージは?

 ようやくまともなものが入ったな。

 クリティカルダメージだ、二割ほど削れている。


 ……正味だが、眼球に鋭利物打ち込まれて体力二割しか削れてないって。

 モンスターの生命力には本当に脱帽。

 人間だったら脳に達して即死じゃないかな?


「ギィァッ!!!!」


 後ろに大きく跳躍したおかげで食い込んでいた銛先が目玉と共に取れたようだ。

 うわぁ、とんでもない、とんでもないったらとんでもない。

 烈火のごとく怒っているクリムゾンコニーだった。

 そして跳躍のために溜めを作っている。

 完全にターゲッティングに入った状態だから、どこに逃げようと後の先を取られるな。


「エナジーブラスト!」


 ならば受けて立つ。

 逃げられぬなら、こっちからかかっていくぞ?

 俺は草原にいた雑魚モンスターとは違う。

 強い敵でも容赦なく立ち向かうからな。


「ギィッ!!!」


 関係ないとばかりに大きく飛び蹴り体勢をとったクリムゾンコニー。

 直線的な攻撃で、スキルがもし単発オンリーのエナジーショットとかだったら蹴散らされて一撃で死に戻りだっただろうな……。


 エナジーブラストは直線的な放射スキルで俺の手を起点に発動した部分から、ビームのエフェクト全てにダメージ判定がある。

 強スキルといっても過言ではない。

 当然、直線的な敵の攻撃に対して最も有効な迎撃スキルとなる。


 クリムゾンコニーは怒りに任せて空中で跳躍するという小技を用いなかった。

 蹴散らしてやる、これの自信が覇者たる所以なのだろう。


 エナジーブラストで体を焼かれながらでも勢いは未だ衰え知らず。

 絶対に殺す。

 そんな真っ赤な目線で俺を射抜いている。


「マナバースト!」


 エナジーブラストは布石だ。

 かなりのダメージを与えるが、相手の勢いを防ぐ様なスキルではない。

 マナバーストは確率により吹き飛ばしの効果を得る。

 三下さんよろしく、クリムゾンコニーを吹き飛ばした。

 運悪くマナバーストの壁を超えれなかった様だな、残念賞だ。


 攻撃力上昇で今最も信頼のおける武器。

 六尺棒を片手に前に出る。


 相手は吹き飛ばされて軽い脳震盪か?

 都合がいい状況が立て続けに続く。

 チャンスは今しかない。


「マジックエッジ!」


 首元に六尺棒を振るう。

 無論、斬撃属性を付与させておく。

 そして振り返しの一撃でスペル・インパクトをぶちかました。




[良かろう……、クリムゾンコニーは平和な草原の覇者。故に退屈という永劫の牢獄に閉じ込められていた。感謝する、かの眷属を一つ解放してくれたことを……]


[クリムゾンコニーとの契約が完了しました]







もしもローレントがボスだったら……。(現時点での)


・遠距離から極太レーザーを撃ってくる。(火傷必至)

・近づいたら確率100%吹き飛ばし攻撃と攻撃力上昇。

・網とか銛とか投げてくるし、拘束具を射出する。

・馬に乗って機動力抜群。(なんか残像してる)

・もふもふ眷属を召喚してくる。(バッドステータスをかましてくる狼と空跳ぶ兎)

・石柱が降ってくる。石柱の上を飛び回る。

・なんとか接近出来て、本体戦になっても目が緑色に光って残像とか幻影とかで怖い。

・青いオーラを纏って攻撃を受け流してくる。

・刀が禍々しい、棒で殴るだけなのに衝撃波が生まれる。

・遅れて斬撃が飛んでくる。

・HPが少なくなってくると四足歩行とかする。


・最終戦に突入すると上記全ての技をコンボで繋げてくる。

・全ての技にクリティカルダメージが入る様になる。




って具合ですかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ