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 まず、上空にいるブルーノが火属性の魔法を浴びせかける。

 この間、三下さん達とサイクロプスを狩っている時に気がついたのだが、バッドラックウルフの不幸補正とは相手に作用するものである。


 パーティを組んでいる場合、俺と相対する敵に対して発動されたその補正は、パーティメンバーの状態異常も起こりやすくなるようだ。

 正直、アポートによる石柱の雨あられよりえげつなく思える。


「うわああああ!! あっちいい!!」


「負傷者の確認を急げ!!」


「くそっ! なんで全員火傷なんだ!?」


 まともにスキルを浴びたマフィア達に、甚大な被害を及ぼしている。

 そんな状況で、俺は馬上から「エナジーブラスト」の詠唱を行う。


 ひらけた場所での対多数戦には限界がある。

 遮蔽物や障害物がある状況だと、うまく駆使して戦う方法だって取れるのだが……。

 今回はその限りではないのだ。




【構成員】Lv55

・カポレジーム


【構成員】Lv45

・ソルジャー


【構成員】Lv45

・ソルジャー


【構成員】Lv45

・ソルジャー


【構成員】Lv45

・ソルジャー




 この通りペンファルシオの連中は、夜盗達と違ってレベルが高い。

 ご丁寧に、ほとんどソルジャーで揃えて着ている模様。

 もしかしたら伏兵として暗殺系を潜伏させているということもあり得る。


「十六夜、できるだけ遠距離で削っておく」


「はい」


 相手の目的が、明らかにこちらの手にある要人ならば、距離を詰めて奪い取るしか方法はない。

 こちらから特攻してやることもないので、距離が取れている内にガンガン削っておく。

 もともと、遠距離魔法を覚えていなかった俺は、剣を投げて距離的なアドバンテージを得てコツコツやって着ていたし。


 思い返したら、初心者には優しくないゲームだよな……これ。

 痛覚設定とかあるから違和感バリバリだったしな、最初。

 チュートリアルを受けなかった俺が悪いと言われれば何も言い返せないけどね。


「魔銃持ちは前に出ろ! 一斉にかかれ!」


 カポレジームが叫んだ。

 遠距離でやられているつもりはないらしい。


 上からはブルーノ、そして正面からは俺と十六夜がタコ殴り。

 そりゃ動かざるを得ないよな。


「突撃するみたいです」


 十六夜が肩越しに言う。

 遠距離戦もそろそろおしまいだな。


 俺だって相手が少数で遠距離で攻撃できる状況だったら、壁を作って全員で突撃させる。

 無理やり戦線を推し進めさせるのだ。

 数の利があるから、相手は耐えきれない。


「ならこっちも突撃だ」


「うふふ、賛成です」


「おい!」


 ノーチェを繰り出そうした所で、トンスキオーネが口を挟んできた。

 ちなみに、ドン・ラバード率いる夜盗達は制圧されている。

 トンスキオーネの指示と戦う行商人ニシトモの奮闘によって直ぐに決着がついた。


「引きながら叩けよ、遠距離で」


 トンスキオーネが顔を歪めて銃口をこっちに向けていた。

 危なっかしいから指差す感覚で向けないでほしい。


「戦いの基本は相手の意表をつく」


「そうかよ」


「それに、見ろ」


 道から少し離れた場所には潜める場所が点在している。

 雑木林と言えばいいのだろうか。

 そこから敵対NPCを咥えたローヴォが姿を現した。


「……どっちにしろ先行して潜まれてたってことか」


 伏兵の確認のため、ローヴォを単独で行かせておいてよかった。


「やれんのかよ」


「本当に大丈夫ですか?」


「余裕で」


 ボスクラスが居ないようなので、早々に蹴りがつくはずだ。

 こちら側には、俺を含めて十六夜、ノーチェ、ローヴォ、ブルーノの人魔混合部隊がある。

 ノーチェにのった俺と十六夜はまさに戦車。

 突撃、近距離、遠距離、全てをこなす。

 そして、上空にはブルーノ、補助としてローヴォが付いている。


「お前ら突撃だ! 数の暴力で蹴散らしてやれ!」


『おおおおお!!!!!』


「エナジーブラスト」


 密になって押し寄せる敵に現時点で高威力の遠距離魔法をぶつける。

 十六夜は的確に馬の足を狙って矢を打ち込んでいく。

 ブルーノは夜空から奇襲し、遠距離攻撃でダメージを負ったマフィア達を落馬させていく。


 いいぞ、地味に損害を大きくしていけ。

 指揮系統に、あれこれまずいんじゃねって思わせたら勝ち。


「この! 死ねや! ああ!?」


 残像だ。

 ノーチェの特殊能力が遺憾なく発揮された。

 そして槍がわりに六尺棒で顔面を打ち付けて落馬させていく。


「ガッ!? ……ぐわぁっ!」


 落馬させたマフィアをノーチェは容赦なく踏みつけた。


「おい! 一騎相手に何やってんだ! 魔銃持ちはもっとよく狙えや!」


「あ、当たりません! それに上から風魔法が来ます!」


「ならあれ出せ! あれもってこい!」


「は、はひい!」


 カポレジームの怒号が響く。

 怒鳴られた下っ端は慌てふためきながら、後方で狙いを定めようと躍起になっている魔銃持ちのところへ向う。


「上役がバズーカを出せって話だ!」


「味方も巻き添えになるぞ!」


「知るか! 早くしろ俺が殺されちまう! それになりふり構ってらんねぇだろ!」


『うわああああああ!!』


「なんで棒切れであんなに人が飛ぶんだよ! おかしいだろ!」


 スペル・インパクトさまさまだな。

 ついでに所々でマナバーストを使用して弾きとばしまくる。


 エナジーブラストは詠唱時間が少しかかってしまうが、威力は申し分ない。

 マナバーストは攻撃力が上がる効果が切れるまで再使用出来ないが、スキル名を唱えるだけですぐに発動するので使い易い。


「させない」


 とりあえずバズーカはエナジーブラストより威力が高く。

 幸運補正がついていた俺の装備をぶっ壊したことがある。

 故に先に蹴散らして奪い取ってしまいたいものだが、敵も必死に防ぐ。


「へへっ、これさえあればーー」


 ドゴァッ!!!


 カポレジームの手にバズーカが運び込まれ、構えた瞬間。

 彼ら一帯を巻き込んだ爆発が起こった。


「ま、こんなもんだろ」


 トンスキオーネがバズーカを持ち葉巻を吹かして居た。

 メタボ野郎のくせにかっこいいじゃねぇか。

 その二重顎をタプタプしてやるぞ。


「やめろや! 殺すぞ!?」


「うふふ、柔らかそうですね」


「コンシリエーレよ。この女はやばい。いろんな裏稼業だってやってきたが、ここまで狂った黒い目をしたやつはなかなか居ない」





誤字脱字報告ありがとうございます。

後々修正したいと思います。






今のところ頑張ってストック貯めれてます。

ストック、貯めてますよ。

解放はしませんけど。

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