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 耳から血が!

 たくさん出ている!


 血糊が装備に付着すると、一定時間たって消える。

 だが実際の所、耐久性に大きなダメージが入る仕様だ。


 危機反応なのか、乗っている肩口に手のひらと棍棒が押し寄せる。

 とりあえず巨体から飛び降りて躱す。


 結果的に自分で自分をぶん殴った形になって此処一番のダメージが入っていた。

 アキレス腱断ち切った時よりダメージ入ってるのがなんとも言えない心境だ。


「ゴッ……ガ……」


 昏倒して倒れるサイクロプス。

 ……ラッキー?


 すぐにローヴォ達を呼び寄せて全員で叩いていく。

 弱点である目を叩くのは危険だ。

 大きな目をしているが、瞼が偉く固いことはグレイトコングとの戦いで知っている。

 反射で閉じられたら、簡単にチョンパされるぞ。


「テメェはどうする?」


「聴力を奪う」


「ああ、そゥ」


 なんだその反応。

 ローヴォは首元に頑張って牙を食い込ませ。

 ブリアンは俺が渡した一本銛で突いていた。


 俺も反対側に回るとすぐに鼓膜を貫いた。

 感触的に三半規管を破壊できたんじゃないだろうか。

 もっとも、自分で自分の頭を叩いて昏倒した状況。

 確認のしようが無い訳だ。


「ゴァ……ッ!!」


「寝てろ!」


 必死に起き上がろうと踠いているサイクロプスの顎に、三下さんは容赦なくブロッキングを叩き込む。

 捥がくって攻撃に入るんだろうか。

 どうやってタイミング見極めてるのか、すごく謎。

 弾けてるってことは、攻撃扱いになるんだろうな。


「ゴァァァ!!!」


「ブリアン! 飛び跳ねろ! 腹部でいい!」


 これだけ弱ってるならブリアンが飛んだり跳ねたりすれば十分ダメージになるはずだ。

 出血大サービスで石柱持たせておく。


「ハイブースト! フルポテンシャル! んだああ、もう一個くれだ!」


「え」


「ほら、はやくするだ!」


「あ、うん……はい石柱」


 ブリアンは気合一発、石柱を二つ担いだ。

 さすがの俺も、呆気にとられる展開だった。


「どっせいどっせい!」


 その上で飛び跳ねている。

 もちろん、サイクロプスは全く動けない状況。

 ゴリゴリとダメージが入っていく。


「……どォすんだよこれ。トランポリンじゃねェぞ?」


「仕留めるぞ。狙いは眼球だ」


「見て見ぬ振りすんじゃねェよ」


 俺はそのままサイクロプスの眼球に飛び込んだ!

 最大のネックだった瞼はどうなっている?

 悶絶の表情でカッと見開かれている。


 今がチャンスだ、刀を突き刺そう。

 すぐに反射でまぶたが閉じられる。


「いきなりすぎるんだよテメェはよ!」


 大きな眼球を踏みしめながら、三下さんが閉じるまぶたをぶん殴った。

 強制的に開かせるなんて三下さんは本当に極悪だな。

 そして強制的に開かされたもんだから、まぶたがブチブチ音を立てている。


 まあいいだろう。

 気にせず刀を突き刺し十字に切る。

 そこへ石柱をストレージからアポートする。


「ーーーーーーーーッッッ!?!?!?」


 ついには声にならない声を上げ始めた。

 意識を保っているあたり、サイクロプスの本来の耐久性が窺える。

 エンゴウの一撃でダメージを追ってなかったら、絶対の堅牢さを誇るだろう。


 だが現実は甘く無い。

 敗走をみすみす逃すと思ったか。


 かられたくなかったらプレイヤーが侵入禁止エリアみたいな?

 侵入禁止のシークレットエリアでも作っていろと言いたい。


「体液が汚ェ!」


「もう少しだ」


 サイクロプスのHPは残りごく僅か。

 ブリアンが大きく活躍し、弱点である目を貫けたのが良かった。

 目に突き刺さった石柱の上に登り、石柱ごとスペル・インパクトを叩き込む。

 サイクロプスは巨体を大きく震わせると、そのまま動かなくなった。


「終わったか」


「狩れちまったよおい……」


「動かなくなっただよ〜!」


 食らいついていたローヴォが戻ってきてから、サイクロプスのドロップを確認しよう。

 その前にレベルが上がっているかインフォメーションのチェックだ。




[プレイヤーのレベルが上がりました]

[契約モンスター:ローヴォのレベルが上がりました]

[契約モンスター:ノーチェのレベルが上がりました]

[契約NPC:コーサーのレベルが上がりました]




 さすがにトンスキオーネのレベルは上がらないか。

 あいつ一人でレベル90あるからな、しょうがない。

 スキルをチェックしていく。




プレイヤーネーム:ローレント

レベル:55

信用度:140

職業欄▽

[中級魔術師(無)]

[漁師]

[契約魔法師]


残存SP:30

ボーナスパラメーター▽

効果値:30

消費値:10

速度値:0

詠唱値:20

熟練値:30

見識値:30


ステータス▽

※※※第二弾アップデートから公開※※※


スキルツリー▽

【スラッシュ】Lv10

【スティング】Lv10

【マジックブースト】Lv1

【魔闘】Lv38

【エナジーショット】Lv30

【マジックエッジ】Lv1

【スペル・インパクト(P)】Lv38

【ナート・エクステンション】Lv28

【ナート・イクイップメント】Lv28

【アポート】LvMAX

・制限解除、無詠唱、ストレージ

【アスポート】Lv40

【契約魔法】Lv4

・空き契約数0

・[ローヴォ:バッドラックウルフ]

・[ノーチェ:ナイトメア]

・[コーサー:ボス]

・[トンスキオーネ:アンダーボス]

【投擲】Lv29

【掴み】Lv29


 


[エナジーショットのスキルレベルが上限に達しました]

[該当する上位スキルはエナジーブラストです]

[称号“魔法剣士”によってスキルツリーの選択先が追加されます]

[該当するスキルはマナバーストです]




 むっ!?

 派生スキルのようなものが出現した。

 説明を見る。




【エナジーブラスト】

無属性魔法スキル。無属性魔法の束を放射しぶつける。

確率で火傷のバッドステータスを与える。


【マナバースト】

無属性魔法スキル。全身から魔力を放出し攻撃力をあげる。

放出した魔力は確率で相手を吹き飛ばす。




 ……どっちも捨て難い。

 いや片方しかダメという理由はない。


 単純にスキルレベルが上がりづらくなることは確かだが、現状一〜二個増えた所で意味はないだろう。

 確率で吹き飛ばし単純攻撃力が上がるマナバースト。

 エナジーショットより高威力になり火傷のバッドステータスがつくエナジーブラスト。


 速攻どっちも取得した。

 後悔はしてない。




[契約モンスター:ノーチェがクラスチェンジレベルに到達しました。クラスチェンジ先を指定してください]




 怒涛の勢いだな!!

 ノーチェはテンバータウンにおいてきている。

 戻ってからクラスチェンジさせよう。



※※※報告※※※

211話から登場した巨大なゴリラさんの名前をグレイトコングに変更しております。

考えてみれば、メスなのにキングなのはおかしい話なもので。

ついでに言いますとクイーンにしても、ちょっとネタバレというか。あれだったので。







あとがき小話(読み飛ばして結構です〜)


ついにノーチェが次のクラスチェンジへと至りました!

長かった……、コーサーはテメェはまだそのままだ。

約二週間ぶりくらいに書き進めていますので、所々どうだっけという部分があり、ビクつきながら書いてます。


そして狂乱してしまう出来事その一。

感想欄が無駄に800件になってました。

いや、本当に活動報告でもコメントくださる方や、感想をくださる方。

全て読ませていただいてます。

正直お言葉をいただけて、飛び上がるほど嬉しいです。

今後ともよろしくお願いします。


そして狂乱報告その二。

活動報告をごらんください。




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