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昨日更新できなくて申し訳ない!



 グレイトコングがなかなかいい動きをしている。

 サイクロプスとの体格差を帳消しにするようなアクロバティックな動きで翻弄している。


 対する巨体のサイクロプスはかなり愚鈍な動きだ。

 これには拍子抜けといったところ。

 グレイトコングの動きにまるでついていけてないじゃないか。

 一つ目巨人もう少し頑張れよ。


「俺の目には決定打がねェように見えるぜ?」


 三下さんがあぐらをかいてお茶を飲みながらそう言った。

 そう、巨人族の奴ら。

 その肌質がまるで岩のように固いのだ。

 だからこそ、動きの制限があるのかもしれないが。


「サイクロックスって石から生まれでるだっぺ? 不思議な生態だっぺよ〜?」


「フィクションの世界で何言ってんだこいつゥ?」


「何言ってるだ、植物が育つ、物が動く、生命がいる。これすなわち現実だべ?」


「RIO社のゲームさまさまだってことかァ? くだらねぇ、超生命体でもなきゃ俺らはとっくにお陀仏だァ」


「すっだらおら達、その超生命体ってやつでねが?」


「もゥ会話疲れた」


 ゲームだが、俺はもちろん現実的な意味合いでやってるよ。

 フィクションだと理解したら、世の中フィクションだらけになる。


「おい、なんでお前は何も言わねェ」


「現実は小説より奇なり」


「オイ?」


 そんなことを話している間に動きがあった。

 いくら捕捉されない動きを行なっていても。

 効いてなければ意味がない。

 当たらなければ意味がないと、効かなければ意味がないの勝負と言える。


 軍配は?

 いったいどちらに上がると思う?


 サイクロプスだろうな。

 自然界はうんぬん、それは覆ることは絶対ない。

 相手が弱っているというラッキーが起こらない限りな。


「ローレント、お前みたいに弱点狙えば勝てるんじゃねェか?」


「ライオンが狩りをする時、バッファローのどこを狙う?」


「背中、首?」


「虎が狩りをする時は?」


「首元だよな」


「すべての肉食動物が同じ箇所を狙う」


「ああ、そうかィ」


 三下さんも納得しているようだ。

 スポーツマンシップなんか人間が作った言葉だ。

 常に急所、常に必殺の場所を狙うのが自然界の掟だと言える。

 そこに文句をいう者はいない。


 生きていけない者を助けると自分が死にかねない。

 たとえ自らの子供でも。

 障害を持って生まれていれば、その場で殺してしまうのが常識。


「だが、運というものはどんなやつにも平等だ」


「お前がそれ言う?」


 てへ。でもあくまで相手の防御を超えたり。

 当たりどころが良かったり、ドロップが良かったり。

 あとは相手のダメージが俺に通らなかったり。

 システム的な補助だろうと思っていたが……。


 改めて考えるとかなり恩恵ある。

 びっくりだあ。


「スピード重視は、一撃必殺の何かを持っていないと消耗するだけで終わる」


 それだけで分の悪さというものが際立つようだ。


「目を狙うのはどうだべよ? ローレンドさみたいに!」


 ブリアンがそう言った。

 確かに、秘宗の一つをつき崩すのは圧倒的な差を覆すための要素となる。

 それをモンスターが知っているのかねと言ったところ。

 戦闘に長けた猿種ならば……とは思うが。


「目なんか条件反射で躱せるんだよな」


 誰でも。

 オーソドックスに目を狙うは素晴らしい戦略だ。

 だが、的が小さいから圧倒的技術差がないと当たらない。

 現に、グレイトコングの目潰しを、サイクロプスは首を振って避けている。


「俺は顔面えぐられたけどな?」


 闘技大会の時か。

 てへ、アレは実力がどれを取っても三下さんが俺に及ばないだけ。

 フェイントだって使ってるから、そう簡単には避けれんよ。


「そうかァ……」


「あれはえぐかったっぺよ?」


「そうか……?」


 普通だろ。

 さて、以下のことから常識を覆すような技術は持っていない。

 仕込まれているとしてそれはただのプロ程度。

 武道の達人というものはお金ではない、ただ強くなる。

 それを志して生きることで、年の衰えなんか一切存在しない。

 スポーツで衰えている奴らは、単純に金でしか見てない。

 天才ではなく金のための秀才ってことだ。


「意味わっかんねェ」


「三下さんにはいずれじっくりと教えてやる」


「ああ? 意味わかんねェっつってんだろ」


「ローレンドさ、おらにも」


 ブリアンは農業してろ。

 と、いい突っぱねたいところであるが。

 狩りも行きずり、旅も行きずり、そして修行も行きずりだ。


「そんなことより、ローレントてめェ、何が素材本来の味だ、調味料は絶対あったほうがいいだろォが!」


「ん?」


「コゲ肉食わせやがって! サバイバルでも最低限必要な水、塩、食料くらい持ってくだろォ!?」


「そんなもの本当のサバイバルとは言わん」


「うるせェ! お前の常識で語んなッ!」


 そんなところで、戦況が大きく動いた。

 レギオンコングとレッサーサイクロプスの戦いは実に泥臭いものだった。

 殴り殴られ殺し殺され。

 だがその戦いも、怪獣大戦争の前には霞んでしまう。


 サイクロプスが首を鳴らして吠えた。

 それにレギオンコングの動きが止まりかける。

 だが、グレイトコングも相対して咆哮を上げることで持ち直す。


 手に持たれていた巨大な棍棒がついに振り下ろされる。

 いままで舐めプでもしていたというのか。

 思ったより早い巨人の一撃を、グレイトコングはすんでのところでかわしていた。


「いい選択だ」


「腕でガードするか迷ってたよなァ?」


 ガードごと潰されていただろう。

 受けたら腕をへし折られ頭が体に埋まってしまうほどの一撃。

 個体差というものがここで出てきていた。

 サイクロプスが今動き出したのも……グレイトコングがいよいよ消耗してきたからだった。









怪獣大戦争でした。

グレイトコング、劣勢になってきました。

ゴリラ系は某プロレスラーをイメージしています。



それから察するに。

グレイトコングとか猿系の攻撃方法は、だいたいプロレスみたいな技が主でした。

あまり描写しても意味不明だろうということで、詳しく書いてませんが。

基本的に猿どもの戦いは、プロレスみたいな戦い方です。


とだけ捕捉しておきます!笑

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