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 つまるところ、誰がアラドの豪邸を管理するという問題。

 パトリシアとラパトーラが専属メイド兼任すると言いだした。


 そうまでして手放したくないのか。

 豪邸にあるものを漁ってみると、出てくる出てくるいろんな装備。


 アラドは農耕都市と呼ばれるだけあって、広大な農地が広がっている。

 兼ねて、メッセージにて色々な個人依頼を受ける中。

 大抵無視とか先送りにする中で、丁度ブリアンから新しい種やら苗木があれば教えてほしいという依頼があったのを覚えて居た。


 興味ないことなんかすぐ頭の中から消去してしまうのだが、ブリアンは良い奴なので覚えて居た。

 お互い一次産業同士だからっていうのもあるね。


「お主も、鬼じゃのう。別荘じゃダメなのか?」


「俺、転移使えないんで」


「それもそうか。で、お願いってなんじゃ?」


「この家の調度品、装備、諸々全て預かっててもらえないですか?」


「ちょ! スティーブン! そんなことしたらあたしゃ承知しないよ!?」


 慌てるパトリシア。

 ふはは、路頭に迷ってしまえ。


 今この家の所有権は俺にある。

 そして家の中にある彼女たちが携帯して居なかったアイテムの所有権。

 それもまた、俺に属するということだ。


「こんな家、いらん」


「!?」


「弟子の言うことは聞いてやるのが師匠じゃしな、心得た」


「!?」


 身ぐるみを剥がした訳ではないし、ちゃんとラパトーラにも服をあげたんだ。

 かなり優しい部類に入ると思うんだけどなあ。


 さて、そして荷物は全てスティーブンが回収し。

 そのまま家と土地だけになった豪邸は売り払った。

 速攻で売れたよ。

 四元素の大魔法使いが使ってた家だからね。


 そしてアラドの商会をちょいちょい歩き回った。

 みんなが手作業で農業してる訳ではない。

 都市という括りなのだ、耕運機やら魔導トラクターが置いてある。


 さすがアラド!

 美味しいものを提供してくれるブリアン、サイゼ、ミアンに乾杯。

 この三人の依頼が一気に終わりつつ。


 街の開拓や食料自給率のクエストを行うレイラの依頼も解決する。

 報酬は?

 信頼度で!!


 ふはは、スティーブン。

 失った信頼度なんかな、NPCではなくプレイヤーから回収できるんだよ!


「おお!」


「なんじゃ?」


 トラクターや耕運機、トレーラーなどを見ていると。

 米の種籾を発見した。

 確か、米はまだない。

 誰しもが切望する米。


 これは、大量買して持って帰る価値があるじゃないか。

 買おう、即買おう。


「ほう、米が好きなのか?」


「プレイヤーはみんな好きです」


「ならば炊飯器も買っていこうかのう、ツクヨイも食べるじゃろうて」


 それはずるい。

 一刻も早く信用度をあげて、俺もログインしたら毎日米食べたい。


 そしてお金を湯水のごとく使い。

 魔導トラクターを二台、魔導耕運機を三台、魔導トレーラーを一台。

 そして種籾と米俵を数個買って見た。

 信用度が低いせいでかなり割高になって居たが、あぶく銭なので良しとしよう。


 何よりも運搬費用が高かったね。

 はやくて一週間かかるってどう言う事だよ。


 保険もかけときますか?

 と、言われて。


 最初は迷ったのだが、盗賊被害にあった際。

 確率によりアイテムを損失してしまうことがあるそうだ。

 高い保険をかけておけばほとんどの割合でそれを回避できるとのこと。

 まあ、あぶく銭だから良いってことよ。


 よし、ブリアンとレイラあたりにはメッセージでも送っておこう。

 ええと、対価は信用度でオッケー。


 レイラはブリアンに開拓報酬として信用度もしくはグロウを渡し。

 俺はブリアンから信用度を百もらう。

 分割でくれても良いけど、愚直に農耕してるんだ。

 彼女であれば、くれるはず。


 我ながら良い信用度錬金術だと思う。

 あぶく銭、結構です。

 信用度で残りますので。


 ちなみに信用度が無いおかげで豪邸の代金はだいぶ足元を見られた。

 そしてトラクターなどの購入台も足元を見られた。

 だが、パトリシアの豪邸だけあってそこそこの値打ちになる。

 税金とやらを持って行かれても手元に五千万グロウが残った。


 トラクターがバカ高い、千五百万グロウ。

 これは一台分の値段だ。

 次にトレーラーは、一千万グロウ。

 残りの一千万で、耕運機三台と種籾と米俵を購入したのだった。


 ちなみに全部保険料込みのお値段ね。

 高い買い物だが、これで農地開拓が進むだろう。

 緊急レイドクエストが終わって、街も広くなったことだしね。


 スティーブンのテレポートで戻してもらう。

 テージシティではなく、今回はテンバーに直で戻してもらった。

 どうせなら、農機も運んで欲しかったのだが、それとこれとは話が別だと言う。


 これにて信用度問題は解決といったところ。

 幸いにして、三下さんとドキドキキャンプだ。

 転移門を使って石山に行くよりも、二人でモンスターを倒しながら山を登った方がいいだろう。

 楽しみがいもあると言うものだ。


「おせェ」


「すまん」


 第一拠点のサイゼミアンへ行くと、飯を大量に食べて暇をつぶして居た三下さんが居た。


「ローレントさん! 珍しいですね!」


 ミアンがパタパタとお盆を持って寄ってきて、声を聞いたサイゼもわらわらと厨房から姿を現した。


「待ち合わせしてた」


「ここは俺の奢りだァ、調理長なんか精のつくものを頼むゥ」


「はいかしこまりました! 肉でいいですか?」


「うん、それで」


 時系列的にはあまり時間経ってないが。

 ログイン時間的に内容が濃い一日でもあった。

 なぜだろう、サイゼとミアン。

 そして三下さんが懐かしく思える。


「はい、お待ちどうさまです!」


「ども」


 飯がきたぞー!

 飯を待ちながら様変わりした第一拠点の様子を見て居たんだけども。


 NPCがだいぶ増えたように思える。

 プレイヤーの数の方がまだまだ多いのだが、それでも目覚ましい発展を遂げている。

 サイゼミアンが存在する場所はある意味かなりいい立地だったりする。

 エリアボスのクエストが受けれる碑石があり。

 そして露天商が並ぶ露天公園が目の前にある。

 イベントごとでは結構賑わうそうだ。


「なんだ? 気持ちわりィ顔して」


 飯を食べながら、そんな事を思っていると三下さんが訝しげな視線をする。

 顔に出て居たか……。


「まだ更地だった頃から知ってたからな」


「ああ、まあ俺は第二陣だけどよォ、その時もまだ更地だったから知ってるぜ」


 お互い口を揃えて、


「「変わったよなぁ(ァ)」」


 感慨深いものがあるんだ。

 例えゲームの世界だとしてもね。

 さて、トイレ休憩を一時挟み。

 三下さんとともにキャンプがスタートする。








思わぬところで、信用度の価値が決まった瞬間でした。

某ゲームでありました。

人気度の売買です笑

まさしくそれになります。

後々尾を引く問題に発展して行きそうですが、マナーの悪いプレイヤーっていうのにあまりスポットを当てて居ないので、話に出てくるか、出てこないかは謎になります。



そしてついに昨日総合評価30000PTを達成しました!

これも皆さんのおかげです!

前作テラ神父では2万ポイント!

今作にてついに3万を獲得することができましたね!

嬉しいです!

モチベ上がります!!!




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