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 トンスキオーネをボコボコにしてから、そのままトンスキオーネファミリーは、コーサーファミリーの傘下となる。

 シークレットエリアのクリア報酬というものが、それだった。

 ボスを倒すのではなく従えるということで、報酬の切り替わりが起こったというのだ。

 珍しくコーサーがNPCらしく語っていた気がする。


 騎士団に突き出されればマフィアは一挙に検挙され、そして一切合切消えたシマの奪い合いが起こる。

 そこに騎士団とか領主の介入は?

 なんて思っていたが、バランス的に起こりえないということだ。

 スラムはスラムらしく残しておくことで、人口維持に使えると。


 ボスであるコーサーの下には、トンスキオーネがアンダーボスの座に就任。

 そしてコーサーの経験値をいただいていたベスタとワルドが急激に成長。

 ソルジャーエリートとして、コーサーの両脇に並ぶ。

 うむ、腹心的な感じだな。


 彼らの筋はいい。

 子供の頃から育ててきている分、洗脳がすごいというか。

 俺の実力に慣れきっていて他がクソみたいな感覚になっていた。


「おい、俺はお前の下につくがこいつの下には」


「表と裏だ」


「あ?」


 立て直しが行われている元トンスキオーネファミリーの豪華なソファに座る。

 ってかトンスキオーネって名前長すぎ、付け替えたい。


「トン、お前が裏」


「ああ!? それは俺の名前か? ナマ言ってんじゃねぇぞ」


「長すぎる。もうトンスキオーネファミリーはない、改名しろ」


「はあ? くっ、逆らえねぇ。愛称ってことで許してやる、だが、裏を任されるならトンスキオーネの名前は弱小組織に利くから使わせてもらう」


 俺としてはそれでも構わなかった。

 わざわざ裏と表で分けたのは、マフィアにはそれぞれ顔というものがある。

 日本のヤクザ、チャイニーズマフィア、その他カルテル然り。

 各方面に様々な顔を持つ。


 特に中国なんかは武門界とマフィアなんか密接に関わっていたりする。

 本物のプロは素手の方が銃よりも足がつかない。

 どうやったって不可能だってことが可能な奴がうようよいる世界だからな。

 刺客という名の下にどんどん容赦ない輩を送り込んでくるのだよ。


「コーサーには無理だ」


「あの腰抜けボスか? まあそうだろうな、俺にどうしろっていうんだ?」


 もともとチンピラにしかすぎなかったコーサーは、戦い以外の部分を教えるのは無理だ。

 そして、ある程度の優しさは持ち合わせているが、非常になりきれないところがある。

 そこで、いっそのこと裏と表を切り離すというか。

 後ろ暗いところはこのトンスキオーネにやらせることにしたのだった。


「面倒なことは全てやってもらう」


「……コーサーファミリーの名目でか?」


「そうだ。傘下に加わったことにしたら丸く収まる」


「ちっ」


 舌打ちをするトン氏。

 クソ豚が、お前のそのでっぷりした脂肪を一つ一つ削ぎ落としてやろうか。

 もう二、三回ほど心をへし折ってやろうかというところで、トンスキオーネが両手を挙げた。


「仕方ねえ、お前の強さは圧倒的だ。それこそ、上層にのさばるクソ共に対抗できるほどにな」


 そしてどこに隠し持っていたのか、懐から紙束を取り出すと俺に何枚か見せてきた。

 そこにはなぜかニシトモの名前も乗っていたのだった。


「表にいい面下げた裏の人間が、テンバータウンに向けて大きく進路を取り始めている。もっとも、その流れに乗って俺も大きく稼がせて貰うつもりだったんだけどな」


「何が言いたいんだ。まさか交渉か?」


「はっ、ちげぇよ。俺様の契約主にお願いご用立てさせてもらってんのさ」


 その割には、態度がでかいと思うが……。

 あいにく俺はそんな奴が嫌いじゃない。

 商売とかそういうのには疎い俺にないものをこのトンスキオーネは持っているようだ。


「大物が、このニシトモって奴に目をつけている。こいつはテンバータウンでなかなか強烈なコネを持ってやがる」


 リストに載った名前を指で叩き、葉巻を吹かしながらトンスキオーネは語る。


「ノークタウンとテージシティの間にのさばる盗賊共を蹴散らして、貴族との繋がりを持った。そして災害から立ち直り、今豊富な資源が一番溢れているテンバー出身の商人で一番やり手の奴だ。復興から騎士団も手を引いた今、そろそろ大物がこいつに声をかけるところだろうって俺は踏んでるんだが……相談役、お前にその大物からこいつを掠め取ることはできるか? できたらなんでも手を貸してやるよ」


「クク」


 どうやら無理難題を押し付けて、俺を困らせようという気らしい。

 さて、ニシトモには黙って済ませるつもりだったのだが……。

 なんとも商業プレイヤーはテージシティまでくると裏の世界から正体がくる仕組みになっているのか。

 すごいゲームだな、楽しみ方無限大だ。


「何がおかしい。てめぇに出来んのか? 新たなる波に乗れる力を持つ行商たちをヘッドハンティングする時代、このニシトモとかいうふざけた名前の男は、大量の魔物素材、大量の鉄鋼素材、大量の錬金素材、それにテンバーとノークを繋ぐ水運を復活させて運営している。できなかったらそれまでの男だってことで覚えとくぜ」


 トンスキオーネはそういってすごんだ後、煙を大きく吐き出した。


「なんでも手を貸すのか?」


「できたらな? ……けっ」


「いいだろう。ニシトモは俺と専属契約を結ぶ商人だ」


「……なに?」


 眉毛だけ動かして平然を保っているつもりかトンスキオーネ。


「魔物素材、鉄鋼素材、錬金素材、全ては俺が流している。そして水運の船の機動部は俺が金を出してるし、利権も知らんうちに持たされてる」


 第一拠点で急遽発足した漁業の金出し役に、なぜか俺の名前が記載されていたりする。

 マルタとミツバシのせいだ。

 なんか、どうせ面倒なことやらないなら金だけだせとのこと。

 個人的にそれで済むなら俺は魔物やマフィアを狩るだけだからいいんだけどね。


「……なんなんだてめぇ。もしかして盗賊もか?」


「そうだ。ドン・ラバードだったかな、殺した」


「ああ、あの山の中に篭ってちまちまやってた野郎か……クッハッハ!! なるほど、俺様の相談役はすげぇな。暴力以前にすでに解決してたってことか。どんな相談役だよまったく」


 トンスキオーネは贅肉を揺らしながら立ち上がった。

 そして葉巻を俺に渡してくる。


「俺の屋号みてぇなもんだ、持ってろよ」


「あ、そうだ。まて」


「なんだよ、こっちは色々と動き始めようってんだぞ?」


 ついでに渡しておくものがあった。

 錬金で作成された地金だ。

 正規のルートでは売れない代物であるそれを有効に使える人物。

 契約してよかったトンスキオーネ。


「夢でも見てるみたいだぜ、こんなものまであるなんてな」


「欲しいものがあったらなんでも言え」


「他にはどんなコネクションがあるのか聞かせろ。いや、今度俺をテンバーまで連れて行け、俺様自身の目で見て判断してやる」


 いいだろう。

 アンジェリックを媒介に、ノークタウンのケンドリック陣営にこいつを送り込んだらどうなるんだろうな。


 アンジェリックに寄生されかかっている俺だが、そう簡単には乗っ取られんぞ!

 むしろ逆に手籠めにするのだ。


 あ、いや。

 ヤラシイ意味じゃなくてね?


 とりあえず、裏の商いごとには乗り気だったアンジェリックにコーサーを任せておこう。

 トン氏にもそっちを任せておけばなんだかんだ上手い具合にことが運ぶかな?

 とりあえずニシトモにメッセージを送っておこう。









誤字脱字申し訳有りません。

スピードダウンしてしまうと1日一回更新ができないもので、ご容赦ください。

でも感想欄にてご報告してくださっているかた。

保存して時間が取れたら直そうと思っていますので、ありがとうございます!



---

トンちゃん「てめぇに出来んのか!? 大物が狙ってんだぞ!? おお!?」


ローレント「友達だから、ついでに専属契約してるっていうか俺の素材ででかくなってるからこいつ。あと水運と俺のだし、大量の黒鉄とか俺が持ってきたし、魔物も俺が全部ながしてるし、盗賊倒したのも俺」


トンちゃん「TUEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!」


ローレント「これが廃人、これが本当のおれつええ」

---



色々繋がってきました。

次で二百話ですね。

ついに二百の大台に載ってしまうんですね。

70万文字くらいで、あと400ポイントで3万です。




あとがき小話(読まなくても飛ばしていいです!!!)


この辺のマフィアは、漫画知識でやりくりしてます。

このゲームの設定資料は自身の持つ漫画とみんなのうぃきぺであさんですね。

子供の頃からずっと好きなシリーズというか。

割と古い漫画が好きなんですけど。

しってます?

コータローまかりと○るって漫画。



そしてツギクルのファン投票なんとか一位です。(油断はできませんが)

皆様のおかげです。頑張って更新できてます。

投票は明日までなので、是非お願いします。


↓ツギクルの奴もよろしければ、是非とも、応援ぽちぽちお願いします。

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