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 これまでに無い強大な敵が出てきました。

 さて、あなたはどうする?

 俺なら戦う。

 両手両足なくなっても喰らい付く。


 嘘です。

 できるだけ相手に完勝するために頑張るよね。

 集団戦で味方が足を引っ張る場合はどう戦う。

 それが問題だ。


 俺や、三下さんならば集団戦は得意中の得意。

 むしろ“ひとりでれるもん”勢だから……うん。


「ローヴォはコーサー達を頼むな」


「ウォン!」


 バッドラックウルフよ、見せてくれその真髄を。

 悪運の瞳とやらがどう作用するかわからないが、並みのソルジャー達ならば大丈夫だろう。

 コーサーも、アンジェリックも。

 対モンスターではなく対人戦での戦い方を見せてきた。

 今こそ、その真価が問われる時だ。


「うへぁああ!? 一気に不利みたいですよコンシリエーレ!」


 おいコーサー。

 ボスはもっとどっしり構えておくものだろうが。

 何をやってるんだコーサー。

 トンスキオーネを見てみろ、でっぷりしてもくもくと葉巻の煙を嗜んでいるだろう。


 この状況でだぞ?

 お前もボスなら、どっしり構えとくんだ。

 でも太るなよ、鈍るから。

 体格に勝る方が自然界では強いというが、それを肥えると勘違いする輩が多い。

 もともと恵体なんだよ、でかい動物って。


「お? てめぇはボスじゃ無いのか?」


「ああ」


「相談役で、これだけうちの奴らを相手取るとはな……カッカッカ!」


 トンスキオーネが笑い始めた。


「てめぇ、うちにこねぇか? 高待遇で相談役として雇ってやる。カッカッカ! 戦う相談役なんたぁ、なかなかいねぇ! うちに足りねぇ要素はこれだよ。威力暴圧で交渉なんざ交渉になりえねぇ、奪うだけさ……クカカカ!」


 そして葉巻を大きく吹かすと、ジャキッと銃口を俺に向けて言った。


「選べ。死ぬか生きるかだ」


 もちろん生きる方を選ぶ。

 それはトンスキオーネに隷属し、戦う交渉人として生きていくことを指すのだろうか。

 いや、相手を殺してでも生きる方を選ぶね。

 だがしかし、この場面で交渉を挟んでくるとは、トンスキオーネのどこが中堅マフィアだ?


 なんというか嫌いになれない相手だ。

 ここで殺してしまうには実に惜しい。

 むしろ、どっしりを構えた様子はなかなかにボスとして機能していた。

 コーサーももっと見習えよ。

 俺はマフィアの掟なんか知らんし教えることもできないが……。

 トンスキオーネならば指南役としてちょうどいいかもしれない。


 なら、どうする?

 簡単な話だ。

 ローヴォがクラスチェンジして、契約魔法に一つ空きができている。

 結んじゃいましょう。




[契約対象の心が折れていませんので、契約不可です]




 こうなることはわかっていた。

 だからこそ、俺もトンスキオーネと交渉をするのだ。


「俺に勝てば従ってやる。負ければ俺に従え」


「はっ! とことん気に入ったぜ軍服野郎。ちなみに俺の兵力はここにいる全員だ。それはくつがえらねぇ、お前はどうするんだ? 無謀にも犬死するか?」


「一人で十分かな」


「いいだろう、女子供は今見逃してやる。そこのボスガキも帰ってママのおっぱいでもしゃぶってるんだな」


「なっ!? バカにしやがって!!」


「コーサー! アンジェリック! 空気読め」


 正直ローヴォ以外は、この場に居られると邪魔なんだよな。

 素直に帰っていただくとありがたい。

 ローヴォにはコーサーの服を咥えてでも連れて帰らせる。


「コーサー、引き返しますわよ? ローレント様の実力は証明済み。私たちでは足手まといということでしょう」


「くっ! でもコンシリエーレ! 私はボスです!」


「ガァウ」


「ちょ、押さないで!」


「コーサー、足手まといだと言っているのです。行きますわよ?」


「そ、そんな!」


 そうだ、コーサー。

 今のままではトンスキオーネを奪っても、上層マフィア相手にすぐ消されるだろう。

 まあ契約モンスターだからずっと死ぬわけでは無いだろうが……。

 俺では戦闘以外のことを教えるには手に余る。

 アンジェリックだけでも限界があるだろう。


 ただ一つ、強くなれ。

 俺からはそれだけだ。


「さあ、スタートの合図はどうするか?」


「もう始まってるんだろ?」


「勘も良さげだな、クカカ」


 既にカポレジーム達が銃を構えて、ソルジャーエリート達も武装を整えて居た。

 四面楚歌というやつか。

 そしてスタートを待たず、既に戦いは始まっている。

 よくある状況だよな。


 だいたいそんなことを予想できないと思うたか。

 トンスキオーネ、お前とは戦歴が大きく違うのだ。


「蜂の巣にして切りきざめ」


 パンパンパンパンパン!!!!


「うおおおおおおおオオ!!!」


「俺らはトンスキオーネファミリーだあああああ!!!」


 大量の発砲音とそして襲いくるマフィア達。

 邪気と幻惑は、もう効かなそうに無いな。

 ボスのスキルなのか?

 手下の士気を上昇させるのって。


 スペル・インパクトを発動させる。

 まず銃弾ではなくて魔法の銃弾だってことで、魔法使いの俺には効きが甘い。

 そしてスペル・インパクトは衝撃によって魔力を打ち消す性質を持つ。

 これはエナジーショック時代からの副次効果だな。


「残念ながら蜂の巣にはならんよ」


 いかん、楽しくなってきて思わずにやけてしまった。

 MPは?

 まだ残ってるから、ここは出し惜しみせず行こう。


 後ろに石柱を引き寄せる。

 そして後ろ蹴りスペル・インパクトで、石柱を吹き飛ばす。

 浮いてる一瞬なら摩擦も少なくそこそこ飛ぶ。


「うわああああ!?!?」


「こいつは石柱を飛ばしてくるぞ!」


 ん?

 思考のリセットでも入ってんのか?

 石柱なんぞ、ここにきた時からバンバン使ってたろうに。


「お前ら! 落ち着いて対処しろ! 相手は一人だ!」


「は、はい!!」


 命令されたカポレジームが、ソルジャーエリートに指示をする。


「お前、これで勝てばそのままアンダーボスにしてやる」


 トンスキオーネはそうやってカポレジームの頭に手を当てた。

 すると、なんとカポレジームがかっちりスーツを身につけたアンダーボスっぽい仕様に変わったのである。

 ええ、クラスチェンジするんじゃ無いの?

 何かしらの条件があるのかな?


「特別にこれを使わせてやる」


「おお、魔導砲ですか! ありがとうございます!」


 バズーカ砲じゃないか。

 なんでそんなものがあるんだよ。

 なんでもありかこのゲーム。

 ……なんでもありっぽいんだよなぁ実際。


「死ねやああああ!!!」


 雑魚の総攻撃を受けている横っ面から、思いっきりぶっぱなされた。

 思わず石柱をストレージからアポートして、盾に使う。


 ズガンッ!!!!!!


 激しい轟音とともにとんでもないパワーで石柱が吹っ飛んできた。

 俺がやったことをやり返された感じだな。

 スペル・インパクトで対抗するのもありだが、ここはなんとか受け流す。

 そして、残念なことに、その一撃で装備【戦闘服(上)】と【戦闘帽】が壊れてしまった。


 地味にショック。

 っていうか、セレクがせっかく作ってくれた装備になんてことをするんだ……。


「いい服着てるじゃねーか。まあこれから着るのはスーツになるんだがな? クカカ!」


 ちくしょう、やりやがったな。

 HPも結構削られたし、あのバズーカはかなり危ない。


 …………。

 ……潰す。




書いてましたら結構間延びしてしまいました。

一話で完結できずに会えなく二話に。

どんだけ長くマフィア回やっとんだ!ってなりますね。

さて、今度こそ次でマフィア回終了になります。

色々フラグ立ってます。

そして、マフィア回が終わったら一度掲示板回挟みたいと思います。


あと出して欲しいヒロインなどいましたら感想欄などにぽちぽち記載お願いします。

ヒロインっぽいキャラおさらい。


ツクヨイ……中二病闇魔法使いキャラクター。錬金術師。ぶらっくぷれいやぁ。ちんちくりん黒髪ショート。

十六夜……最恐のストーカー。狩り人で弓使い。金髪エルフっぽい顔。

十八豪……某ドラゴ○ボールの金髪人造人間そっくりの女。ローレントみたいな戦闘スタイル。酒豪。

アルジャーノ……涼宮ハルヒ○憂鬱に出てくる宇宙人みたいなキャラメイク。光魔法使い。

セレク……ローレントの専属装備職人其の二(其の一はガストン)。切れ目美人の強気キャラだが生産職。




ピンチヒッター・ブリアン……ローレント的に害が少ないため漁業と農業のつながりで地味に交流が深い、というかノーチェの餌やりとか世話をやってもらっていたりする(作中には無いが)。キャラクターメイクは二メートルを超える巨乙女。そしてすごい訛り口調だが、実は農家の一人娘で快活でそして中の人はかなり美人との噂(レイラ、十六夜がリア友っぽい?)




あとがき小話(飛ばしても結構です)


給料日でした。

わくわくどきどき、そして肉を食いに行くのです。



↓あとツギクルの奴もよろしければ、是非とも、応援ぽちぽちお願いします。

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