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 ピックポケット相手に何やってるんだあいつら。

 下水の中から見ていた感想なんだけど、とりあえず面倒な効果を引かれて邪気が消されたみたいだ。


 さて、これじゃいくら下水に入っていても意味ないな。

 ソルジャーを置き去りにカポレジームに接近し、下水の中から目の前にでる。


「わっ、汚いですねぇ!?」


 麻薬の方が汚いぞ。

 引き摺り込んでやる。


 襟首を持ちながら下水に引き摺り込んで首を切り落としにかかるが、発砲音が三回。

 腹部に大きな衝撃があった。


「私が下水を苦手としているとでも思ってたんですかねぇ? ええまあ、ボスの方が怖いですからねぇ?」


 と、言いながら水面へ、下水の横の道へと登っていく。

 あの状況で三発撃てるってなかなかやるじゃないか。

 HPは?

 あと半分といったところ。


 土手っ腹に穴が空いてないだけマシだと思っておくか。

 カポレジームを追って俺も通路へ上がっていく。

 とりあえずHP回復ポーションをストレージから取り出して頭からかぶる。


「何もないところから……不思議な技ですねぇ」


「カートマジック! ナンバースペードのキング! ハハッ、来てるぜ、全員の物理攻撃力アップだ!」


「うおおお! そんなところにいやがったか! ストリング! ハイブースト!」


 再び悪鬼ノ刀を抜いて、幻惑と共に邪気を解放する。

 だが、彼らに変化はない。

 カードマジックのクイーンが効いてるのか?

 それとも二度目の発動は時間を置いてからなのか?


 ならば、武器を変えよう。

 アドバンテージが取れそうな武器といえば、剣ではなく六尺棒。

 リーチが長いからだ。


「そろそろ死ねや!」


「ふふふ、ではさようなら」


 後ろと前から銃と剣が襲いかかってくる。

 腰を折って背中に六尺棒を這わせる。

 そして後ろで銃を構えていたカポレジームの手を打つ。


「なっ!? 目が緑にっ!?」


 弾き飛ばされた銃は、もらえるのかな?

 とりあえずバックステップで後ろ蹴り。


「わぶっ!?」


 カポレジームは下水に突き落としておいた。

 目の前から剣が振り下ろされるが、首を振ってスレスレで避ける。

 勢いよく振り抜きすぎて、地面を打ち付けたソルジャー。

 腕が痺れてるけど大丈夫か?


 バク転、そして転がった銃を拾って見た。

 無事に拾えたそしてとりあえず撃ってみよう?


 パンパンッ!

 風魔法で石は射出されなかったけれど。

 明らかにエナジーショットのようなものが飛んでいった。

 いや、もっと早い速度だった。

 どういうことおだろう?


「ぐわっ!? な、あ……」


 体に風穴を開けられたと思っているのだろうが、大丈夫だぞ?

 普通に魔法攻撃っぽいし。


 一応見て見ましょう。

 あ、その前に下水から上がってくるカポレジームの手を踏みしめておく。


「ぐぎゃぁっ!? や、やめろ、足を離しなさい!!」


 そのまま下水に落ちとけ。

 頭を蹴ると首が折れる感触が伝わって来た。




【魔銃】製作者:???

ノータイムで魔法を射出する。

射出できる魔法属性は二種類まで。

二種類以下の属性所持者は自動でスロット入。

・攻撃:ボーナスパラメーター値依存

・属性:【無属性】【無し】

・耐久:Lv1

・耐久:42/100




 なんと、詠唱いらないの!

 大まかなスキルを指定できないからボーナスパラメーターの値で意力計算されるのかね?

 俺のボーナスパラメーター速度値とか全く振ってない0なんだけど。

 それでも良い速さで撃てるぞこれ。


「ひいいい!?」


 俺が引き金を引けばソルジャーが踊る。

 とりあえずアイテムボックスに入れておく。

 弾機銛とどっちが良いかな?

 どっちも射出するっていう意味合いではねぇ、便利だけど。

 接近戦が主だからあんまり使い道ないな。


 さて、倒しきったわけだが、ドロップはいいものなかった。

 この魔銃がカポレジームのドロップ扱いだったのか。

 下水の中にカポレジームのドロップはなかった、悲しみ。


「ほらほらコーサー一応ジャイアントキリングでしてよ?」


「わ、わかってますよ!」


 コーサーはアンジェリックに急かされて、一人でピックポケットと戦っているようだった。

 カードを捌いてカードマジックで自分を補助しながら、ピックポケットはナイフでコーサーのレイピアの相手をする。

 レベルの差?

 レイピアとナイフじゃ歴然とした戦力の違いがあるはずなんだけどなあ。


「ああもう! あっちはあっちで化け物がいるし! こっちはこっちで面倒な女とヘタレ男か!」


「がーん」


「ま!? 妾のことを面倒だといいなんして!?」


 茶番はもういいだろー。

 とりあえずこの魔銃はやっぱりコーサーに与えようか?

 いや、ここはコーサーは剣一本で渡り合えるようにしといて。

 ベスタに渡す方がいいだろう。

 いいお土産ができた。


「相手のナイフを意識しすぎるな、リーチの差をしっかり確認しろ」


「コンシリエーレ!」


「いいからやれ」


「は、はい!」


 本調子に戻ったかな?

 コーサーは剣を振り抜きながら踏み込む。

 自ずとナイフでガードするか避けるために下がるかになるんだが、なんとピックポケットはナイフで打ち合ってくる。

 なかなかの技量だが、俺が教え込んだのは剣を振り回す方法じゃないのだ。


「あら、終わりましたの?」


「うん」


「さすがですわね。でもちょっと臭くはありません?」


 下水に戻ってたから当然だな。

 コーサーは突き攻撃で踏み込みながらピックポケットの足を蹴り飛ばす。

 膝は前蹴りでへし折ってやれ、そういうことだ。


「ぐぎッ!?」


 少しでも痛みを与えたら大抵のやつは注意が散漫になる。

 これが魔物とか動物ならば、それでも噛みついてきたり、攻撃を止めることはない。

 だが、人間はその辺が敏感だ。

 レイピアだから首を切り落とすことを意識する必要はない。


 俺だって攻撃力が低い最初の方は、ひたすら心臓を突き刺してトドメを与えることだけを考えて来た。

 内臓が傷つくだけで人にはクリティカルダメージだ。


「ぐっ……!?」


 ピックポケットも腕を伸ばしてナイフで一矢報いようとするが……。

 ナイフはコーサーの眼前で止まった。

 おお、突き刺したコーサー、なかなかいい目をするようになったじゃないか。


「っぷあああああ!!! 戦闘って息が詰まりますね、コンシリエーレ!」


「そんなもんだ」


 集中する時に息を止めると、呼吸に使っていた意識をそこに集中できるから意外といいぞ。

 でも、一つ失敗すると酸素の供給が追いつかなくなって途端に体が重くなるけどな。

 とりあえず、よくやったコーサー。



コーサー成長回でもありました。

あと謎武器魔銃の出現です。

この魔銃の流通が、ある意味衝撃をもたらすことになりそうですね。


さて、次ボス戦ですね。

更新頑張ります。



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