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 コーサーのヒットポイントはまだ残っている。

 アンジェリックもそこまで減っていない。

 俺は基本的にここへきて九割以下になったことはない。


 ただ、MPが少し心配だった。

 MPポーションのクーリングタイムとやらが少々厳しいのだ。

 HPポーションのクーリングタイムよりもかなり長め。


 レイラの作るとびきり品質が良いものでさえ、そこの壁は未だ超えれていないらしい。

 エスメラルダは一度テイムクリスタルの中へ戻ってもらう。

 テイムクリスタルはテイムモンスターのHPとMPの回復も微量であるが行ってくれるらしい。


「精霊魔法は意外とMPを消費しますの、でもレイラ様のポーションで後四割と言ったところでしょうか?」


「なるほどね」


「私は身体強化系スキルを常に使用してましたので、もうないです」


「なら使わなきゃいい」


「…………え、ガチなやつですか?」


 ガチですとも。

 とりあえずアンジェリックは後方に下がってMPポーションのクーリングタイムの終了を待つ。

 ここで引き返すなんてもったいない。

 目指す先は?

 そうです、もちろんボスの場所。


 カポレジームのレベルが大体五十を超えてきていたみたいだが、一体ボスがどのくらいのレベルなのか注目したいところ。

 コーサーに学ばせるのも一つ有りかもしれない。


「このまま先を進めばボスの場所でしょう、向かいますか?」


「まだ地下が残ってる。下水の道だ」


「……それは少々非効率的ではないですか、コンシリエーレ?」


「コーサー諦めるんですの。ローレント様は単純に戦いたいだけでしてよ?」


「ああ、そうですか。……そうですか」


 白目を向いたコーサーを連行して下水へ向かう。

 当然のごとくマフィア達はポップして配置されている。

 まだ狩り尽くしてない理想郷というものだ。




【構成員】Lv43

・ソルジャー


【構成員】Lv44

・ソルジャー


【構成員】Lv43

・ピックポケット


【構成員】Lv38

・アセシナート


【構成員】Lv39

・アセシノ


【無法市民】Lv50

・ペナーレ




 新手の敵を発見した。

 レベルが高い無法市民だ。

 一人だけボロ切れを着て、ゲヘゲヘ言いながらマフィアの後をついて歩いている。

 レベルが高い無法市民、クリミナルとはまた違った敵キャラか?


 ローヴォはピックポケットの牽制に向かわせる。

 わざわざカードマジックを使わせる必要はない。

 レベルが高い以上ペナーレの相手を俺がする必要があるのだが……。


 四人同時にコーサーに相手取れるか?

 少し厳しそうだから、ここはあえてペナーレの相手をしてもらう。


「え、あの気味が悪い奴を私がやるんですか? 無理ですって」


「ならソルジャー達とアサシン達を受け持つ?」


「それも無理です」


「ああもう、妾も加勢しますから行きますわよ」


「いやアンジェリック様ちょっと!」


「ローレント様は先に雑魚四人を倒してこちらへ加勢にくるつもりですことよ? 少し考えればわかりますの。どっちにしろあの方の恐慌効果で相手にならないんですから、時間を少しでも稼ぐことを覚えなさい」


「……はい」


 コーサーは順調に手懐けられていた。

 非常にありがたいことだ。

 でも、アンジェリック陣営に引き込まれるのはちと困る。

 あくまでオブザーバーとしてコーサーファミリーにいて欲しいところ。


「俺ら四人を相手取る? 舐めやがって、下水に溺れて死にさらせ!」


「わざわざ策に乗ってやる必要はない。ここは俺ら二人でやる、お前らは散って遊撃に回れ」


「言われなくても」


「わかっている」


 アサシン達は散開し、ピックポケットの支援や比較的実力が乏しいと露見したコーサーの元へ向かう。

 ペナーレはドブに落ちていたパンを拾って食べていた。


「させない」


「くあっ!? な、なんだ!?」


 ナイフを投げて牽制しつつ俺の真横を通っていったアセシノにストレージからアスポートした投網をくらわす。

 余計な真似をするからこうなる。

 ついでとばかりに藪をつつくから蛇が出たのだ。

 いきなり飛び出た網攻撃に、アセシナートが驚愕し一瞬足を止めた。


 こいつには弾機銛を射出だ。

 飛びのこうとしたが少し遅かったな、足に命中だ。

 時間が惜しい、効率的に動いていく。

 網にかかったアセシノにはお楽しみはせずにすぐ石柱で押しつぶした。


 少し離れた位置にいるアセシナートにはストレージから銛を五本くらいだして全部投げる。

 弓の面運用と同じようなもんだ。

 数射ちゃ当たる方式で、ラッキーなことに全て命中するという。


「な、なんだこいつ!?」


「あいつら弱くはないはずだろ!? たまたま幸運が重なっただけだ!! トリッキーな攻撃に気をつけていればパンピーが俺らに勝てるはずがねぇ!」


 勇み足を踏んで、ソルジャー二人が同時に斬りかかってくる。

 非常に残念だが、虚をつくこととトリッキーを同じにしてもらっては困る。

 悪鬼ノ刀を鞘から抜くと、そのまま二人と打ち合っていく。

 たまにはこういう正攻法もいいね。


「くそ! ストリング! ハイブースト!」


「おい糞スリ師! まだかよ!」


「ああもう、この犬っころが邪魔で、くそっ」


 ナイスローヴォ。

 ここのところ戦いばっかりでサイゼミアンに連れて行ってなかったから、そろそろ連れて行ってあげよう。

 そのためにもここは踏ん張りどころ。

 さっさとボスを倒してトンスキオーネファミリーを我が物にするんだ。


「下水に逃れるぞ! 俺らにはなんともねぇが、上の奴らは嫌がるからな!」


「おう!」


 ソルジャー二人はバシャバシャと下水に入っていく。

 馬鹿確定。

 戦いの最中でそんな汚いとか気にしてられるか。

 俺も下水に足を突っ込んだ。

 そして水を蹴り上げる。


「うへぁっ! 汚ねぇ!」


「おい! 隙を見せるな! くっ!」


 まず一人、首をはねた。

 舐めプレイと思われがちだが、今回ノーチェの特殊能力【幻惑】は発動させていない。

 まあ地上での戦闘がえらい騒ぎになっていたので、一つ一つ検証を重ねて見ている。


 当然抜き身になった悪鬼ノ刀は無条件で邪気を発動させているのだが、ソルジャー達にあまり変化は見られなかった。

 幻惑の効果と強運の効果がうまい具合にマッチングして、とんでもない効果を生み出したのか?

 一応強運をつけてはいるが、特別精神が揺さぶられたような反応は見えないし。


 ここは一つ。

 凌遅刑を実践して見ましょう。

 精神を揺さぶるには手っ取り早いのです。


「くっ! よくもファミリーを! ぐわぁっ!!」


 上段大ぶりで斬りかかってきたソルジャーの土手っ腹に前蹴り。

 そして下水の中に転ぶのを堪えるソルジャーの手首を斬り落とした。


「ぎゃあああああ!!! こ、この野郎!!!」


 剣を手放してしゃがみ込み、手首を抑えるソルジャー。

 武器を手放したらダメだろうに……。

 そんな彼の目の前に立って剣先を首筋に当てる。

 そして悪魔のささやきをば。


「なぁ」


「く……ぅぅ……」


「もう一本言っとくか?」


「ッッ!? う、ぅあああ!!! うぁあああああああ!!! ーーッぺぇ」


 錯乱して、白目向いて、泡を吹いて下水に倒れてしまった。

 うつぶせに倒れて顔から体に下水が侵入して着ているというのに起きない。


 我ながら思う。

 恐ろしい効果だな……。

 使うのはここぞという場面にしよう。

 楽しめなくなる。


 邪気の効果で気絶したソルジャーはそのまま溺れて死んだ。




もうすぐ200話!

200話!

頑張ろう。頑張ろう頑張ろう!

ちなみに普通にNPCキャラのクラスチェンジは10、30、70です。

マフィアマップのみ、職業ではなくファミリーの位置づけ扱いになっているので。

10、30、50、70という形で分かれています。

無法市民の扱いも当然10、30、70のレベルテーブルがあるのですが。

クリミナルの先のペナーレは、マフィアと関わりを持って犯罪を犯したもののみ、レベル50でペナーレへと至る設定になっています。

そしてペナーレがゲヘゲヘ笑っているのはマフィア特有の白い粉末を扱う犯罪が多いからっていう裏事情とともに、敵キャラメイクがなされています。





〜あとがき小話〜

(※読み飛ばしてもOKです)


そういえば寝ている時に幽体離脱しそうになりました。

怖かったです。


寒い、寒気がする、悪寒がする、何かやばいものが部屋にいるんじゃ。

と、思ったら。

窓が開いていただけでした。

おっちょこちょいですね。




(……でも窓を開けた記憶はない)





↓新作です。

「奈落に落ちた俺が超能力で無双する」

http://ncode.syosetu.com/n5083du/

↓あとツギクルの奴もよろしければぽちぽちお願いします。

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