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再び戦場は屋上マップへ。
敵のレベルが少しずつ上昇し、そして準構成員が出現しなくなっていた。
精鋭になっていると言う事だろうか?
【構成員】Lv40
・ソルジャー
【構成員】Lv42
・ソルジャー
【構成員】Lv43
・ピックポケット
【構成員】Lv38
・アセシナート
【構成員】Lv39
・アセシノ
構成員よりレベルが高いピックポケット。
熟練スリ師という立ち位置なのかな。
まあどういう条件で出現しているのかわからないが、倒せば皆同じ。
殺せば皆同じなのだよ。
それぞれの戦いを見てみよう。
相変わらず暗殺者達は傾斜を利用して揺さぶりをかけてくる。
ナイフ持ちで身軽な動きを得意としてるから、攻撃力は欠けるが素早い動きだ。
使うスキルは【サイレントウォーク】と【ハイブースト】で急所攻撃には気をつけなければならない所。
構成員はどうだ?
長剣や斧、サーベルを片手に身体能力強化スキルの中でも腕力が上昇する【ストリング】を用いている。
後はハイブーストを使って、攻撃を主軸に置いた手合いなんだろうな。
ピックポケットは?
……ひょっとして、トランプで攻撃するの?
カードを手の中で自在にシャッフルしている。
手先の器用さをアピールしているようだが、戦闘とどんな関係があるんだろうな。
「おい、スリ師の旦那」
「任せとけ、ほい、ナンバーエイトだ」
「惜しいぜ! でも指定身体能力スキルレベルアップはデケェよ!」
「なに!?」
一体どんなスキルだ!?
身体能力スキルレベルアップ?
つ、強い……。
「ふふ、良い仕事をしている」
「偶数はパーティアップね? 流石ですスリ師様!」
アサシン達が意気揚揚と更にスピードを上げた。
そして前線を押してくるソルジャー達もなんだか漲っているご様子。
スリ師の旦那とやらは後ろの方でマントをヒラヒラとさせて胸を張っていた。
これは泳がせる必要があるな。
ご丁寧に、みんな何故か相手のスキルの事をすごい絶賛しながらバラしてるし。
馬鹿ばっかりだなあ。
それとも、相手に情報与えてハンデを上げてるってこと?
俺も舐められたもんだなあ……。
本当に……。
「………………舐められたもんだ」
「死ね」
「死になさい」
「はっはー! 死ねぇッ!」
見事なコンビネーションで側面下方からナイフを投擲してくるアサシンズ。
まるで避けれないだろとでも語るかの様な顔つきだが……。
ひょっとして目の前でソルジャーが剣を振り上げているから避けれないとでも思っているのか?
もしくは、この状況なら後方にしか逃れられないと、予測しているのか?
どうやら、後方に逃げる事を想定して動いているようだが、別に前にも逃げれるし。
「いらっしゃい! そして死ね!」
ソルジャーが長剣を振り下ろした。
「へ?」
俺は両腕を前に突き出して、そのへんにポイした鬼間の長剣を取り出す。
そして鞘で受けてそのまま居合い抜きで首を切り落す。
「なっ!?」
後ろに回ろうとしたアサシンズの驚愕の声。
武器を構えなおしてソルジャーの長剣を弾くには若干の時間のロスがある。
だとすれば、武器を構えなきゃ良い。
手甲で受け流すには少し相手の力が強い可能性がある。
俺も構えずにぼーっと突っ立てるのが悪いんだがなあ。
「なっ! きゃあぁ!?」
「な、何が起こってる!? アセシナート! おい! 敵はそっちじゃない! 目の前に居るだろう!」
「イヤァッ!!! や、ヤメテェ……!!!」
乳繰り合いながら仲良く死ね。
瞬で首を落として行く。
ゴロゴロゴロと三つの首が下に転がって行く訳だが……。
「うわああああ!! コンシリエーレ!!!」
「ちょっと静かになさい! ローレント様の首が落ちて来た時に叫びなさいな! もっとも、そんな事は万に一つもないのことでしょうけど」
「ローヴォー! コーサーが日和ったらケツを噛んでいいぞー!」
「ワォウ……? ァゥ……」
「嫌みたいですわよとのことー!」
そうか、コーサーのケツは嫌か。
なら適当に追い立てといて。
「ちょ、突進しないで! お、押さないでくださいって! ああ、目の前にソルジャーが!」
さて、下は任せておいていいだろう。
上は戦くソルジャーに俺が近付いて行く所だ。
じりじりと躙り寄ってやる。
「う、うわああ!!!」
一気に三人の命を散らしたんだ。
逃げるか、パニックになって襲いかかってくるかだろうな。
逃げる奴はただのマフィアで。
襲ってくる奴は馬鹿なマフィアだ。
「お、おい迂闊に!」
直線的になった攻撃は赤子も同然。
動かずとも、俺を斬ること無く、長剣は屋根の上を叩き付けていた。
そして首を捻る。
「かひゅ」
コーサーが驚くからいちいち首を飛ばす狩り方はやめておこう。
俺ってかなり人道的。
そして、仲間思いだよね。
「後はお前か」
「お、おう、あんちゃん。ちょっと待ってくれよ。俺は別にここのファミリーでも何でも……」
「問答無用」
「ひっ!? くそっ! カードマジック! ドロー! ついてるぜナンバーセブンだ!」
シャッフルして引いたカードが七番だったようだ。
それを確認したピックポケットは顔をにやけさせる。
「いいのか!? 今の俺は全てのスキルが一段階上昇して幸運の特殊状態――ってなんで目が緑に光って――うわぁひぃっ!?!?」
俺は強運だ。
格が違うのだよ。
カードマジックは数字に応じて効果があるんだな。
ナンバーエイトは確かパーティの身体強化スキルレベルアップ。
そしてナンバーセブンは一段階上昇して幸運の特殊状態。
なかなかに強いスキルだ。
カードマジックという位だから、もしかしたら俺も使えたりしないかな?
幸運補正入ってるから常に望む効果が……ってそんな期待を込めてしまってはいけないよな。
「どこで教わった」
「言うから! 言うから勘弁して!」
「教えろ」
「俺の師匠だ! スリの師匠! 伝説の大泥棒アポロビンスだ! だから助け――ぱッ」
よし、良い情報を聞けたぞ。
とりあえずお礼として俺の経験値になってくれたまえ。
スリ師の旦那、さらばだ。
【トランプ・クラブのエイト】玩具
みんなで揃えて遊ぼう。
おいおい、ジョーカー合わせて54枚も集めろって言うのか。
気が向いたらやっておこう。
新スキルでました。まあ、いつだかの後書きで話していた通り。
先行してスキルを取る事も出来れば、いずれアップデートが来て嫌でもいけるようになるので、その時に取れるようになります。
さあマフィアが増えてこういうスキルだったり他の暗殺系スキルが出始めると。
ついにプレイヤーキラーの時代が来そうな予感ですねぇ。
そんな、予感がしますよ。100話くらい先に。
この後の後書き小話は、特に読まなくても問題ないです。
ただの愚痴ですから。
いやはや、いつも文章作成にiMacのテキストエディットを使っているんですが、大体グローイングスキルオンラインの要領は5.7MBくらいになります。
重たいのかわからなですが、いきなりスクロールしたら文字がガクガクぶれるようになりまして、すごくストレスを抱えています。
色々善処してるんですけど、あれですね、ブラウザのクロムもがたついてまして、ついに、ついに終わりのときを迎えたのかと思っています。
まだ4年しか使ってないのに……。一応サブ機としてMacBook Proのほうは生きちゃ居るんですが、大画面がいいのですねぇ。
もしくは、メモリの増設でなんとかなるかなーと思ってたりしまして、まーた出費がかさむ。
まあ、最近遊ばないし、特に出費はありませんので、良いんですけどね。
うーんテキストエディットのスクロールだけ本当に地震かってくらいガタガタしちゃうんですよねぇ。
是非、新作読んでやってください。
「奈落に落ちた俺が超能力で無双する」
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