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四足歩行ローレント回です。


 抗争マップを楽しみたいのだが、情報はホットな内に扱わないといけないよな。

 アンジェリックにそう力説された。


 いつでもお邪魔できるんじゃないのか?

 どうやらマフィアの勢力はその時々によって大きく様変わりするようだ。


 抗争マップとトンスキオーネファミリーのマップ。

 手強いのはどっちだ?

 トンスキオーネファミリーだ!


 即決によって抗争マップの敵を蹴散らしながら。

 トンスキオーネファミリーの勢力圏まで足を伸ばしたのである。




[シークレットエリア”トンスキオーネファミリーの縄張り”です]

[入場しますか? yes/no]




 もちろん入場しますとも。

 メンバーは俺、コーサー、アンジェリック、ローヴォ、エスメラルダ。

 ついにトンスキオーネファミリーの勢力圏に足を踏み入れた。




【準構成員】Lv29

・アソシエーテ


【準構成員】Lv28

・アソシエーテ


【構成員】Lv36

・ソルジャー


【無法市民】Lv33

・クリミナル


【無法市民】Lv36

・ピックポケット




 新しいのが混ざってるな。

 ピックポケット?

 スリかな?

 どちらにせよナイフを両手でほうむってる当たり手癖が悪そうだ。


「初手は妾が担当しますわ」


 堂々と進入してしまえば対策を立てられかねない。

 わらわら群がって来られても困る。

 入り口付近から徐々に攻めて行こう。

 せっかく五人という少数で挑んでるんだ。

 厳密に言えば、三人と二匹だが……。


 アンジェリックが風の精霊を呼び出して、敵を絡めとる。

 そして水の精霊が顔を覆い、有無を言わさず無力化した。




【アンジェリック】見習い精霊術師:Lv40

・土属性魔法使い

・水属性魔法使い

・下級火属性魔法使い

・下級風属性魔法使い




 気になって鑑定識別してみたが、属性増えてた。

 職業は相変わらず見習いだけどな。


 さて、無力化したマフィアを弾機銛で引き寄せる。

 証拠隠滅だ。

 他のマフィアは?

 上手い具合に音を抑えれたのが幸いして、気付いていない。


「俺の番」


 抗争マップでは、奇襲による戦法をとったが、今回もそれで行こう。

 必殺仕事人ばりの殺法を見よ。

 最も、動きは単純なのだがな。


 マップ内を巡回する敵は四人。

 五人居たがその内一人の【クリミナル】はアンジェリックが倒している。

 俺の獲物はどれだろうな。

 狙いは【ソルジャー】か【ピックポケット】だ。


 なんで?

 レベルが高いからだよ。


「え、なんでコンシリエーレは普通に歩いてるのに誰も気付かないの?」


「不思議ですわね……」


 声を出すな、気付かれたらどうするんだ。

 まあ、答えは簡単。

 人間の視野には限界がある、そして、意識をどこかに向けているとどうしても他が疎かになる。

 NPCにそんな蘊蓄を垂れてどうにかなるのかと思うが……。


 死角になる部分を的確に歩いてバレてないんだからそうなんだろう。

 足音、気配、もろもろの殺気を消す事が重要だよ。

 コーサー見てるから。

 お前の目指す先はこうだ。


「――ぱうッ?」


 構成員だといっても鼻で笑うレベルだな。

 まるで危機管理がなってない。

 長剣を構える音を消す為に、手元にアポートして静かに居合い抜く。

 地に堕ちた首を蹴り上げて髪を掴む。

 そして静かにドロップにしてやるのだ。




【骸】素材

錬金素材。

ある条件下でのみドロップする。


【トンスキオーネ構成員の証】

金を含むので売れれば高い。




 あ、予定変更。

 とにかく目立って、とにかく敵を集めて。

 そして構成員を狩り尽くせ。


 骸とは何なんだろう?

 ある条件化って、称号か?

 それとも殺し方とか?


 まあ置いといて。


「作戦変更! 大量狩りを行う!」


「えええ!!!」


「それは妾も存じてないとのことでしてですわ!」


「乗っ取りもそうだが、構成員を倒したドロップが金になる」


「なるほど心得ましたのことですわ!」


「いやいやいやコンシリエーレ! コンシリエーレ! 五人で何が出来ると言うのですか!?」


「なんでもできる」


 黙ってついて来いコーサー。

 レベルで劣っていようと、ボスだろう。

 ボスの端くれならば、絶体絶命を乗り切れ。

 俺の師は弟子を崖から突き落とすというか、谷に落として埋めるタイプだった。

 死ぬ気で出てもそっから本番と言うか。

 埋まってた方がマシだってことも世の中ある。


 頑張れコーサー、負けるなコーサー。

 と、言う訳で、ローヴォを呼び寄せてコロコロ前転して足下から切り崩して行く。


 目線の高さはアンジェリックと精霊達が猛威を振るっているし。

 俺は俺で男の尊厳を下から狙い撃ちだ。

 地功拳さ。


「エスメラルダ貸して」


「はいですわ! エスメラルダちゃんいっておくんなまし」


「シャァー!」


「ウォフッ!」


 む?

 ローヴォがやる気になっているようだな。

 よしよし、ここはそうだ。

 四足歩行をやってみよう。


「うわぁ!?」


「なんだこいつ!?」


「狼と大蛇と人外がいるぞ!?!?!?」


「うわぁ目が緑色に光ってるううう!!!」


 誰が人外だ、おい。

 未確認生命体では無いぞ。


 鬼魔の長剣は口にくわえている。

 四肢が使えない際に、どうしても戦う必要があった場合。

 あと、飛車角落ちのように相手にハンデをつけて戦う際に使う。


 最も、どこで一番使う機会が多かったかと言えば。

 トリッキーな動きを苦手とする流派と獣の相手かな。

 人間の武器で一番強い所は何処だ?

 顎と歯だ。


 このゲームって口の中に武器仕込めたりするのかな?

 出来たらハマる。ただそれだけだ。


「コンシリエーレ助けてぇ!」


「む?」


 飛びかかって首元に一撃加えていたらコーサーの悲鳴が聞こえた。

 どうやら一番弱いと思われて囲まれてしまったらしい。

 アンジェリックの支援はどうなっている?

 彼女も彼女で手一杯というところだろうか。

 接近されて剣で必死に攻撃を受けながら精霊魔法を使って迎撃している。


 うーん、こういう戦いは苦手か?

 慣れが必要なのは確かなんだけど。


 エスメラルダとローヴォに俺の持ち場を見とけと指示を出すと、跳躍する。

 カエルジャンプです、はい。

 そして適当な壁を使って三角飛び。


「ぎゃああっ!!!!」


「うわあああああ!!! なんか来た! ヤバいのが!!!」


 一人の上に飛び乗って、顔面を抉る。

 そして首もとにエルボーを叩き込んで体重で圧し折ってやれ。

 奇襲で取り乱す両サイドのマフィアには、アポートで引き寄せた鬼魔の長剣を見舞う。


「このっ!!」


「おらっ!!」


 剣とナイフが左右から同時に襲う。

 軌道を考えろよ……。

 両腕の手甲で滑らせてやる。

 すると、


「ぁぎゃあっ!!!」


「二人同時に攻めるのは悪く無いが、間合いと軌道を考えないとこうなるぞ。コーサー」


「えっと、はい。わかりません。多分普通そうなら無いと思います」


 長剣を持ったマフィアに、ナイフを持っていたマフィアの腕が切り裂かれる。

 ナイフを落として腕を抱えて悶絶するマフィアはコーサーに任せて。


「ちくしょお!! ハイブースト! ストリング!」


 スキルを使うのが遅いな。

 もう既に飛びかかっているぞ。


「うわぁ!」


「む」


 でまかせに振り払ったみたいだが、身体能力強化スキルは思ったより俺を上に放り投げた。


「コンシリエーレ!!」


「へ? ……ひゃはっ!! ざまぁねぇぜ!! 死ねやぁ!!!」


「お前がな」


 調子に乗った奴には、石柱アポートだ。

 長剣マフィアは有無を言わさずグチャっと潰れてしまった。

 チャンスが来てるなら、待ち構えるな。

 空中に飛んででも仕留めに行けよ。


「コーサーわかったか?」


「何度言われてもわかりませんって……」


 ふむ、どこから鍛えようか。

 こいつはずっとわからんわからん言って。

 ホントにもう、世話がかかる。

 ワルドとベスタの方が正直センスあるぞ?





ローレントがなんかもう何でもありになってきてます。

あれ、いつからだろう。

って思いながらも、もう行き着く所まで行ったれってことで。

開き直って書いています。


あとがき小話です。

スキルポイント制ではなくなったので、精霊魔法の為に下級魔法属性を覚えるのが容易くなっています。

でも、その代わりにスキルレベルがとんでもなく上がりにくかったりします。


基本的にボーナスポイントでスキルの振れ幅だったり、取得の為の条件が整うのですが。

基本的に上位スキルにこんこんとレベル上げて行った方が強くなります。

最終的にレベル制限で上位スキルも取得できなくなりますので、極上げが良いかと言われればそうではないのですが……。


一個のスキルを頑張る。

マックスになったらもう一個スキルを頑張る。

これが意外と早いレベル上げなんですが、楽しくは無いです。

しかも恐ろしくマゾいので。


スキルレベルの上がり方は取得経験値を等分する形になります。

故にローレントなんかとくにマズい状況です(本人は気付いてません)。

自分のプレイヤーレベルも、契約魔法の罠にかかっています。

でも、テイムモンスターに関してはテイムクリスタルで解消可能です。


ただでさえ経験値等分の状況で。

精霊魔法の為の職業上げは、精霊魔法に等分された分から更に等分となるので、そこそこ厳しいです。



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