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おはようございます。今日は後一回更新。久しぶりの掲示板回です。


「んなもん、アリかよォ?」


「もう諦めたよ、アタシはね」


「くっそ! 俺も混ざる! あいつばっかし先には!」


「よせトモガラ! アポート無いのにどうやってやんだよ!」


「丸太をアイテムボックスからだしゃできるだろ!」


「隣に居る俺があぶねぇだろーが!」


「……馬鹿共が」




 炎剛の悲鳴が聞こえる。

 石柱の豪雨の後に、脳天にぶちかました一撃は流石に堪えたか?


 全てのスキルを総動員した合わせ技一本だ。

 無理矢理一段階上げて、パッシブ化したスキル。

 スペル・インパクトは炎剛のHPを容赦なく削る。


「お、おい、レイドボス相手に単騎で五割のダメージってどういう事だよ?!」


「俺は知らないけどとりあえずあいつは常識が通じねぇよ!」


「なにあれ!? なんなの!? なんなんですか!!」


「攻撃の瞬間目が光るとかどんな魔王!?」


 どうやら幸運補正が入っているみたいだ。

 称号補正や急所補正も合わさって、とんでもないクリティカルダメージが入ったのだろう。

 俺としては、正直首の骨を折りきれなかった部分で悔いが残る。


 さて、着地はどうする?

 五点着地か?

 いや、流石に手足の骨がバキバキになってしまうだろうな。

 このまま行くと確実にそう。

 炎剛の後ろの地面でデスしてしまう。


 そんな時こそ弾機銛です。

 ビンッと射出される音が、炎剛の背中を捕らえる。

 これ、雷属性でも覚えたらテーザーガンみたいになるかもな。

 そんな事を思いながら、落下の方向をねじ曲げる。


 先手必勝プラス、相手の動きを阻害する為に作っては見た物の。

 完全に超三次元的機動の為の道具になってしまっている。

 まあいいや、とりあえず炎剛の股の下をターザンしておこう。


 背中を引っ張る強い力を受けた炎剛はバランスを崩し転倒する。

 対する俺は、再びギリギリ一杯でゴロゴロと受け身を取っていた。


「不死身か!?」


「ありえねぇよ……なんであの高さから落ちて無事なんだよ……」


「やばい、上じゃなくて下がヤバイ!」


「石柱とか色々な岩が地面に刺さってる!」


「地獄かここ!? 戦場じゃなくて地獄に来てしまったのか!?」


 外野がうるせー……。

 炎剛が倒れた隙に長剣に持ち替えるとそのまま股間に突き刺してやろう。


「ローレントが隙を作ったから! ほらアンタ達も行くよ!」


「十八豪俺の勇姿を見ててくれぇーーー!!」


「丁度尖った丸太があったから俺もこれに乗って突撃する」


「……馬鹿馬鹿しい」


「俺ェ……専守防衛なんでパスするゥ」


 まず先に、尖った丸太に乗って後ろ手を組んだトモガラが突っ込む。

 そして燃え盛る炎のダメージなんか無視して斧を奮う。


 アクアベールが包み込んだと思ったら、続いて十八豪が水弾をぶち込んでいた。

 溜まらず火を吐こうとして口を開けた炎剛の口の中にな。


「おお、激昂状態っぽいけど、火傷ダメージ全くねェ」


 三下さんが関心していた。

 無詠唱のスキルを持っているから、MPを多めに込めたんだろうな。


「アタシのは特別製だからねっ! ウォーターバインド!」


 粘り気の強そうな水が炎剛の顎と手足を包み込む。

 これによって、起き上がろうとする炎剛の動きが更に鈍った。


「関節やってやるぜぇ! 見とけよ十八豪ーーーー!」


「肘打、肩撃、震脚、点破開門テンハカイモン


 ぶっちゃけ対人以外での戦闘って、久利林と一閃天はどうやってんだろうなと思っていた。

 武器を持たないプレイヤーとしてファンが着いている彼等だけども、その様子は実に合理的。


 関節部の破壊を心掛けているようだ。

 足を圧し折れば相手は動けなくなる。

 では最も弱い部分は何処だ?

 関節だな。

 鎧をつけていても節部、つなぎ目はどうしても甘くなる。


 久利林は執拗に足の裏を攻撃して、その度に十八豪にドヤ顔をしている。

 一閃天は即行で闘気を身に纏うと、炎剛の膝関節を圧し折っていた。


 一点集中した連撃と、そのた身体能力補正スキルを組み合わせているんだろうな。

 なんだよ点破開門って。

 いや、言ってる意味は何となくわかるんだけどね。


「ゴバァッ!」


「チッ、口元は流石にすぐ蒸発させられちまうのかい?」


 炎剛の声と共に熱気が襲う。

 声の方向を見ると、顎を覆っていた水を吐き出した火炎で蒸発させていた。

 そして激昂した表情で俺達を睨み、火球を振りまいた。

 自分の身体にこびり付く雑菌を熱消毒する様にな。


「ハァイ残念、もっかい捕まってろやァ」


 胸の上に飛び乗って俺達の前に出た三下さんが気怠そうにそう言って火球をぶん殴った。

 ガギンッと音がして作られた巨大な火球は炎剛の顔にそのまま戻って行く。


「おい水女、さっさと固めちまえ」


「だれが水商売女だって? 言われなくても詠唱開始してるよ。今回はもっと頑丈にMPを込めてやったさ!」


「……いや、そこまで言って無いんデスケドォ」


 怒れる女帝様が炎剛の顔をすっぽり埋まる程の水球を準備してくださった。

 そしてMP使い過ぎたと言ってポーションを飲みながら離れて行く。

 四肢の拘束はいいのかと思ったがね。

 既に壊されていたのだから、久利林、一閃天は恐ろしい奴らだよホント。


「こんにゃろ! よくも俺をぶん投げやがったな! おらおら!」


「おい……」


「はらわた引きずり出してやるよ! この! 糞猿が! 樵夫舐めんな!」


「……」


 辛抱溜まらん!


「俺も混ぜろ!」


 トモガラが狂気に満ちた顔で腹を執拗に攻撃していた。

 ……破れるんだよなぁこのゲーム。

 頭部とか首は水の拘束で攻撃しようがないし。

 なら何処を攻撃する?


 ちなみに炎剛の股間は既に削ぎ落とした。

 猿の金玉は滋養強壮に役に立つのか?

 もしかして錬金素材か?

 ツクヨイにあげようっと。


「……そういや、腹の上に置いたバケツの中に、ネズミを入れてバーナーで炙る拷問があるよなァ?」


 三下さんが口元をピクピク動かしながらそんな事を言っていた。

 ならば俺達はネズミだ。


「モゴモゴモガ……ッッ」


 トモガラが血だらけになりながら腸を引っこ抜いた瞬間。

 ビクビクビクっと炎剛の身体が痙攣していた。


「グロ禁モードにしといた方が良いかもなぁ十八豪」


「……レイドボス相手に何やってんだか」


 炎剛のHPは?

 流石に内臓傷つけたら風前の灯火だよな。

 このレイドボスの弱さは、俺とトモガラの常識が通用する生き物だった事だ。

 どんな敵でも、群がって、拘束して、急所から噛み砕けば、いずれ飲み下せる。


 ファンタジーゲームなら、もっとこう、どうしようもない敵を出してくれると。

 もっとワクワクするよなあ。




27900ポイント越えてました!

もうすぐ28000ポイントですね嬉しいです。

これも皆様のお陰になります!

感想を書いてくださる方、ブクマ、評価、お気に入りをしてくださる方。

何より読んで頂ける事が嬉しい限りです。

本当にありがとうございます。


度々休みを貰っていますが、その間にアクセスしてくださる方が居ますと、ああ早く物語を執筆しに戻らなきゃなって思って、キーボードが進みます。



物語が進むに連れて、主人公のヤバさが増しに増して来ていますが。

ここから更に増します。

ゲーム自体はまだ中央の王都やら、辺境の地やら、スティーブンの修行で使っていたあの恐竜ゾーンなどが残っています。

頑張って書きますよ。


ちなみに、感想で反応がありました。

某楓物語の2DMMOですね。

何気に十一年やってました。笑

斬りで二年くらいやって、その後弩師をメインにしてずっとやってました。

死森イエペペの時は低レベルでして、行く間もなかったです。

その後、アプデで再び効率の良くなったイエペペを鉾使いで狩って、弩でひたすらオハゼとか不味い不味い海マップを狩ってました。

氷魔は手を出しましたが、弩でも氷使えるじゃんと途中でやめた記憶があります。

やっぱやるなら火、毒っしょ?ってか具合で魔職装備はそっちに横流し。笑


今はもう引退が、そのとき出会った友達とはリアルでも交流が続いてたりします。

結婚報告とか、近状とか。


その他、組んでたギルドメンバーは別ゲーに移動してワッチャワッチャやってますね。

スプラやったり、戦車とかLOLやってみたり。


でも仕事が忙しく、すっかりゲームから遠のいてしまった。

そんな心持ちです。


生きてる間に物語の世界みたいなVRゲームでてくれないかな。






あとがき追加です。

地味に九ヶ月振りに更新してます。

『Real Infinity Online』VR初心者ゲーマーがテラ神父

http://ncode.syosetu.com/n4162cj/


処女作でこちらもかなりけったいな作品です。

是非ご一読ください。

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