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遅れましたー!

「コーサーとかどう?」


「一生大切にします」


 ちなみに、適当なマフィアから名前を取ってみた。

 裏社会と言えばマフィアでしょ。

 そして俺はコンシリエーレ。

 ただの相談役で、裏社会とは関係無い人物なのだよ?

 そう言う設定で行こう。




[汝は契約を誓うと申すか? ……ならば示せ]


[テイムモンスター:コーサー]

[契約条件:心を折ってカリスマを示す]


[良かろう……、アウトローは力と共に家族を大切にする。飢えた家族愛を己の仲間で埋めているのだから、無茶をしても期待を裏切るなかれ、それが条件だ……]


[契約モンスター:コーサーとの契約が完了しました]




「俺の事はコンシリエーレと呼べ」


「ボスじゃダメですか?」


「ボスはお前が引き受けろ」


「わかりました、コンシリエーレ。長いので相談役と呼ばせて頂きます」



[契約モンスター:コーサーがボスの資格を獲得]

[同時にプレイヤーを相談役コンシリエーレとして認めました]

[称号“相談役”を獲得しました]




 どういうこっちゃ?

 確認する前にコーサーが話を振る。


「一つお願いがあります」


「うん?」


 コーサーは二人の悪ガキ達に視線を向ける。

 すっかり俺の立場がわかったのか、二人は隅っこでただ身体を丸めていた。


「慈悲を、この子達にも名前を付けてほしいのです」


「え、自分でつけろよ」


 イマジネーションはそこまで膨らまないよ。

 一人で十分だ。

 すごく面倒だったのでそこは丸投げしておく。


「え? 良いんですか?」


「ボスならな」


「あ……よくわかりませんが、名前を付ける事は可能みたいです」


 そうなのか?

 気になるコーサーのステータスを見てみましょう。




【コーサー】ボス:Lv21

特殊能力:組織化

装備:ボロの服、ナイフ




 組織化とは一体なんだよ?

 説明も無しにどういう事だ。

 説明を見てみましょう。



【組織化】

組織を作る事に補正が働き、カリスマ性が出る。

構成組織の二段下まで、特殊能力をフィードバックできる。




 素晴らしい能力だ。

 そして、俺が受け取った相談役という称号は?




【相談役】

組織のボスに認められた者の証。

利益分配権と有事の際に力を借りる事が出来る。

組織制限は一つ。



 ふむ、これはどんな組織のボスに対しても使えそうな称号である。

 ただ惜しむらくは一つの組織にしか使えないと言う所。

 もうコーサーから相談役を受けてしまった。

 というか自分で相談役にしろって言っちゃったもんだから、選ぶ事は出来ないのだ。

 どっちにせよ、他の組織は潰せば良いよね。


 人間はモンスターのレベルとか関係無く、その地位によって職業が変わって行くようだ。

 ある種ファミリーを持つボスだと認められたコーサーはその権限を持つ。


「ワルドとベスタ。お前らの名前だ」


「ワルド?」


「ベスタ?」


 ああ、そうだ。

 と、コーサーは言う。

 自分の下位の人間を従わせる事で、ついにコーサーファミリーが誕生したのだな。

 よかったよかった。

 二人を鑑定してみましょう。




【ワルド】ジュニア:Lv9

特殊能力:無し

装備:無し(防御力を有する物が)


【ベスタ】ジュニア:Lv8

特殊能力:無し

装備:無し(防御力を有する物が)




 思ったより弱い。

 というかボスの下部組織はなんだ?

 ボスから言い渡された職務ではないのか?

 相談役の説明項目に、対象ファミリーがコーサーファミリーと書いていたから説明を辿ってみる。




【コーサーファミリー】

ボスであるコーサーの元に集まった組織。




 説明が短いぞ。

 色々辿って行くと、ボス以外は自分で職位を上げて行かなければならない。

 と言う事だった。


「なるほど、お前達はボスであるコーサーの元で強くなれる」


「本当?」


「やった!」


 端的に説明してやると喜ぶ二人。

 コーサーも満更では無さそうな表情で二人を見ていた。

 それでは、レベル上げ行こうか。


「裏路地の制覇だ」


「え?」




 彼等を交えた狩りがスタートした。

 さながら五人パーティの様な物だ。


 人気の無い裏路地にはアウトロー達がわんさか集まってくる。

 中にはレベル三十を越している手合いも居た。

 どんな奴だ?




【無法市民】Lv30

・クリミナル




 犯罪者って意味はわかるけど。

 アウトローと似たか寄ったかだろう。

 能力的にはボスであるコーサーと大差は無さそうだ。


「すごい、こいつらに拮抗できるなんて」


 コーサーにはいつのまにかお蔵入りになっていた黒鉄のレイピアを渡しておいた。

 中々様になっている。

 ワルドとベスタには?


 コーサーのお下がりナイフと、今さっきクリミナルが落としたナイフを渡してある。

 まあこいつらが直接戦闘に参加する訳ではない。

 ローヴォに守りを頼み、俺がコーサーのレベル上げを行うのだ。


 経験値はコーサーへ渡り、そしてワルドとベスタにも配分される。

 同時にワルドとベスタの経験値と能力はコーサーへと渡り。

 ファミリーの相乗効果経験値みたいな特典になっていた。

 組織化って良い物だな。

 稼げる経験値がどんどん上がって行きそうな予感。


 俺はその特殊能力を契約によって受け継いでいる。

 ちなみにレベルアップした悪ガキ達は無事にクラスチェンジ。




【ワルド】ソルジャー:Lv12

・特殊能力:身体強化


【ベスタ】ソルジャー:Lv11

・特殊能力:魔力強化




 驚くべき事に、この子供らには素養があった。

 まるで二人で一つと言わんばかりの構成である。


「是非とも魔法を学ばせてやりたいですが、その伝手は俺にありませんし、……相談役何かありませんか?」


「簡単。俺が教える」


「え? 相談役は魔法も使えるんですか!?」


「本職だけど?」


「ええ!?」


 驚くコーサー。

 そうだ、裏路地へ来てから、基本的な戦いは全て急所攻撃で済ませて来た。

 だって人型だったら首の骨を折ればそれで済む話だからな。

 これがもし首が無い奴とか、心臓の位置がわからない奴相手だったら苦戦していただろう。


「ベスタ」


「はい、こんしりえーれ」


「魔法を学ぶか?」


「大きな炎をおこしたいです」


「それは無理。だがこういうのはどう?」


 裏路地の壁にマジッククロウを振るう。

 そしてたまたま通りかかったアウトロー達にエナジーショットをぶち込んで行く。

 最後にスペル・インパクトにて殴り掛かって来たアウトロー達をぶっ飛ばして行った。


「なかなか素敵です」


「よし、無属性魔法を覚えさせろ」


「こんしりえーれ! 俺にも何かくれよ!」


 ベスタの頭を撫でて、コーサー指示を出しているとワルドが騒いだ。

 何でも良いから戦える力が欲しいと、そう言う訳か?


「そんなお前はなにがしたい?」


「さっきの奴らみたいにぶっ飛ばしたいけど、こんしりえーれみたいな戦い方がいい!」


 ほう、武の道に入門すると言う事か?

 コーサーにはレベル上げと共に色々なものを教えている。

 こいつはワルドとベスタの能力をフィードバッグできる能力を持つからな。


 なら一緒にワルドも鍛えるか?

 ええい、どうせなら皆同じ様に面倒を見てしまえ。

 皆無属性魔法と俺流の実践格闘術を教え込んでみよう。


 むふふ、間合いの神と呼ばれた俺の技術を、果たしてこいつらは覚える事ができるかな?

 出来たらすごいね、このゲーム。








あとがき後で更新します!

17:05後書き更新 tera


最近漫画にハマってまして、色々と買って読んでいます。

何を読んでいるかと言うと鉄拳ち○みとか、ケンイチとかバトル漫画。

その後、よつ○とを読むと、気分がほんわかして来ますね。


皆さんは、のほほん路線とバトル無双、浮き沈みの激しい成長もの。

いったい何が好みです?



ちなみに、マフィアの立ち位置は戦闘NPCで別GUIが用意されていました。

契約魔法で従えるなんて割りかし想定していなかったようですね。

運営側も一人がイベントの一位を総なめするなんてなかなか無い事です。

契約魔法スキルの立ち位置もまだ朧げなので注視していただければ。




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