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この展開の遅さよ


 ノーチェにバッドステータスがついた。

 呪いでHPを急激に失った衰弱だってよ。

 とりあえずテージシティに戻るまで頑張ってもらってログアウトしよう。

 スキルレベルのチェックはログインしてからだな。




 仮眠の後。

 再びログイン。

 ゲーム内時間は朝です。

 スキルチェックだ。




スキルツリー▽

【スラッシュ】Lv10

【スティング】Lv10

【ブースト】Lv10

【魔闘】Lv15(15→16)

【エナジーショット】Lv1(1→3)

【マジッククロウ】Lv1(1→3)

【スペル・インパクト(P)】Lv11(11→12)

【マジックアンプ・ナート】Lv18(18→19)

【マジックウェポン・ナート】Lv18(18→19)

【アポート】LvMAX

・制限解除、無詠唱、ストレージ

【アスポート】Lv14(14→15)

【契約魔法】Lv3

・空き契約数1

・[ローヴォ:ラッキーウルフ]

・[ノーチェ:ナイトメア]

【投擲】Lv18(18→19)

【掴み】Lv13




 六尺棒は使いやすい。

 だが鬼魔の長剣の成長もさせなければならない。

 ひたすら魔法を放ちながら投げていたな。

 マジッククロウは接近戦で役に立つ。

 連撃として機能してくれた。


 エナジーショットは?

 弾速も然ることながら、前スキルよりも魔弾の形が細く先が尖っていた。

 感想は、中々良い。


 さて、ノーチェのバッドステータスはどうなっている?

 うーん、まだ無理そうだった。


「旦那、今日はこの子は休ませてやった方が良いですぜ」


 しかも、宿屋の馬小屋でそう言われてしまった。

 いや俺も状態チェックしてただけなんだけど?

 そんなに必死そうな顔で言わないでほしい。

 悲しくなる。


 でも、テイムモンスター預かり所の管理がしっかりしている事が判明した。

 ここはご贔屓しようと思う。


「とっといて」


「これは?」


「チップ」


「あ、ありがとう旦那! お金持ちなんすね! 今日一日俺が世話しとくんで!」


 よきかなよきかな、朗らかに見送った後。

 今回は町にローヴォを連れて行く。

 アイテムショップとか、色々見て廻りたい気もあるが……ね?


 町中にも気軽に戦えるフィールドが存在するのさ。

 と、言う訳で裏路地に来ました。




【無法市民】Lv15

・アウトロー


【無法市民】Lv16

・アウトロー

 

【無法市民】Lv15

・アウトクラップ




 手つきが怪しい奴が居た。

 スリかな?

 うーん見込み違い。

 ただのこそ泥だな。


 熟練のスリは、その犯行をなすり付ける。

 痴漢になればなおさら質が悪い。

 鬱憤を晴らすかの如く、アウトロー達をぶっ飛ばして行った。


「ひいいい!!」


「あ、悪魔だ!!」


「お前ら逃げるんじゃねぇ!! 囲え!!!」


 そっちに道はローヴォが居るよ。

 壁を蹴って回り込んだ。

 目を光らせて唸る狼。

 普通はびびるよね。


 その隙が命取りなのだよ。

 急所攻撃にて一撃のもとに仕留めて行く。

 おっと、一人残しておこう。


「お、音が聞こえるううう」


「何の音だ?」


「わからねぇわからねぇ嫌だ嫌だ近付いてくる」


「死ぬのか? 仲間は死んだぞ?」


「し、死にたく無い!! これは死神の音だ死神の声!!! ――ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


 ヤバイ、幻覚スキル。

 こうまでもアウトロー相手に使えるなんてな。

 言葉が通じる分、とんでもない効果だ。


 魔物相手に使用する時は、ストライクポイントをズラしたり。

 相手の防御を意図的に発生させたりして使っている。

 こりゃ、俺の神髄を魔物相手に使える時も来るかもな。


 間は魔物。

 間を統べた物こそ、間の王なのだ。


 まずは己の魔を統べよ。

 さすれば達人の道は開かれん。


 とか言う、インド辺りの武術家が居た。

 経穴とか教わった。

 そう、俺は免許皆伝達人越えの間の神である。

 とかね、言っちゃってた時もあったけど。


 やっぱりゲームよ。

 強い敵はゲームの中に居るのだよ。




【無法市民】Lv9

・バッドボーイ


【無法市民】Lv8

・バッドガール




 何も面白く無い社会を恨んだ目をしやがって。

 煙木をふかすな。

 迷路の様な裏路地のたまり場に居た子供達。


「おじちゃん、どっか言った方が見の為だぜ?」


「消えろタコ助」


 男の子と女の子のセリフだ。

 容赦せん、泣かす。

 六尺棒で煙木を口元から叩き落として女の子は顔の紙一重。

 男の子は股間のすぐしたを全力で突いてやった。


「なに?」


「な、なにも……ぅ、ぅぇぇ」


「こ、こわいよぉぉぉぉ」


 そうそう、子供は大人しく泣いておけ。

 アウトローとかにジョブチェンジしたら遊びにくれば良い。

 命のやり取りは面白いぞ。

 ハマるぞ。


 社会が嫌いなくせに社会で生きやがって。

 山に行け。

 文明が無い山で暮らせば、自ずと大切さがわかるぞ?


「お、おい! お前らどうしたんだ!? 誰にやられた?」


 背を向けてローヴォと共に裏路地を他へ移ろうとすると、別の裏路地からそんな声と共に男が入り込んできた。

 そして言う。


「てめぇか! おい、やって良い事と悪い事が!! ……って、兄貴?」


「ん?」


 振り返ればいつだかのアウトローだった。

 どんな顔だったっけ?

 煙木を咥えたただのチンピラだった気もするが。

 よくよく見れば、ああ金髪に傷の突いた顔だったっけ?


「へへ、アレから一人で頑張ってみたんです」


 そんな事を言うアウトロー。

 その頑張った証だと、生々しい頬の傷をなぞる。




【無法市民】Lv21

・アウトロー




 かなりレベルが上がっていた。

 そしてそのアウトローに二人の悪ガキが寄り集まる。


「ガキ達を守る代わりに、調べられる事は全部調べておきました」


「覚えてたのか」


「忘れた事はないです」


 真剣な目でそう言うアウトロー。

 ふむ、中々根性があるじゃないか。

 裏社会で何よりも重視されるのは情報だ。

 表との琴線にはかなり注意深く目、耳、アンテナを凝らしている。


 それは何故か?

 バレると儲らないし、余計な恨みを沢山買うからだよな。

 一般的な社会と違って、人の嫉妬や恨みという負の感情が溜まりやすい。


 そこを長年生きて来た物は、壊れて疎くなるか。

 より一層感覚が研ぎすまされて行く。

 そう言う事なのだ。


「情報は?」


「はい、改めて知ったんです。俺は裏路地を全くわかっちゃいなかったって」


「うん」


「裏路地の先には深部と呼ばれる場所がありました。俺が暮らしてた場所は精々まだ光の届く表面部分、深部は暗く、無法市民同士の共食いみたいな状況でした」


 それを見て来たのはこの悪ガキ二人だったと言う。

 一人で深部に潜ってみる途中、偶然アウトロー達の戦いに巻き込まれた。

 命からがら逃げ回っていると、エアダクトが開いて道を示した。


「そこにこいつらは住んでいたんです。エアダクトの中の小さなスペースに」


 深部を深く知る悪ガキ二人は腹を空かせていた。

 幸い、表層部である裏路地は、しのぎの削り合いも無ければ飢えに困る事も無い。

 それは何故か?

 まあ何となく察しはつく。


 このアウトローが言う様に、裏の中でも上へ這い上がろうとする中間層。

 それが深部なんだと思う。


「深部で育ったこいつらなら、隠し通路を知っている。そして集めた情報は……」


 このチンピラが言うには裏社会の深部における抗争についてだった。

 路地裏と違って、深部と言う物はテージシティそのものにある。

 人気の少ない場所では、夜中しのぎの削り合いが行われている。


 プレイ時間的に言うと夜時間が長々と続く土日明けの時間帯。

 最も裏社会が活気づく時間帯なんだとか。

 とにかく良い情報を聞けた。


「ありがとう」


「兄貴ぃ……!!」


「これからも頼むな? 名前は?」


「名前なんてつけてくれる奴は居ませんでした」


 金髪のチンピラが、頬の傷を掻きながらそう視線をずらす。

 まあ根性もあるし、何より効率のいい方法で深部を調べているようだ。

 やってみたかった契約を、ここで試してみるべきだろう。


「俺が名前をやる」


「え?」


 えーと、何にしようかな。










チンピラが契約を結んだ。

と、ここで一度テンバーに戻る事になりそうですね。


その詳細は次話にて。



感想いつもありがとうございます。

読んで参考にさせてもらっています!!

力です。


力!!!!!!!


カッ!!!!!!

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