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本日は二時間に一回更新します。嬉しく無いかもですが、クリスマスプレゼントです。
「許可の無い物は、平原の先へ行ってはならん」
馬の首が人の上半身に置き換わった生物。
セリザワ、ノグチ、フレーノは伸された状態で、ケンタウロスの背中に乗せられていた。
【テトドール】ケンタウロスLv???
草原の平定者の長。
レベルが見えない。
名前持ちのケンタウロスは、かなり上位のモンスター?
もしくはNPCなのか?
「そう身構えるな、我らが人に危害を加える事は無い」
ドサドサドサと目の前にセリザワ、ノグチ、フレーノが積み重ねられて行く。
気絶のペナルティでも喰らっているのか?
一体何があったんだろう。
「この者達は、ランペイジブルの領域に進入して攻撃を受けていた」
「ランペイジブル?」
「平原の先に住まう気性の荒い牛の魔物だ。ここいらの牛より遥かに逞しく、人を見かけると集団で特攻してくる魔物だ。——ちょっとまたれよ」
ケンタウロスは、そう言いながら弓を番えるとおもむろに上空へと放った。
上空から断末魔の叫び声が聞こえ、黒い大きな鳥が降って来た。
【レスコンドル】Lv7
死体食の大型猛禽類。クラス3。
慎重で頭が良く、強い魔物に誘導。
または魔物を誘導し襲わせる。
禿鷹か。
それにしても中々大きい猛禽類だ。
断末魔の音的に、かなり高所を飛んでいた筈だ。
それを打ち抜けるとなると、かなりの強弓使いということか。
四本足は踏ん張りが効くから、さながら固定砲台だな。
「人を襲う習性を持つランペイジブルは草食だ。レスコンドルは誘導し殺させて屍肉を喰らう、気をつける事だ」
「そっちは平気なのか?」
「我らが知恵の無い魔物に遅れを取るとでも? 平原を統べる一族だ。故に心配も無用なものだと言う事を心しておくがいいだろう」
踵を返すケンタウロス達。
彼等は森へ入るなと言っていたな。
だったら、この先へ抜けるにはどうしたらいんだろうな?
「待って、この先に用事があるとしたら?」
「戦える者ならば通って構わん、この者達の様に命を粗末にしなければな。……もっとも、ハルピニアの盟友である者ならば、要らぬ心配だろう」
ハルピニア?
ああ、いつだか貰った称号の事ね。
彼女達は南の霊峰のどこかで、魔物の管理を行っている者達だったっけ?
「価値のある者ならば歓迎する」
価値……、信用度の事か?
まあ昔の話は置いといて。
この後この先に用事があるかと聞かれれば特に無い。
「ではさらば、盟友の称号を持つ者よ。我らはいつでも歓迎する」
適当に話を切り上げて見送る事にしました。
ケンタウロス達は、パカラパカラとキレの良いリズムで平原を戻って行った。
さて、後に残ったのはこの伸びた三人な訳だが?
先走った罰だな。
このまま放置しておこう。
俺はサイゼの依頼を遂行するために、手頃な牛の群れにアタックを仕掛けるのだ。
【シャトーブリアン】食材
ヒレの中でもかなり希少な部位。
舌の上でとろける。
【シャトーブリアン】食材
ヒレの中でもかなり希少な部位。
舌の上でとろける。
【シャトーブリアン】食材
ヒレの中でもかなり希少な部位。
舌の上でとろける。
やべええええ、とりあえずローヴォの目が輝き続けている。
俺の目も多分輝いている。
ドロップ運絶好調過ぎて笑える。
牛一頭につき、狩人の生産解体を持って無いので部位を全て頂く事は出来ないが。
それでも上手く殺せば部位が三カ所手に入る。
肩ロース、リブロース、サーロイン、ヒレ。
ランプ、モモ、肩バラ、外バラ。
たまにはワイルドなショートリブも悪く無い。
もしくは骨つきカルビだな?
【牛肩ロース】食材
やや筋が多いが脂肪分が適度にある風味の良い部位。
【牛ヒレ】食材
きめの細かい柔らかな部位。
【牛リブロース】食材
きめ細かく、味わいのある部位。
大体前はこんな感じのドロップ構成だった気がする。
今回は大体がサーロイン、ヒレ、シャトーブリアンなのだ。
やばい、これはサイゼに卸すよりも自分で食した方が良い。
そんな気さえしてきた。
むしろ、本懐である安価で提供できる肉が無いのだが?
ウェストバイソンは群れるが、一体一体はミドルステップホースよりも弱い。
ローヴォと誘導、そして撹乱。
大きく動き回りながら一体ずつ確実に仕留めて行った。
あの三人は?
多分どこかのタイミングで轢かれていた様な気がする。
覚えてない。
[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]
【ローヴォ】ラッキーウルフ:Lv16
特殊能力:強運の瞳
装備:合わせ翅と翡翠の首輪
俺のレベルは上がらんと言うのに。
ローヴォ、貴様が経験値を吸っているんだぞ!
ローヴォのモンスタークラスはなんだったかな?
リトルウルフが10。
グレイウルフが15。
そしてラッキーウルフのレベルが16になったから。
既に総計レベルで言えば俺と同じレベルじゃん?
……そうかわかった。
もっとモンスターを狩れと、そう言う事だな?
[プレイヤーのレベルが上がりました]
プレイヤーネーム:ローレント
レベル:42
信用度:83
職業欄▽
[中級魔術師(無)]
[漁師]
[契約魔法師]
残存SP:3
ボーナスパラメーター▽
効果値:30
消費値:10
速度値:0
詠唱値:20
熟練値:28
見識値:20
やってしまった、牛乱取り。
自分でも良くやれたと思う。
とりあえずローヴォは崖の上に逃がしておいた。
色んな牛にちょっかい出して、走り回って逃げ回りながら一匹ずつ仕留めて行く。
いやはや、スペル・インパクト。
そんでもって六尺棒の攻撃力が遺憾なく発揮されたな。
アクロバティック闘牛士の様に飛んで避けて。
時には棒高跳びの様に飛んで避けて。
六尺棒で殴りつけながら、片っ端からスペル・インパクトを喰らわせて行った。
さて、まずはSPを3ポイント。
切りよく熟練値に振りましょう。
残存SP:1
ボーナスパラメーター▽
効果値:30
消費値:10
速度値:0
詠唱値:20
熟練値:30
見識値:20
そんでもって、スキルレベルもかなり上昇していると言う。
【魔闘】Lv5→6
【エナジーボール】Lv6→7
【スペル・インパクト(P)】Lv2→3
【マジックアンプ・ナート】Lv8→9→10
【マジックウェポン・ナート】Lv8→9→10
【アスポート】Lv10→11
良い調子だ。
ローヴォ、休ませてても経験値入ってるんだよな?
……一緒に戦っておけば良かったか。
いやでも、ローヴォはひき殺される可能性が高い。
とりあえず依頼されていた分の肉は大量に溜まった訳だし。
さっそく戻って精算と行こうか。
そして焼いてもらうのだ、肉を料理長に。
誤字の事がありますので、気を使う様にしますね。
さて、クリスマスがやって来ました。
メリークリスマス。
今回は二時間に一回更新です。
全十二話?
書き溜めは?
……ふふふ。
まあなんとかなるでしょう。