表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/626

-135-

更新二回目でした。


 ツクヨイ達はスキルレベルが上がっているのに対して。

 俺のスキルレベルが上がらない理由がわかった。

 スキルつかってねえ、ただそれだけだった。

 ローヴォとは戦ってるし、そろそろ契約魔法とか上がってもいいんじゃないの?

 積極的にスキルを使って行け、とそう言う事ね。


 さて。


 行商クエストエリアの途中に中継地点がある。

 そこに一度荷馬車を停めると、俺達は山へ向かって歩を進めた。

 このアジトの地図とやらが指し示すのは、この先。


「ひええ、魔物出て来ないか心配ですね?」


「大丈夫です、盗賊が出た場合は盗賊しか出ませんから」


 それもそれで、素材が集まらなくて困る。

 ちなみに盗賊のドロップアイテムは、汚れた剣と鎧。

 あと、多めのグロウだった。


「中古買い取りは中々ですよ?」


「よし、無限往復しようこのクエストエリア」


「残念ながら一日一往復だけです」


 畜生!

 歯噛みしているとツクヨイがふと疑問を述べた。


「ニシトモさんは来た事あるんですか? アジト」


「いいえ、ありませんよ?」


「なら敵の情報とかわからないんですね、……ちょっと怖いです」


「まあ何かあれば彼に頼りましょうか?」


「それもそうでした」


 別にそれしても良いけど、その分俺に報酬上乗せしてくれ。

 ってか多分、レアアイテム落としたのってローヴォの能力関係あるんじゃないか?

 契約魔法で俺にフィードバックされている強運の瞳。

 ドロップアイテムを少しだけ良くしてくれる力や異常状態に掛かりにくかったり。

 闘気だって貫通してしまえるのが恐ろしい……。


「あ、洞窟が見えましたよ」


「盗賊が二人ほど見張りに立っていますね?」


 山の木々の間を息を潜めて偵察していると、インフォメーションメッセージが流れた。




[アジトの地図を確認しました]

[シークレットエリア”盗賊団のアジト”です。制限時間は2時間になります]

[入場しますか? yes/no]




 なるほど、ゴブリンのシークレットエリアと同じ位置づけになるのか。

 だとしたら、出てくる敵もかなり強い者になっているとか?

 もしくは、かなり大勢の盗賊がわらわら出てくるとか?


「シークレットエリアは知っています。油断せずに行きましょう」


 ニシトモの言う通りだな。

 本番の弱いのか強いのかわからんツクヨイは息を呑んでいた。


 そして入場する。

 見張りに見つかるのかと思いきや、入場しても位置は変わらなかった。

 詰まる所、自由にやっていいってことだよな。

 時間も二時間って事は、それだけ時間が掛かる設定になっている。

 そんな所だろうか?


「闇魔法は奇襲に弱いっけ?」


「甘く見ないでくださいよローレントさん。私もこれでも中級ぶらっくぷれいやぁなんですから」


 ツクヨイが小さな声で詠唱する。


「ブラックカーテン」


 少し長めの詠唱だったが、見張りの二人がキョロキョロしだした。

 そして口をぱくぱくさせている。


「暗黒と沈黙の異常状態魔法です」


 今が好機と見た。

 音も無く走り、そして一人の首を一刀のもと削ぎ落とし。

 もう一人は手足を全て斬り捨てて行く。

 空間音も全て消し去る事が出来るなら完璧なんだけどなあ。


「……連れて来ないでくださいよ!」


「離れれば大丈夫だろう、任して」


「なるほど、予め中の様子を聞いておくという事ですね?」


 入り口から大きく迂回して少し離れた森の中で状態異常を取っ払ってやる。

 無理矢理異常状態回復ポーションと中級回復ポーションをかけられたダルマ盗賊。


「ひ、ひぃ——ぉぶっ!!?!?」


 声を上げられる前に、喉元を抑えておく。


「中の人数は? 部屋の数と経路を教えろ」


「——かひゅっ、——かひゅっ!!」


「大声出したら殺す。出さなかったら上級回復ポーションで元に戻してやる」


 そう言って呼吸困難に陥っている盗賊の喉元から手を離した。

 欠損でどんどん減って行くHPは、ツクヨイの回復のクリスタルで何とか持たせる。

 そう、どっちにしろこの盗賊は死ぬ運命なのさ。


「部屋は五つ。大部屋が三つに、奥に親分の部屋とその奥に宝物庫」


「経路は?」


「全部真っ直ぐ行けば良い。大部屋は武器庫、厨房、雑魚寝部屋になってるから」


「人数は?」


「覚えてねぇよ——わかった、わかった言うから」


「早くしろ」


「大体五十人くらい」


「頭取は一人か?」


「三人居る」


「そうか、ありがとう」


 そのまま長剣にて首を落としておいた。

 情報は聞けた、後はどう攻めるかだな。


「えげつねー手際ですねー」


 顔を青くしたツクヨイ。

 ニシトモは関心した表情をしているのに、まだまだだな。


「見張りの交代があるかもしれません、早めに進入しておきましょう」


 ニシトモの言葉に頷くと、さっさと洞窟内部へと進入する。

 魔法のあぶり出しとかどうだろうか?

 そんな便利魔法を持っている奴はパーティに居ない。


 最初の大部屋は武器庫を兼ねている所だった。

 情報通りだな。

 幸いな事に見張りがやられた事には気付いてないらしい。

 こっそり影から見ていると、ヤンヤヤンヤと盗賊達は互いに武器を合わせ合って練磨しているじゃないか。


 中々統率が取れている。

 酒を片手に賭け事してる奴も居るけどな。


「ツクヨイ」


「はい。ブラックカーテンの詠唱は終わっています」


「どうするんですか?」


「奇襲と挟撃」


「え、二十人近くはいますよ?」


 親指を立てておく。

 とりあえずやるのだ、考えはある。


「ブラックカーテン!!!」


 座標は部屋のど真ん中。

 そしてそれと同時に俺も駆け出した。

 ブラックカーテンの中へ突っ込んで行く。


 パーティメンバーには掛からない仕様になったの?

 沈黙、暗闇に慌てふためく盗賊達の合間を縫って、部屋中央を駆け抜けて行く。


「て、敵襲だ!!!」


「迎え撃て!! 相手は一人か!? 向こうにいるぞ!!」


 そして奥の大部屋からも足音が聞こえてくる。

 俺が駆け抜けた目的はこの部屋の隔離。

 そう、ストレージから石柱を呼び出して二つ程ブッ刺しておく。


「ちくしょう! この野郎!!」


 石柱を叩く音が聞こえるが、イシマル謹製の巨大石柱だ。

 中々壊れないぞ?


「なるほどそう言う事ですね! ツクヨイさん、サポートお願いします!」


「はい、ダークサークル! ダークボール!」


「出来るだけ異常状態に陥った敵から仕留めて行きます! 撹乱は任せました!」


 ツクヨイのサポートがあれば行商プレイヤーであるニシトモも何とかなるだろう。

 さて隔離させてもらったこの部屋の盗賊の数は十数人くらいかな。

 盗賊頭も居ないから、楽に戦えるだろう。


「マジックアンプ・ナート」「マジックウェポン・ナート」「ブースト」


 魔闘スキルは魔纏の頃からパッシブなので既に起動させてある。


「アスポート」


「ぐわ、砂が!!」


 顔を覆った盗賊に膝蹴りを見舞う。

 魔力補正を上げてあるので、魔闘のスキルがあれば十分素手でも渡り合える。

 ここはアスポートを多めに使って行きましょう。

 スキルを多めに使って行くって事は、MP回復ポーションもそれなりに持っておかなきゃダメなのかな。






拷問回でした。

驚くべき程の手際ですね!


そしてツクヨイの新しい闇魔法スキル。

ブラックカーテンも登場しました。


闇魔法と光魔法は、どちらも支援重視という立ち位置ですが、敵の弱体化、味方の強化で線引きしています。

火、水、風、土は皆さんが思ってる通りで大丈夫です。

無属性は、副次的な魔法効果が無く単純に純粋な攻撃力になりますので、オールラウンドでダメージを稼げると言う形です。


大凡な副次効果。

火……火傷であったり、追加ダメージが見込めたりする。

水……癒しの力と持っている、かつ攻撃力も普通。

風……攻撃スピードが早く、斬撃属性を持つ。

土……穴が掘れる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ