表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/626

-118-


「あれ? ガンストは?」


 そんな声が会場に響きました。

 決勝トーナメント四回戦は、俺とガンストの戦いとなる予定だった。

 無情にも、神はガンストを見放したのだろうか?

 ってか神よ、それは俺に失礼じゃないのか。


 ガンストは棄権。

 というか、ログインしていないらしい。

 大ブーイングが巻き起こっている。

 ブーイングの中にはスプラッターにならなくてホッと一息つく純粋な人も居るようだ。


 でも大抵の人間ってエロとグロが好きでしょ?

 視聴率的な意味合いで、一つ目玉となる組み合わせだと思ったんだけどな。


 でも、決勝トーナメントは盛り上がっている。

 御都合主義で、身内のチームが離ればなれになるって事は無いみたいだった。

 一回戦目はツクヨイと十六夜。

 弓使い対闇魔法使いだった。


 結果は?

 遠距離攻撃に苦戦するツクヨイ。

 十六夜はフォレストウォークよろしく、ステージを走り回って執拗にHPを削っていた。

 プレイヤースキルで三本同時に矢を放つってどうなの?

 ありえるのだろうか?


 ダブルショットっていうスキルは確かあった筈。

 一本の矢が二つにわかれて同じ軌道で射出されるスキル。

 MPを気にせず連射している所を見ると、どう見てもプレイヤースキルっぽい。

 ってか三本同時に射出する弓スキルは知らないしな。


 十六夜ってば確かクリティカル上げてる弓師だったから。

 プレイヤースキルが濃厚だ、おろそしい。


 ツクヨイも苦戦しながらどうにかガードを重ねているが……。

 ダークサークルを起点に魔法行使する特性上、どうしても攻めあぐねている。

 そして為す術無く削りきられて十六夜の勝利となった。


 それでも可愛い女の子と美人が戦っている。

 その状況だけで盛り上がっている一部勢力があった。


 二回戦は知らない剣士プレイヤー同士の戦い。

 うむ、特に語る事も無い。

 強いて言うなれば、スキル合戦もスキル合戦でいいとおもう。

 スキルのつなぎが上手いから、流れる様にお互いが打ち合って。

 まるで映画を見ているようだった。


 で、結果取っ組み合いになって決着がつくあたり。

 対人戦で物を言うのはプレイヤースキルなんだなと。

 まあそう言うスキル合戦も好きだけどね!

 俺は攻撃スキルが少ないからアレだけど。


 俺もたまに使うスティングと似た様なので、踏み込み突きというスキルがあるようだ。

 スティングの動作は予備動作無しで身体を限界まで伸ばす様に片手刺突剣を突き出す。

 フェンシングの突きと同じ。


 だが剣技のそれは、受けの後に胴を狙って溜めを作り一気に踏み込む。

 踏み込みで力が乗った一撃だな、その分スピードには欠けているけど。

 注意しておこう。


 三回戦、これで勝った奴が俺と当たる。

 三下さんでした。

 三下さんの装備は片手剣と小盾。

 俺の手甲に似てるが、左手の甲の部分が丸い盾になっている。


 その様子は?

 堅実、というか反応速度がかなり早い。

 後の先にて、攻撃を受け着実に距離を詰め、魔法プレイヤーに攻撃を与えていた。

 魔法、上手く弾くのね。


 それにHPが減ってる時と減ってない時があった。

 もう一つ、掻き消える時とそのまま弾き返す時も存在した。

 一体どういう事だろうか?

 カウンター系か?


 相手の魔法使いは風属性。

 エアカッターが自分に返って来て焦っていた。


 ふむ、横から吹き付けるウインドスラップは避けていた。

 小盾スキルかなにかかな?

 弾き返す時は小盾を使う、それだけ注視しておくことにする。




 十回戦目が始まる。

 初戦を突破した物同士が、ぶつかり合う。

 そしてこれに勝てばシード権を持ったスペシャルプレイヤー達と戦う事になる。

 ワクワクしてくる。


「正々堂々、やらせてもらうぜ」


 三下さんの白髪ミディアムの髪の毛が揺れている。

 割りかし細っこい体つきだが、身長は170cmくらいはありそうである。


[そのガード、最早職人芸!]


[対してローレントさんは、強烈な印象を残しているので語る必要はないですね]


 おいちゃんと説明しろ。

 GMデルタ、職務放棄か?


「こちらこそ、よろしく」


「近くで見ると、案外デカいんだな? キャラメイクは等身大か?」


「ああ」


「俺もだ、そっちの方が馴染むからな」


 痛覚もマックスだ、本当にアレは違和感しか覚えない。

 攻撃される瞬間の意?

 戦いには必要不可欠な要素である。


「噂は予々聞いてるけどよ、手加減だけはする必要は無いぜ」


 頷いておく、戦いの前に余計な語り部は必要ない。

 さっさと開始のゴングを待つのみである。

 この瞬間だけは皆静かになるんだよな?


[はじめ!]


 GMベータの言葉で戦いがスタートする。

 互いにスキルを詠唱し、三下さんは構えて俺は前に出る。


「デリケートモーション!」


「ブースト!」


 魔纏は既に掛かっている、全力だ!

 でも小手調べはするよね、お互いに手の内を全て晒すかと言われれば、奥の手は取っておくべき。

 もちろん100%でやりながら、110%、120%と後だしじゃんけんを交わすのだ。


「くっ!」


 初手は三節棍にて打撃。

 間合いが取れるからな。


 デリケートモーション?

 三節棍の軌道を予測して、左手の小盾を動かす三下さん。

 軽い手応えと共に、弾かれる。

 ……HPの現象は無し。


「カウンタースキル?」


「手の内を晒す程マゾじゃねえ」


 さいでっか、さいでっか。

 だったら検証を重ねるのみである。


 剣同士で打ち合うよりもね。

 三節棍で間合いを取りながら打ち付けている方が俺に利があるよな。


ガンスト達との因縁は、後々まで響く事になりそうですね。

そして三下さんの登場です。

謎に包まれたスキル構成!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ