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 鳥獲高は?

 大量だ!

 万腰太鼓にはほど遠いがそんなテンションだ。


「フォオオフォオオ!!!」


「ピギャアアピギャアア!!!」


「ボエエエボエエエ!!!」


 うるさ!

 うるさい!


「……なんてこと」


 文字通り、一網打尽にした梟各種がもっさもっさと網の中で暴れている。

 地味にダメージを負っているな。

 ハントスパイダー謹製の糸は中々きれないだろう。

 その様子を見て、アンジェリックは持っているセンスで口元を覆っていた。

 驚いた様子である。

 その割に、エスメラルダは梟を食べたそうに躙り寄っている。


「食べて良いぞ」


「シャアアアア」


「エスメラルダ! ああ、なんてお行儀の悪い!」


 さて、捕獲しきれなかった梟はローヴォが茂みからの奇襲を繰り返し襲っている。

 では狙いはどこへつけようか?

 マナフクロウでしょう。


 くりくりの目と視線が合った。

 羽ばたいて、風が巻き起こる。

 突風と共に、森の枝や葉がスッパリと斬れてしまっている。

 鎌鼬か……。


「くっ」


「きゃあ!」


 魔纏の魔素流動で受け流す事は可能だった。

 だが、エスメラルダを見て頭を抱えるアンジェリックは直撃を受けるだろう。

 ストレージから石柱を転移。


 一体どれだけあるんだって?

 それは秘密だ。


「ここにいてくれ」


「え? ……もしかして守ってくれたの?」


 バトルの邪魔だから、な。

 それにしても梟の声がうるさ過ぎて何も聞こえん。


 早いところ仕留めよう。

 弾機銛を射出、流石に避けられるか。

 ならヌンチャクを投げる。

 翼の付け根にヒットした、ナイス。


 もつれて降下するマナフクロウ。

 ヌンチャクはちゃっかり回収しておく。


 木枯らしが巻き起こって体勢を立て直した?

 俺を見据えて再び目が光った。

 咄嗟に顔を覆うと、腕に羽根が刺さりまくっていた。

 地味に痛い。


 そして羽ばたいたまま空へと舞い上がる。

 ローヴォの支援は?

 期待出来そうに無い、オオフクロウ相手が精一杯かな。

 再び弾機銛を射出する。


 翼を貫通した。

 たぐり寄せるが、人より小さい癖して意外と抵抗が激しかった。

 ってかどこぞのお嬢も早く戦線復帰して支援してくれないのかね。


「ブースト!」「マジックアンプ・ナート!」「マジックウェポン・ナート!」


 呪文を継ぎ足して綱引きだ。

 ぶっちゃけると紐を切られちゃ敵わんので、早いところ仕留めたいんだが。

 奴さんも奴さんで、落ちない事に必至でひと欠片も紐を切る思考がないようだ。

 好都合です。


 ヌンチャクを投げておきます。

 昏倒しろ、そして落ちろ。

 ぐお、反発がすごい!


 相手のHPは?

 じわじわと減っている。

 決着はローヴォの跳躍が届く距離まで引き寄せたときだった。

 木々を飛び越え、上からの強襲。




[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]




 ……ひとたまりもないな。

 ぐしゃぐしゃになったフクロウからはこんな物が。




【魔石(中)】素材

色々な素材として利用できる。

価値に比例して大きさと色艶が変わってくる。


【魔法の羽根】素材

飾りにしてよし、羽根ペンにしてもよし。

魔力補正を持った不思議な羽根。




 俺、ご満悦。

 魔石は重要な資源である。

 そして魔力補正を持った羽根もドロップした。

 よきかなよきかな。


 さて、一網打尽にしたフクロウ群からは?

 エスメラルダ!

 そろそろ解放してやってくれないかな?




【森梟の羽根】素材

羽音無音な森の知恵者の羽根。

矢羽根に用いると、命中率に補正が効く。


【大梟の羽根】素材

羽音無音な森の狩人の羽根。

矢羽根に用いると、命中率に補正が効く。




 残念ながら弓は持って無いが、売り飛ばすには十分過ぎる代物だろう。

 二つで違いはあるのだろうか?

 大梟の羽根の方はやや大きめできめ細かい。

 単純に森梟の上位素材?


 食材はなかった。

 それでも実入りは大きい?

 黒字ではあるかな。

 投網で一網打尽に出来たのはかなり大きかったみたいだ。


「妾、貴方が欲しいのです」


 はて?

 いきなり何を言いだすのやらお嬢。

 言っとくが、梟素材はやらんぞ。

 俺が仕留めた奴だからな。

 つーか、エスメラルダにかなり食われたんだが?


「違うの、テンバーのプレイヤーズヴィレッジなんか捨てて、私達の町へ来ない? セロの名前を進呈して上げる」


「すまん、興味ない」


「あ……」


 なんか、なんか悪い事しちゃったかな?

 でもでもだって、流石にケンドリックがデカい顔する所にはいけないだろ。

 レイラ当たりからフレンドメッセージがやまなくなりそうだ。

 ただでさえイライラしてる毎日っぽいのに。


 ……。

 うーん、悲しそうな顔をするお嬢さんに一つ朗報だ。


「この森の奥にこれからもたまに狩りに来ていい?」


「是非! 是非お越し下さいませ!!」


 エリア拡大エリア拡大。

 北の森を抜けたマップって地味にマーダーアントとかキラーホーネットとかそう言う強そうなモンスターがいたりしそうだ。


 コンバットエイプの群れには流石に対抗出来ない。

 よって、ここは一ランクさげた大量狩りと行こうじゃないか。

 パーティープレイ?

 交易船でやる。




 休憩がてら、ローヴォの能力をチェックしていた。

 何やら[NEW]マークが出ていたようだったのでな。



◇テイムモンスター

テイムネーム:ローヴォ

【ラッキーウルフ】幸運狼:Lv10

グレイウルフと同じ性質を持つ。

その瞳は幸運の翡翠が宿り、淡く輝いている。

[グレイウルフの基本スキル]

[強運の瞳]

テイムモンスター装備

【合わせ翅と翡翠の首輪】

※躾けるには【調教】スキルが必要。




 ついにレベルも十になってしまったか。

 そして幸運の瞳が強運の瞳に変わっていた。

 心強い味方となる、わん公いいぞ。

 よし、サンドイッチを食べさせてやろう。


「狼も可愛いですわね」


「蛇も可愛いよね」


「あら、あらあらまあまあ、エスメラルダちゃんの良さがおわかり? 本当におわかりになられるので?」


 ニシキヘビの締め上げる強さと着たらもう。

 あの時はどうやって脱したか。

 確か食らい付いて噛み千切った気がする。

 それだけ死にものぐるいだった。


 獣の武器ってなんだ?

 歯だよな。

 いや、獣が剣とか斧とか持たないし?

 爪?


 圧倒的に歯だ。

 タンパク質とカルシウムじゃ、さもありなん。


「味は淡白だったが生臭かったなあ」


「え? は? ん?」


「え?」


 なんだろう、いまいち話が噛み合ないな。

 とりあえず、小休止は言ったん終了。


 インスタントホームモニュメントは使用していない。

 と、言うことは、ローヴォが立ち上がって唸りを上げた。

 モンスターが近付いている。


 今度は彼女の精霊術との連携を取ってみよう?

 まずはエスメラルダとローヴォの連携でもいいんだが、俺が戦いたくてしょうがなかった。






ローヴォ強化。

あと、話が噛み合ってない件?

そしてローレントをめぐって何か起こりそうな予感(前振り)


今日はもう更新はありません〜!

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