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 ログインだ、大量の金品だ。

 シークレットエリアを出て、弱めのコボルト狩りを楽しんだ。

 無論、狙うのは金貨だ。


 どこぞの金貨か知らんが、使い道は考えてある。

 金の武器?

 んなわけあるか、装飾品として使う?

 まあ落ち着けよ。


 鉄製の武器よりも木製の武器に信頼をおいてる俺が言うべき発言ではない。

 まずはメッセージでツクヨイを呼び出す。


「はれぇ~、なんですかローレントさん」


「一ついい?」


「にゃんですかあ~?」


「ログアウトする時ってもしかして装備外すの?」


「はわわわわわ」


 まあ、インナー姿とだけ言っておきましょう。

 気持ちはわかる、雑魚寝ログアウトじゃなくて、ちゃんとした間借りをした上でのログアウトは必然的にベッドになる。

 慣れてないと脱いじゃうよね。

 いかんせん、チュートリアルというか弟子入りせずに冒険に出るプレイヤーは雑魚寝タイプばかりだ。


「お、お待たせしました」


「大丈夫」


 スティーブンの家に居座るようになって、遭遇率はなんと減った。

 ツクヨイがきたおかげで、工房に練金施設が持ち込まれた。

 スティーブンがどこぞからお古をもらってきたんだってよ。


 クソジジイのお年玉で、妹弟子、家に練金施設を貰い受ける。

 俺は倉庫に寝泊まり。

 兄弟子なのに、この扱いの差な?


「金の合成ってできる?」


「……錬金術師の永年の課題ですね、ちなみに魔法銀もまだですが私」


「そうじゃなくて、普通に不純物の取り除き?」


 ガシャガシャと金貨を積み重ねていく。

 割と重量があったみたいで、軽くなったように感じる。


「はわわわわわ!!!」


 二度目のはわわ。

 もう聞き飽きた。


「い、一体これ!?」


「出処は教えん」


「えー」


 そうがっかりするな、見合った報酬は払うというのにな。

 その前に、ツクヨイがこんなことを提示してきた。


「そうだ、中級錬金術師になったのでインスタントモニュメントを錬成できるようになりました」


「それはまことか」


「おひとつどうぞ……って、どこの時代の人ですか?」




【ホームモニュメント(インスタント)】製作者:ツクヨイ

一日限定の魔物が寄ってこなくなる不思議な石盤。

魔石、または魔結晶などで機能の拡張は不可。

規模によってモニュメントの名称も変わって行く。

[インスタント→ヴィレッジ→タウン→シティ→メトロポリス→ステイト→キングダム→インペリアル]




 いつの間にと思ってレベルを見てみた。




【ツクヨイ】中級闇属性魔法使い:Lv30

・中級錬金術師

・下級薬師

・下級職員





 あれ、色々と増えてない?

 そんなことよりも、一日限定のログアウトが出来る安全圏ってことだな。

 こんな代物を、もらっていいのかな?


「特殊石材の需要が高まってまして、石工屋のイシマルさん大忙しですよ」


「うん」


「でもあげますね? 大忙しですよ、一日の生産数決まってて価格も高騰です。でもプレゼントします」


「お、おう」


 敢え無く、金の一部をツクヨイにプレゼントという形に落ち着いた。

 早速100グラムの地金にしていく、ツクヨイ専用となりうる錬金室へと赴き錬金台の上で魔法陣に魔力を通す。

 まず、金とゴミが分離した。


「選択するだけで簡単っぽいです? でも鍛冶に比べて精製数は低くなるみたいですね」


 中級錬金術は金の精製なんかお手の物ってか?

 だが、その代わり、何パーセントかは手数料として持って行かれるみたいだった。

 運営め、鍛冶施設を作ってやれってことか?


 それはさておいて、くすんだ金貨の純度は?

 24Kだと思いたい。

 出来上がったのは一本だけだった。


「意外と持っていかれちゃいました?」


「純度による」


 現在の資産価値で100グラムって言えば50万は超えるぞ。

 これは美味いかもしれん?

 三日分のログイン時間をかけたコボルト狩りでこの収入があるって、恐ろしいぞ。

 ああ、異世界に行きたい。

 ゲームの世界に住んでいたい、そんな気持ちもままある。


 さて、ツクヨイにお礼を言って、精製しなかった分の金貨を数枚挙げる。

 金のアクセサリーくらい作れるだろう。

 ホームモニュメントなんかプレゼントされたら全部くれてやるしか対等になれん気がする。

 あれ?

 金の価値やすくね?

 相場がわからん!


 とりあえず確かめるためには価値を知る場所へ行く必要がある。

 ニシトモに頼むか?

 いや、あいつに頼んだら骨の髄まで金を絞りとられそうだ。

 せっかくだからレイラ村から船でノークタウンへ渡る。


 ああ、この名前。

 早速第一議会で通された案らしい。

 レイラ、頑張って抵抗しているようだった。


「よお、乗ってくかい?」


「オーナーだぞ」


「まままマジですか? うひゃあローレント!」


「うす」


 小遣い稼ぎに乗船場のバイトをしていたプレイヤーだ。

 丁度出航するみたいで、新徳丸と山田丸が準備を急いでいた。

 マルタは?

 ミツバシとイシマルと一緒に釣りして遊んでる。


 スキルブックでるしな。

 時間に余裕があれば釣りするのに、今は時間が惜しい。

 金だ金だ金だ!


「千グロウだぜ!」


「よろしく」


 こういう場合、所有者といえど払っておくものだ。

 よし川での戦闘と行こうか!





「船を守れー!!!」


「船首からピラルークくるぞ!」


「船尾にフィッシャーガーの群れだ、推進機に近づけるな!」


 野良パーティ楽しいです。

 テイムモンスター連れは露骨な視線が刺さるのだが、なんと懐かしき双子と船に乗り合わせていた。

 ホップとステップだった。


「やあやあお久しぶり!」


「ちなみに僕がステップだよ!」


 ホップが薬師で、ノークタウンへポーションの配達を頼まれたついでだとのこと。

 交易マップは、数々の川のモンスターが船を襲う。

 船の損傷率が三十パーを下回らずに無事にたどり着けたら、魔物の素材が報酬として支払われる。

 っていうアミューズメントマップと化した。


 ……プレイヤーがお金とっていいのかそれ。

 と思ったが、プレイヤーが船を持たねば、このイベントは生まれないのよな。


「廃人漁師がいれば」


「この船も安心だね!」


 双子は船体右から押し寄せるキバウオの群れに攻撃を仕掛けていた。

 ローヴォは飛んできたキバウオを捕まえて食べている。

 とりあえず船首に突撃を繰り返すピラルークを倒そう。

 障害物がいるだけで進行が遅れる。


「うわあなんか石柱が降ってきたぞ!!!」


「揺れる! 揺れるオロロロッロロ~~~~!!」


「ね、ネジが取れるっす!?」


「おら! ローレントの旦那! 揺らすんじゃねー!」


 新徳丸から怒られてしまった。

 だって手っ取り早いんだもの、上からの質量兵器だな。

 文字通り、一撃が重たい。


「漁師さん漁師さん! あなたのエンジンやられちゃうかもよ?」


「今の揺れで船尾の守備陣がグロッキーだから」


 何!

 おのれ、俺の推進機には触れさせんぞ。




夕方また更新します。




※感想で指摘あったんですが、タイアップイベントは二週に渡って土日に行われてまして、今平日描写になってます。んで、後何話か進んだら闘技大会イベントが着まして、ネタバレですがアップデート着まーす。無駄にややこしいゲーム性がやや改善、改悪するかもでーす笑

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