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感想にもご指摘あったんですが、タイトル間違えてました。

でも話は間違ってないです。

「彼等が操船技師たちよ。将来の航海士さん方」


「よろしく。船頭を目標にしてる新徳丸だ」


「よろしくっす。僕は見習いの山田丸っす」


 船着き場に船に乗って待ち構えていたのは数少ない漁師プレイヤーの二人。

 テンバータウンで漁師持ち、っていうかちゃんと漁師やってんのは、この二人くらいだったりする。

 俺も知らなかった、今日初耳。


 誰かさんは魚も捕らずに森を駆け巡ってるし。

 もう一人は沈む船を造っているとのこと。

 一体誰の事だ。


 樫の素材に金具とボルトで確り固定された大きな船を使う。

 製作者マルタ。

 大丈夫かこれ?


「本気出したから大丈夫だ」


「ああ、俺もイシマルも乗ってみたから大丈夫だよ」


 ガストンもチェック済み。

 フィッシャーガーの歯に耐えるし、猛烈なキバウオにも負けない。

 本当か?

 ガストンが言うならそうなのだろうな。


 エンジンはどうだろう。

 前の手漕ぎ和舟よりはマシになっている。


「漁師スキルか、操船スキルを持っている人はここに手を当てるんだ」


 新徳丸の指示に従って、山田丸とマルタが推進機に手を当てた。


「操作画面が出るっす!」


「すげぇな」


 俺も後でやってみたい。

 オートモード、マニュアルモードがあって、狩りをしながら楽に進める仕様もなっている。

 水を斬る音と共に船が動き出した。


 つけられた推進機は正面から水を後ろに噴出して力を得る。

 一体どうやって曲がるんだろうな。

 個人的にはエンジン音がする位が船として丁度良いんだけど。


「釣り竿持って来たぜ!」


「俺にもやらせろよ!」


 ミツバシとイシマルのコンビが船縁で糸を垂らし始めた。

 それぞれ船に乗るメンバーはこう。


 舵取りはマルタ。

 予備の操船技師はミツバシである。

 乗るメンバーは、イシマル、十六夜、アルジャーノ、エアリル。


 もう一つの舵取りは新徳丸。

 予備の操船技師は無し、彼は十分に戦えるプレイヤーだった。

 メンツは、ガストン、エアリル、ブラウ、トモガラ、十八豪。


 最後は山田丸が舵を取る船。

 予備の操船技師は俺。

 メンツは、レイラ、ブリアン、ツクヨイ。


 俺らの所は、重量超過で少なめだ。

 でもいい、何かに移動する事によって、闇魔法は無類の強さを得る事が発覚した。

 船をフィールドとして認識したダークサークルが強い。

 真っ黒だ、もうね、すごいよ。

 これが夜闇に紛れる密漁とかだったら絶対に見つからないだろってくらい。


 トコトン迎撃と絡めてに向く闇魔法。

 船が沈まない事を願おう。


「帆がある物だと思ってたんですけど?」


「戦闘の邪魔だからだろ」


 ツクヨイがダークボールでフィッシャーガーを叩き潰しながら聞いてくる。

 確か帆があると推進力が増して、早さが出ると言うが、目的地へ素早く向かう事が目的ではなく。

 対ボス戦に耐えうる船だから、こういうデザインなのも仕方ない。

 大きく反り出た船首には鋼板で覆ってあるとか。

 生命線である舟底ももちろん頑丈にしてあるし、転覆しない様な形になっている。

 マストなんかあったら、すぐひっくり返るだろ。


 幸いにして、川下りならば、速度を気にする必要もない。

 ただ上るのが面倒なだけでね。


「マップが変わったである」


 ガストンの声が届いた。

 ミニマップの事か、マップ自体は基本的に良くあるゲームのポータル式ではないから何の事かと思ったが、普通にボスエリアに入った印が表示されてた。

 特殊マップみたいな物か。


 [東の川の異変、蠢く沼]っていうマップ。

 新徳丸が声を上げた。


「ピラルークの影が見える、近付くのは少し待て」


 推進機の出力を弱めて、船を停める。

 ミツバシが良い物があるとアイテムボックスから取り出したのは、小さな船の模型。

 ねじまきが付いていて、それをキリキリ回しているが?

 ああ、そういうことね。


 水面に浮かべた模型が水面を走って行く。

 そしてドボンという音と共に消えた。

 マハタかよ、と。

 二十キロくらいあるマハタがいる生け簀に、指を突っ込んだ親戚の子供。

 人差し指を折られました。

 口の形にてるし、あの巨体ならなあ。


「ねえ、船、壊れない?」


 レイラの呟きもごもっともだ。

 幸いにして、フィッシャーガーやキバウオがいない所は良いのだが、それでいいのか。

 その分ピラルークオンリーな方が辛い気がする。

 この船は、ピラルークの突撃に耐えうるのだろうか?


「さあ前哨戦だ!」


「まてどうすんだ?」


「こーすんだよ!」


 トモガラのトマホークが水面に居るピラルークに直撃した。

 しなやかな鱗は、衝撃を分散する仕組みを持つが、根本からぶっつり断ち切られてました。

 相変わらずのパワーだこと。


「そうすんのな」


「ありがとよ」


 アポートで手斧を引き寄せて手渡す。

 船上からの攻防はこんな形だった。

 みんな、物を投げ過ぎだってば、こっちが忙しいっていうか。

 俺のMPを考えろ。


 このゲームをプレイしていた、初めてMPの心配をしそうな予感。

 いやねえ、いつもはMPそんなに使わないし。


 ミツバシ、レイラ、アルジャーノ、エアリル、ツクヨイ、十六夜。

 それぞれ遠距離攻撃手段を持つ人は思い思いに攻撃を加えている。

 イシマルとガストンとトモガラは控えに回れば良いのに……。

 大人しいローヴォを見て思った。


「増えるみたいです!」


 十六夜の梟、ブルーノが旋回する。

 そして小さな竜巻を起こした。


「なにあれ! カッコいい! ヤンヤンにもやらせたいなあ!」


「テイムモンスターのスキルです! 梟は風の魔法を取得出来ます!」


 もしかして彼女のブルーノもクラスチェンジしたのかな?

 それに引き換えウチのローヴォは?

 甲板で欠伸している。

 テイムモンスターは水には潜れない。

 今の所ね。


 あ、目が緑色に光った。

 む?

 足下に何か落ちて来たと思ったら、ピラルークの鱗だった。

 だが、少し様子が違う。




【鎧魚の虹鱗】

滅多に穫れない希少部位。

高値で取引される。




「ローレント」


 ギクリ。

 黙秘権を行使する。



やっとエリアボス戦

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