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小分けしてだしてます
ログインするも何も、さっきからずっとログアウト警告が鳴り続いている。
十時間過ぎましたって、別に良いだろ。
って事で一度ログアウトすると、微かに筋肉の衰えを感じたので、一本やって来た。
復活復活。
ん?
何をやったかなんて今更だよな。
さて、鬱陶しい警告もなくなって。
プレイヤーネーム:ローレント
職業:中級無属性魔法使いLv36
信用度:85
残存スキルポイント:3
生産スキルポイント:0
レベルは36になっているのである。
万が一にも、これで俺が闘技大会でトモガラに負ける要素は無くなっているのだ。
俺の経験値と消えたのは、マジックビートルとハントスパイダー。
後はモスチート達だ。
最近思うんだけど、蟲狩りって経験値効率は確かに良い。
サクサク狩ろうと思えば狩れるしね。
でも、グロウすら落とさない時って何だよ。
マジックビートルの甲殻ですら落ちない。
ハントスパイダーの子供達のドロップアイテムなんか店売りでも買ってもらえないゴミだったりする。
溜息を力に変えて再び狩りを進めるのだよ。
ってことで、ギンヤンマは他のプレイヤーに占領されていたので丘へ行く。
夜はコボルト達が群れる。
叩き落とされたあの頃とは違うのだよ。
俺は慎重さを覚えた。
とか言いながら、いつのまにか肩に三本程の錆びた矢を受けていました。
不覚を取った。
手持ちの武器は、鬼魔の長剣。
三節棍は締まってある、六尺棒時代が懐かしく思える。
[テイムモンスター:ローヴォのレベルが上がりました]
◇テイムモンスター
テイムネーム:ローヴォ
【ラッキーウルフ】幸運狼:Lv6
グレイウルフと同じ性質を持つ。
その瞳は幸運の翡翠が宿り、淡く輝いている。
[グレイウルフの基本スキル]
[幸運の瞳]
テイムモンスター装備
【合わせ翅と翡翠の首輪】
※躾けるには【調教】スキルが必要。
町中バトルでお留守番していた分、積極性に跳んでいた。
レベルアップもこなした事だし、コボルト狩りで何が重要か考えてみる。
解体によってドロップする品々の中には一つ。
光る物体が……。
【くすんだ金貨】
金品集めが好きな魔物がよく溜め込む金貨である。
多種多様な物が流通している。
ぶっちゃけると金だ。
トモガラと十八豪とコボルト狩りした時こっそりドロップを確認していた。
何故だろう、ローヴォが仕留めるとこいつが落ちやすい気がする。
もっとよこせ。
もっとだもっと。
クラリアス討伐に向けて、手漕ぎボートじゃ不可能と言う事で。
使った船の所有権を全部俺にする代わりに、俺がニシトモに大きく出資する事になった。
黒鉄の分は?
二十万グロウの推進機合計十台。
全然足りないからこうして金を集めに来ていると言うのだ。
俺が瀕死にしたコボルトにラストアタックを仕掛ける。
首元に食らい付いて骨を圧し折った。
アドレナリンが出るぜヒーハー。
ドロップは?
もちろん金貨。
でかしたローヴォ、流石ラッキーウルフ。
重量をそこそこ確保して終了。
何に使うかはまだ秘密だ。
江頭みたいな道具屋のおっちゃんに売るのは勿体無い。
「……ずっと起きてたの?」
開口一番レイラに言われた一言でもある。
レベル上がってるんだから、何を言ってるんだかな!
36レベルで戦力外通告を出されたら、一体どうなるってんだ。
「思考効率は激減するよね」
「問題ない。極限状態であれば、再加速する」
実話だ。
人間、っていうか動物は窮地に陥れば陥る程。
脳が活性化する。
そんな事を言いながら、サイゼとミアンが厨房から登場する。
「朝食だー」
「夕食も兼ねるんですー」
最近牛肉料理ばっかりだけど、報酬さげたりしないよな。
調理スキルでステータスが上がるから申し分無いけどね。
ラフな恰好してる生産職のメンバーもこの時ばかりはフル装備だったりする。
俺は相変わらずだが、レイラはセレク謹製の革の鎧に、沢山ポケットがついて、その中に試験官を備えたローブを身に着けている。
「ポーションは任せなさい」
お願いします。
トモガラが欠伸しながら入ってくる。
うん、でっけー斧。
もう十分だから座ってろ。
「一言くらい言わせろや」
「だまれ」
イシマルは大槌を持っているし、ミツバシは弩を何本か背負っている。
「水中にも届く様に、スナイプ仕様のでっけーやつだぜ?」
強そうだった。
操船として需要のあるマルタは、まだレベルが低い。
ピラルークの鱗で作られた鎧を身につけている。
その得物は銛だ。
「誰かさんとは違ってちゃんと漁師だな」
「あたりまえだ」
ミツバシの言葉を流しながら、その他にも川で戦うっつってんのにフルプレートをつけているガストン、身軽そうにするブラウが到着した。
後続の女子達は?
いつもと変わらん。
パンダを眺めてきゃっきゃウフフしている。
言って来いローヴォ。
「くうん」
「……サンドイッチやるぞ」
「わおん」
良い子だ。
幸運を呼ぶ狼すぎる。
無駄がらみが少ないのである。
「ローレント、これをもって居るのである」
「なに?」
ガストンから手渡された。
水守の玉だってさ。
効果は、水中呼吸が可能。
たまげた、薬師と錬金の合体技だってのか。
皮肉な事に、水中行動の制限解除とか。
そう言う文字は一言もなかった。
単純に水の中で息が出来るだけ。
そうなんだろうな。
「故にフルプレートなのである」
「納得」
水中戦でも演じるつもりなのだろうか。
そして船に乗った。
留守番なのはツクヨイのテイムモンスターであるヤンヤンとニシトモ、セレクである。
あれニシトモ、留守番なの?
「ノークタウンへ向かって、討伐隊の知らせをしなければなりませんので」
「……推進機十個も居る?」
「十分な戦闘域と強度を確保する為には必要な数ですよ」
彼は付け足す。
「もっとも、もっと高い価値の物であれば、ブリアンさんをどこに乗せるかで意見が分かれなかったでしょう」
「お、おで!!」
「泣かないのブリアン!」
「レイラの姐御お!」
……確かに。
口をつぐんだ。
まるで少女漫画の乙女の様に泣くブリアンを見て。
誰がいいかえせようか。
彼女の体型は本当に規格外。
NPCじゃないよね?
この三ヶ月で給料が約二倍になり、同時に責任も三十倍くらいになって大変でした。
月休六日ですが、頑張れています。
架空ゲームの妄想日記を読んでくれてありがとうございます。